| 2007年02月21日(水) |
宝塚大劇場花組公演「明智小五郎の事件簿-黒蜥蜴-/TUXEDO JAZZ」 |
うーむ、これはいったいなんなんだろうか・・・・ 世の中の全ての宝塚ファンと関係者を敵に回してしまうかもしれないが、言ってしまうと、目の前の舞台は「超豪華な学芸会」
テーマや物語がない。 パンフレットの演出の言葉を読んでみても、テーマなし。 性別のことばかりかいてある。
そして本番の舞台。 確かに役者たちはスキルが尋常じゃなく高い。 身体はキレるし、歌もうまい。 しかし、台詞がダメダメちゃん。 そして、一番の問題は脚本と演出だ。 明智小五郎が黒蜥蜴に愛の告白をした後に、しかも「結婚しよう」と言った後に、実はお前の兄だというメッセージを突きつけたら、そりゃいかんわな。 明智小五郎はかなり頭が悪い。 そして非情な現実をつきつかられた黒蜥蜴は自殺。 その自殺にたいして涙させる演出だったらそれもありだとは思うが、言ってはならない現実を思わず突きつけてしまった明智小五郎の葛藤でお客さんを涙させようとするのはいかがなものか。 それがトップシステムの弊害か。 まるで感情移入できなかったし、思わず怒りが込み上げてきた。
第2部のTUXEDO JAZZは長い。 構成や選曲なんかは面白いし、振り付けも日本人向けで上手いなとは思ったけれど、出来れば30分ぐらいに凝縮してくれると嬉しいかな。
でもこの舞台、日本の演劇界に多大な影響を与えているものがあるとしたら、裏方のチームワークではないだろうか。 バトン複数本、廻り盆、迫り、装置が一気に動く状況は圧巻だ。 しかも、決められた尺に過不足なくきれいに収まる動きをしている。 これは素晴らしいと感じた。 申し訳ないけれど照明チームがもう一つだなと思った。 転換のタイミングが詰め切れていないのと、ピンが迷いまくってたなぁ。
それはさておき、今回宝塚初体験で、ミュージカルに対して今まで思っていたイメージを払拭できるのかなと思っていたけれど、見事に悪い意味でそのイメージをより強固なものにしてしまう舞台だったかな。
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