先日とあるレストランが閉店になった
看護学校に通っていた10年前 帰宅途中にふと看板に吸い寄せられてからというもの 学校帰りにちょこっと 休みの日にちょこっと 息抜きがてら、レポート仕上げに、読書に、映画館の待ち時間に、弟と、母と、友人と といった具合に通っていた私の愛するレストランだった
そのレストランの料理がこそ、厳しい看護学生生活を皆勤でやりとげる後押しをしてくれたのだと今でも信じて疑わない
合間静岡にいる時はもちろんいく事はなかったが、それでも同じレシピを再現したりしてその味はいつでも私の胸にあった
営業最後の日にもちろん行った そのお店に通っていた常連客とおぼしき何名かは店長に手土産のようなものを渡していた
やっぱりな〜しまったな と少し頭をかすめる‘いい人‘病 買いに出るという行動もできなくはなかった
でも、しなかった
「お手紙ありがとうございます!」 店長が目に涙をためてレジまで走ってきた 「厨房に行ったら皆泣いていて」 そういった店長は流れる涙を止める方法なんてもう頭にはない様子だった 「開店当初からのお客様なんてそういないんです。お手紙、本当に本当にありがとうございます」 言葉を拾うのもやっとの震えた声にもらい泣きしそうになった モンブランで私が書いたこの10年のお礼をスタッフが読んでのことだった 物を贈るのはある意味たやすい だけど私はエゴイストだから もっと偉そうなことをしたかった 思い出に残るエピソードをその時最後まで頑張ったスタッフに送りたかった それは、成功体験になると信じたかった
私が看護師の卵だったころ 辛く過酷な日々もあった 辛い事があってもそれに耐え、貫くことができたならば それをくみ取っている人もまた存在するんだと 知って欲しかったから
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