潔 ノ 森

2005年10月08日(土)

覚書
(NHK知るを楽しむ なんでも好奇心 縄文ミステリーツアー 小山修三 より)

【祭〜非日常性にあらわれる力】
 直径一メートルの柱が出たという三内丸山遺跡の報道はそれまでの貧しい縄文社会のイメージを吹き飛ばすものだった。柱痕の深い穴を覗き込んだとき、この柱は高く空にそそり立っていたに違いないと思った。野球場の広さの発掘現場を歩くと、大小の穴がいちめんに掘り出されていて、もし縄文が石の文化だったら、エジプトやギリシャ、アンデスのような壮大な遺構が残されていたにちがいないと思った。しかし、森の国の建築材は木だったので、すべてが土に帰してしまったのだ。
 長く重い柱は(現在の工事現場のように)すばやく、効果的に運ばれたのだろうか、いやそうではないだろう。縄文人は巨木を運ぶという、この難儀な機会を使って何かを仕組んだに違いない。日本の奇祭、御柱祭(長野県諏訪市)の情景が髣髴と浮かんできた。


 < 過去  INDEX  未来 >


潔 [MAIL] [HOMEPAGE]