つれづれ日記。
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2012年05月16日(水) 白花(シラハナ)への手紙(仮)・95

「やっと帰ってきたんだね。ベル」
 女の子と同じショコラ色の髪をした男性が安堵の声をあげる。
「大袈裟ですわ。ただ散歩をしていただけですのに。ねえ? イオリ」
「……君は?」
 視線が女の子からわたしの方にうつって。でも当の自分は明らかに浮いた状況に挙動不審になっていた。
「わたくしが案内を頼みましたの。ねえ? イオリ」
「本当?」
 訝しげな視線にこくこくとうなずく。間違ってはいないのだけど。場所が場所だけに緊張してしまう。

 今、わたしがいるのはブランネージュ城。ティル・ナ・ノーグの領主様の住居であり要塞でもある、言うなれば殿上人の住む場所だった。
「この子を送ってくれてありがとう。彼らは心配性でね。君たちが来るのがもう少し遅かったら騎士団総出で捜索に出るところだったよ」
「……そうだったんですか」
 よかった。もう少しで本当に大惨事になるところだったんだ。背中を冷たい汗が流れた。
「テオドールもありがとう。助かったよ」
 声をかけられたのはメリーベちゃんの隣にいた藍色の髪の男の人。メリーベちゃんを連れにきた騎士様だと言うことは後から知った。そう言えば施療院にいた時、リオさんが複雑そうな顔をしていたけど何かあったのかな。今度聞いてみよう。
 にこやかな笑みを浮かべたのはノイシュ・ルージュブランシュ・ティル・ナ・ノーグ。まごうことなきここ、ティル・ナ・ノーグの領主様だった。
「メリーベちゃんは、一体誰なんですか?」
 初めてあった時から思っていた疑問を口にすると、女の子は重たい口をやっと開いた。
「メリーベルベル・ルル・フランボワーズ。ノイシュ様の親戚にあたる者ですわ」






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2006年05月16日(火) 分析結果 その2
2005年05月16日(月) 生ける屍のようだ
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