兼松孝行の日々つれづれ

2001年09月29日(土) ゼンマイ仕掛けの夢/シアターウイークエンド

なんと発熱が再発!
朝起きたら38℃!

しかし仕事は休めないので、風邪薬と熱冷ましを飲んで出勤。
午前中は火炎放射器で草刈り。
そんなこんなでいろいろ仕事してるうちに、何とか熱は下がったようだ。

そして夕方車を飛ばし、名古屋市千種区池下のシアターウイークエンドへ。
ここの劇団員の加藤由香さんの台本での芝居「ゼンマイ仕掛けの夢」をみる。

途中車が渋滞で動かず開演ぎりぎりに何とか到着。

劇場入り口で、この劇団の主宰者であり、オイラが師と仰ぐ演出家の松本先生に「かねまっちゃん、あそこしかあいてないんだよ」といわれた席が、お客さんが大入りでなんと舞台上に席が設けてある最前列のど真ん中!!
そこで座布団を借りて、後ろのお客さんに迷惑にならないようにからだを小さくして、生まれて初めて舞台上(アクティングエリア)で芝居をみる。

そして感想。

お話は愛する人を失ってしまった人が、失った人の人形を作ってもらって生活をしていくが、一緒に生活していく上でやがてその愚かさに気づき・・・というお話。

全体的な印象としては、申し訳ないけどまずは台本に問題があったと思わざるを得ない。
あまりにもいろんな出来事が唐突に起きすぎるし、登場人物に語らせすぎである。
また登場人物の描き方がなぜこの人はSM嬢という設定なのか、なぜおじいちゃんなのか。
つじつまのあわない疑問点を上げればきりがない。

しかし、見ていて何となく思ったのが、「あー、これは旦那さんに対するメッセージなんだ」と勝手に解釈してしまったりなんかした。
ちなみにここの旦那さんはプロの俳優さんで、昔から一緒に飲んだりしている。
結構年が離れていて(一回り以上)、普通に過ごしていけば旦那さんの方が先に逝ってしまうはずである。
そしてその旦那さんに対する思いがこの台本に現れているのではないかと勝手に感じたりしてみていた。

そして、更に感じたことは、劇団がその台本を選んだ以上それはその劇団の責任であるから、台本に問題があるならばその欠点を補ったりふくらませていく作業を役者なりがしていかなくてはいけないのではないかと思った。
台本上存在理由がわからなければ、芝居を作っていく上で役者自身がそこの意味づけを自分からしていって、少なくともお客さんに見せる段階では、台本の稚拙さを見せてはいけないと思うのである。

まずもって思ったのが、主役の人形制作屋さんの役の消化不足。
彼女はどんな思いで人形を「他人」に作るに至ったかというストーリーが役者の中にないために、見ているオイラは行方不明になってしまう。
だから、なんの前触れもなく人形を作ってあげた人達に対して目を覚ませとアプローチしている姿が、なんのためにしているのか、そして、人形制作屋さんがどんな気持ちでいるのかが全くわからなかった。
そして他の特に女の子の登場人物たちが、とりあえず気持ちを入れて台詞を言っているだけのようにみえて、役のバックボーンが残念ながらみえなかった。

しかし、男優陣二人の怪しさには◎だった。
とくに竹内さんはすごくよくなったと思う。

オイラが尊敬する演出家の下で芝居をできている人達なのに、なんだか結果を見ていて悲しくなってきた。
もっと頑張ってくださいよ。


 < 過去  INDEX  未来 >


兼松孝行 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加