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3日目




山道お散歩途中の木漏れ日


「おはようございます。お元気そうですね」
気功体操が始まる前のことでした。昨日の指圧講習の時にペアを組んだのが縁で仲良くなった方から一言。

…そうなんです、困ったことに私、元気なんです。食べてないってのに朝から活力漲っちゃってるんです…。

声をかけて下さった方は、明け方に断食反応が出たとのことで、おう吐感がひどくて眠れなかったとおっしゃってました。お顔の色も悪く、だるくてつらいとのこと。これは体が毒素を排出しているというサインなのですが、では元気いっぱいの私の体からは、毒素は排出されていないのかしら…。

気功体操の後、理学療法のため施術室に入ってみると、担当の先生に「あら、お元気そうですね?お顔の色すごくいいですよ」と言われました。
断食なんかに負けないと、体が頑張っているのかと思いきや人間の体とはよくしたもので、断食が進んで体脂肪が燃焼される段になると、ケトン体という代謝物質が出来て、それが脳に働きかけ、高揚感に見舞われることがあるそうです。

“断食ハイ”ですか…。
つらいよりはいいんですが…。

なんか体力も大丈夫そうだし、ということで理学療法後はお外にお出かけ。近くにある自然研究路というウォーキングコースを歩いてみることにしました。
海沿いの道といっても、海側はがけが切り立っているので実際は山の中を歩くそうなのですが、受付で聞くと全部歩いて3時間半くらいということで、ちょっときつめですがまあ大丈夫でしょうと歩き始めたのですが…。

これがけっこうな山道で、落ち葉が積もった細い道は勾配もきつく、ちょっとした坂道を上がるだけで息が上がります。無理をしないように休み休み歩を進めました。3時間半で歩き通すのは、絶対無理だ。いくら自分で体調がよいと感じても、そりゃあ食べてないのですから体力はかなり消耗しているんだという事に、遅まきながら気づきました。でも森の中は風もここちよく、木漏れ日がきらきら輝いてとてもきれい。とりあえず行けるところまで行ってリタイアしようと亀の歩みを進めます。


山道はこんなかんじ


途中で吊り橋を渡ったり、階段を降りて海辺にでてみたり。
やがて川にぶつかると、川縁には遊歩道が整備されていて、とても歩きやすいのです。これなら歩き通せるかもと気持ちが軽くなったところで、目の前の遊歩道、いきなり消失。その先にあるのは、ごく普通の車も通る一般道です。あ、あれ?なんで?

地図とにらめっこでよ〜く考えてみると、海沿いの道をずっと行くためには、川を遡ってはいけな〜い、ということに気がつきました。川沿いの道は、町中にでるための遊歩道。ぼーっとしていたため、行かなければならない道を見失っていたわけです。

どうしようかと悩んだのですが、最初の山道のような自然路、その時まだ四分の一くらいしか歩いておらず、引き返してその後の行程を行くのは、体力的にとても無理だろうと判断しました。後日のリベンジを誓って、おとなしく駅に向かって歩きます。

駅前は、初日に降り立ったとき、あまりの食べ物屋の多さに辟易したところなのですが、今日は果敢にチャレンジです。大丈夫、もう何をみても心は揺るぎません。羨ましくはありますけどね。途中にあったお魚屋さんをのぞくと、
“今日水揚げされた魚で、お持ち帰り用のお刺身調整致します”とあるのを発見。
東京に帰る日までそこで待ってろよ〜、絶対持ち帰ったる!!!

こまごました買い物をして(久しぶりにお金使いました…)保養所へと戻る途中に、大きな干物屋さんを発見。おみやげのあたりをつけておこうと立ち寄ったのですが。

教訓:試食コーナーのあるところに近づいてはいけない

ふらふらと試食物に手を出そうとしている自分に気がついてはっとしましたよ。まったく、食欲ってやつは…

断食中に下手に固形物を胃の中に入れてしまうと、胃けいれんをおこして救急車で運ばれてしまうこともあるということを聞いていたので、少し青ざめました。

頑張るんだ、私。と思うものの、ちょっと食欲に目覚めてしまったばかりに、途中のドライブインではためいている「サザエ定食」という文字をみて、あぁ、伊豆は魚介類の宝庫なのに、美味しいものも食べないで、私は一体何をやっているんだろうと少し遠い目になってしまいます。

余計な食べ物を目にすることがない安全な保養所へ帰り着き、汗を流すためにお風呂へ。小さいですが温泉です。断食中に湯船につかるのは「倒れると危険なので3分以内」という規則を破って、ながながと昼風呂を楽しんでしまいました。

この後はマッサージ。施術室へと向かいます。

腰が重くてだるかったので、その事を先生に告げると「事務職でしたよね、やっぱり腰痛でましたか」と言われました。断食中はその人の弱いところが、痛みになって現れるらしいのです。
「どうします?お灸試してみますか、効きますよ」
というわけで、生まれて初めてお灸をすえられるという体験をしました。絶対に跡がつかないという保証付きだったもので。

「火がつきます。ちょっとちりちりしてきますが、我慢できるようだったら我慢して下さいね」といわれ、あぁ、ちりちりってこの事か、この程度だったら大丈夫とのんびりかまえていたら、熱い、熱いですよ先生?

「どうします?もうちょっと我慢できますか?」
しますよ我慢…、あぁ、でももうダメ限界〜、と音をあげるまでに要した時間は、多分1分、よくて1分半くらい。すごく長く感じられたんですけど、多分そんなものでしょう。根性なしだ…。

その後の指圧はとても心地よく。
私が通っている整骨院の先生は、笑顔で、ここ痛いですか?痛いですね〜ぐりぐりぐりという鬼のような治療をするので、指圧と聞きちょっと身構えていたのですが、あぁ、これだったら毎日でも通いたい。

体が軽くなったところで部屋に戻り、その後は読書三昧を楽しみました。23:00に眠気に負け就寝。健康的なことこの上なし。

2004年05月02日(日)
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