日々のボヤキ

2001年11月24日(土) 離れないで

「海堂…」
「なんすか?」
「ん〜、何でもないよ」
「んだよ、気味悪いーの」
こんな、他愛のない話しが出来る関係にずっとなりたかった。
それが今叶って、最高に幸せだ。


ただ………………


人の気持ちを踏みつけて手に入れた至福。
海堂は、俺がどんなに汚い人間なのか知らないだろう。
いや、知られたくない。
純粋で、汚れを知らないような海堂を俺なんかで汚したくはなかった。
もしかしたら、手塚と一緒にいる方が良かったのかもしれない。
そんなことを考えることがある。
だかたといって、譲る気はないのだが。

「俺のこと好き?」
「な、何でそんなこと聞くんすか!?」
照れてるのか、顔を赤くして言う。
「海堂に言われたいなって思ってさ。あんま言ってくんないでしょ?」
好きとか言う方でないのは知ってるけど、あまりに言われないのはやっぱ寂しい。
自分が言い過ぎてる所為もあるが(苦笑)
「嫌です」
頑として、言おうとしない海堂。
だから、不安になってしまうんだ。
海堂が俺のことを好きでいてくれるのはわかるけど…。
それでも、言葉とういう形であらわして貰えなければ、信用できないこともあって。
「なんで言いたくないの?俺はこんなに好きなのにさ」
「あんたは言い過ぎ!!言わなくてもわかるだろ!?」
わかる…わかるんだけれど……。

「海堂はさ、手塚のことどう思ってる?」
「どうって、尊敬してますけど?」
「…うん、そうだろうね」
「なんで部長がここで出てくるんすか?」
不思議そうにちょこんと首を傾げる。
偶にする、こんな幼い行動がとても愛しい。
「なんとなくね。海堂って手塚のこと好きだろ?」
「そりゃ好きっすけど…?」
なんでそんなことを聞くのか、全然わからないという感じ。
「手塚には言うんだ……」
「何がすっか?」
「何でもないよ………」
海堂を自分の胸に引き寄せて、そっと囁く。
「海堂、愛してる」

悲しそうに言う乾の気持ちを理解するのは、先のことであった……。


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峰谷 薫 [MAIL] [HOMEPAGE]

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