| 2001年11月03日(土) |
ミラクルスペース/FLY AWAY! |
今日はオイラ達と同じく社会人劇団として頑張ってるミラクルスペースの第31回公演「FLY AWAY!」観劇。
全体的な感想としては、作者兼演出家の子どもを思う気持ちが伝わって来る舞台だった。 オイラ自身も子持の身だから余計にそう思うのかもしれない。 メッセージそのものがものすごくストレートで、ちょっとこっぱずかしいところはあるだけど、逆にストレートな分だけ潔さが垣間見えて良かったと思う。 子どもが巣立つシーンはちょっと来るものがあった。
残念ながら技術的な面でいろいろ思うところがあった。 演出の領域で行けば、場面場面の転換が考えられてないなあと思う。 場面の終りに明かりのフェードアウトと、音のフェードアウトが同時で、音がおわると同時に(きっときっかけなんだと思うんだけど)、暗闇の中で役者が舞台を歩く音が聞こえて来ると言うのは、わざと客を醒めさせてるんじゃないかと疑う程の部分があった。 暗転処理しなくても役者の出捌けで十分見せられるところも気になった。 暗転はやはり芝居を殺してしまうなあと感じた。 これは好みの問題かもしれないけど、どうしても気になるのがタオが何故男でなければならなかったのか。 動きもリフも女性そのものであるし、そのままおばあさんの方が説得力があったと思う。
役者は全体的に余計な緊張があった。 それが動きにや立ち方に出てしまう。 もっと肩の力を向いてリラックスして板に立ってればいいのにと思う。 そのなかでも良かった役者はルードをやったよしださんである。 会話の噛み合わない役者達を頑張ってまとめて引っ張っていたように思う。 気持ちのだし方も群を抜くものがあった。 いつか一緒に芝居を作りたい人だと思った。 他の役者んさんたちは、舞台上で自分のセリフ以外のところで集中してなかったり、前傾姿勢じゃなくて猫背で伏せ目がちだったりで気持ちが伝わって来なかった。
しかしこの劇団のいいところは、ここまでしか出来ませんと言うところで割切って芝居を作って、お客さんに対して不快感を持たせない結果を出せるように一生懸命つとめているのが分かる。 その姿勢はある意味感動的ですらある。 だから、こうやって書いてることも彼等にはひょっとしたらどうでもいいことで、もっと別のこだわりで芝居をしているんじゃないかなあと思う。 出来上がった作品だけを見れば、技術的なことはさておいて物語の進む方向にまっすぐに向かっていて、その姿勢は某劇団も見習わなければいけないなあと思う。 そしてそれがこの劇団のいいところだと思う。 某劇団のように、無理して高みを目指して結果中途半端になってしまうよりは実力どおり出せるものを出して行こうと言う感じに見えるし、ひょっとしたらそれが社会人劇団として芝居を続けて行く方法の一つかもしれない。
そして某劇団の代表者であるオイラは、高見を目指すのか結果を安定させる方向に行くのか、それは答えは出ているが、考えるきっかけの一つにはなったなあと感じている。
最後にどうでもいいことだけど、カーテンコールの時、音でちょっとしたミスがあった。 どうでもいいことだけど、これであいこだなと思った。 どうでもいいことなんだけど・・・(笑)
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