つれづれ日記。
つれづれ日記。

2012年04月15日(日) 白花(シラハナ)への手紙(仮)・66

「それで、どこで医学を学ぶんだ?」
「グラッツィア施療院に行こうと思ってます」
 もともと、医学を学ぼうとは思っていたものの具体的な紹介先はなかった。だからおばさん夫婦の家にお邪魔させてもらいつつ、働きながら勉強できるところを探そうとしていた。それなのに、いざ来てみればおばさん夫婦はいないし拠点どころではなくて。
「グラッツィアねえ……」
「知ってるんですか?」
「知ってるもなにも、この辺りでは評判の名医だからなあ」
 ソハヤさんが教えてくれた情報はこうだった。曰く、ここティル・ナ・ノーグでは一、二を争う名医だとか。曰く、名家の出であるのに少々風変わりで滅多に弟子はとらないとか。
「じゃあ、そこで勉強させてもらうことは難しいんでしょうか」
「先生次第でしょうね。最近の情報ですし、詳しいことまでは私たちではわかりかねますし」
 引き継いだトモエさんの声に不安が胸をよぎる。
「行ってみるか?」
「え?」
「菓子の味見をしてもらう約束だったんだ。それがあと二日。
 そこにつくかどうかは別として、施療院の雰囲気くらいはつかめるだろ」
 どうする? の声に一も二もなくうなずいた。
「よろしくお願いします!」

 ちなみに、この間に道案内をしてくれていた男の子はというと。
「すごくくすぐったい……」
 藤の湯の名物の一つ。くつろぎの足湯で魚に身体中をつつかれていた。






過去日記
2011年04月15日(金) 「委員長のゆううつ。」STAGE1−10UP
2010年04月15日(木) 委員長のゆううつ。13
2007年04月15日(日) 「EVER GREEN」11−10UP
2006年04月15日(土) ありがとうございます
2004年04月15日(木) 「EVER GREEN」5−11UP
 < 過去  INDEX  未来 >



香澄かざな 




My追加