世を忍ぶ仮の日記
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早起きは三文の得とは誰が言ったものか、寝坊した所為でブリブリ怒りつつ、1時間で旅の準備まで済ませて高速で新幹線自由席に向けて並ぶこと15分、無事窓側の席にありつく。 最近は帰省ラッシュといえども昔ほどでは無くなっているのか、3分前からおもむろに人が増えてきて、座れないとデッキからの携帯電話で嘆く人が出ているのが不思議だ。本数は増えているのだから次の新幹線にすればいいのに……と哀れむ視線でデッキの人々を眺めてみたりする。 とそこへ、私の席の隣に向けて 「ここ空いてますか?」 のような視線で訴えかける金髪碧眼美青年登場。 「ええ空いてます、空いてますとも貴方の為に!」 というアイコンタクトで会話した。 一目惚れをしたことの無い私、惚れ過ぎて言葉を忘れる。 馬面でもなければ寸詰まり(例:レオナルド・ディカプリオ)でもない適度な配置。目は青すぎないブルーグレイ。青すぎる目は苦手だ。そして笑顔がかーわーいーいー。 余りにもすがすがしいフェロモンっぷりに、携帯電話で3人に「寝坊ってば3フェロの得だったんだよ!」と訴えかけてしまう程の美形っぷりだった。 唯一話せる英会話「Would you take a photo with me?」と携帯電話の写真でツーショットしようかと思うくらいだった。 今まで長い新幹線人生、余りにもアタリが少なく、いつもビールくさいとか脂くさいとか、 新幹線で痴漢に遭った人よりはハズレも無いがアタリも無い新幹線人生、これほどのアタリの為に今までのハズレがあったのかと思わせる美形君、名前はトムとかそういう無難な感じ(笑)。 観察してたら目が合って、微笑んでくれた。 あんた最高! しかも私が勉強用の本を広げたら(読書用は東京で読んでしまつた)負けじとプリント出してきてやがんの。記号の種類からして(英語は読めねーよプゥ)物理学と見た。 だがしかしお互い広げた為に眠くなって寝てやんの……カッカのバカ! もったいない! もっとフェロモンを吸うべきだったわ。眠るなら眠るでうっかり肩にもたれかけちゃうとかっ! でも首が固くてそんな器用なこと出来なかったわ。一生の不覚。 京都で降りていった彼は、去り際にもとびきり上等の笑顔をオレにくれました。あ、なんで一人称がオレに変化したのだ。 そんなこんなで無事に着いた実家、あいかわらず電気の付け方すら分からず、かろうじて家から出る方法と家に入る方法は身に付けた。 新幹線での出会い(そして別れ)を誰よりも喜んだのは、元祖ミーハー腐れ母であった。 「ええよね! そういうの! あっしも大好き! 癒されるんよね! 美形っていうのは存在そのものが癒しなんよ!」 私よりも美形好きであった。 ピロは塾のチューターで、自称季節労働者。 「あー。最近わりかし逃げ方分かってきた。分からない問題は『大丈夫これは出ん!』とか『これから覚えてね』て言えばいいん。でもさー、解答集を持って来ずに質問来られると辛いんじゃけど、回答集が無い問題集が学校指定な学校があってさー、つらいんよー」 難解な問題集を学校指定にしているのはS藤さんの出身校であった。偏見を強める。 末妹Kに新幹線での出会いを言うと、その人が外国人であるということを理解してもらうのに数分間かかった。まずヤツの話す滑舌の悪く早口で、そのくせ要領を得ない話し方に慣れるのに軽く10分かかる。 「てめー、大学入ったら演劇部入れ!」 「アナウンサー部にするもん」 「キィ! この身の程知らずめ!」 演劇部とどっちが身の程知らずかっつー話だが、演劇部はとりあえず基礎練で体力も付けてもらえるし、一石二鳥だよー(てここで主張してもなー)。
初日の晩餐は、350円のラーメンだった。 漫画が読めるラーメン屋。 「替え玉してもええよー」 ママンの有り難いごちそうである。 おふくろの味に加えよう。
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