シオの日記

2007年02月05日(月) 姉妹の絆

世の中は超高齢社会となり、
私の勤めている病棟はまさにそんな人たちが
体調を壊すとやってくる病棟となっている。

叫んだり、暴れたりはよくあります。
でも、その人が生きてきた何十年かの思いの先に
その行為があり、その行為もちゃんと裏づけがある場合も、
多少あります。

繰り返し繰り返し入退院している患者さんもいます。
今回の絆を見せてくれたのはそんな患者さん。
高齢の姉妹で二人暮しをしている方。
キチンと着物を着て、
どちらかの姉妹が入院するとお見舞いにもきてくれる。

その日も、片方が入院し、片方がお見舞いに来ていた。
付き添いで一緒にお見舞いに来た人が
差し入れにジュースを買いに行っている間の会話に
切なくなってしまったのです。

姉(入院中)「まあ、おばあさんを私らの手で送れたのはよかったね」
妹(お見舞い)「そうね、よかったね」

姉「私らしか、もうおらんから・・・」
妹「そうね、だけど、私らしかいないって思っておかなきゃ」

姉「私がどうにかなったときは、
  ○○さんとこに寄せてもらったらいいけど」
妹「私はあんたがいるところにどこでも着いていくわ」

姉「まあ、二人でできるだけ健康にやっていくのが一番だね」
妹「そうね、できるだけ健康にね」

入院しているお姉さんは家族がきているときは
穏やかに過ごしているが、帰ったとたん
認知症のため、ごそごそ危なっかしく、話もとんちんかんになる。

それでも、妹と話すときは、穏やかになるし、
妹は姉を、姉は妹を信頼して、お互い大事にして想っている。
お姉さんは最悪、施設などに入ってもおかしくないような認知症。
それでも、妹は最悪、その施設にも一緒について行く。
きっとそうなるんだろうなと思うと、
どちらが、どちらを介護しているってわけではないけれど、
支えあって生きている高齢者の、老老介護を思って切なくなる。

でも、現実はこうだ。

朝のニュースでも、やっていた通り、
高齢者に優しくない社会かもしれない、
でも、誰にも優しくない社会だし、
ちっとも改善されていく気配もない。
そして、私たちもどう対応したらいいか、わからない。
よくなって退院しても、瞬く間に帰ってくるおじいさんも居る。

それでも、今私たちが結局のところ、すがっているのは
神でも、仏でも、社会保障でも、政府でもなく、
最後には人と人との絆が頼りになるのだと思う。

とても頼りない絆でも、本人たちが
しっかり結ばっていれば、きっとそれでいいけれど、
それだけでは危険だから。

私は将来どうなるんだろう?
妹とはあまり仲がよろしくない。
親戚らしい親戚は、関東方面に居るので遠い。
そういう人が増えてくるんだろうなぁとも思う。

今の職場では、遠い未来の自分を思う日々がある。
私の妹との絆はどんなものなのだろう


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