東京に居る時に知り合った彼女はとても美しい人だった 容姿端麗 スタイルもよく 立ち回りもふるまいも仕草も 洗練されていて 時にため息が出る程だった 異性の友人もたくさんいて いつも人に囲まれ 誰からも愛されているように見えた
けれど その実とても孤独で寂しい人だった 「君みたいな人はいったいどんな男と人生を歩くんだろう」 異性の誰もが興味津々だった
そう、興味の対象で まぶしくみられてはいるけれど そこにはいつでも壁があった
彼女だって 幸せになりたいと願う ただの一人の女性だった けれど、誰もが一定の距離以上に彼女に踏み込もうとせず 彼女はいつだって孤独に満ちていたのだった
彼女が病で入院した時 たくさんの見舞いがあった 病室はいつも花や見舞いの品でいっぱいだった 病院の職員はなかなかない事だと感心しきりだった 何度か見舞いに来る人はいたが 付き添う人は一人もいなかった
『憧れとかファンだとか目標だとか、そんなの綺麗事。私はおかざり人形でしかなくて誰からも本気で思われていないだけなのよ。』 静に彼女が微笑んだその表情は、言葉に尽くせない悲しみで満たされていた
今は自分自身にも言える事だとしみじみかみしめる
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