東行庵の軒下で

2002年08月23日(金)

私が小学生だったころ、クラスメートの中に、チョット皆とはテンポが違う男の子F君がいた。
彼は、授業が始まっても教室にいないときがあり、体育のときなどは何もしなかったと記憶している。
意味もなくヒトに唾を吐いたり、叩いたりもしていた。

F君と仲良くしましょう、F君が困っていたら助けてあげましょう、なんて言っていた気がするが、見せかけの優しさを見ぬくかのように、彼は背中を向けて逃げ、唾を吐いていた。

ある日の放課後、何人かが担任の机に積み上げられた絵をはぐって、F君の絵を見つけて笑っていた。
それは、少し前に図画の時間に描かされた「花」の絵だった。

花瓶に飾られた黄色の花。

上品に彩色され、教科書通りに描いたような絵に混じって、色のついていない線だけで描かれた花の絵があった。その花の周りには、カタカナで「イタイ イタイ」と字が描いてあった。それがF君の絵だった。

胸がえぐられる思いがした。
体−茎−を切られて、花が痛がっている。

優しさって、いったいどういうことなんだろう・・・・




ひまわりの花を見ると、彼の絵を思い出す。










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