当世高校教師気質
一生勉強 一生青春

2002年07月23日(火) 「ラヴァーズ・キス」

大学に行く・・・誰も来ない。
もう講義がないのだから当たり前なのだけれど。

学部生は今が試験の真っ最中のようで、
コピー機の周辺と図書館は人で湧いている。
大学院は通年で単位を出すために、夏には何の課題もない。
六年前の今頃は私も必死で一つのレポートを書いていたものだ。
『建礼門院右京大夫集』、生まれて初めてのレポート。
本文は一読のみ、参考文献も一つしか使わず(しかも著作権ギリギリ)、
今はもう思い出したくもない赤面もののようなレポート。

あの時は何気なく選んだ作品だったけれど、
4年後、ソレは私の卒業論文に化けた。
量は15倍にも膨れ上がった、中身も・・・多分。

本日の一作:
・「ラヴァーズ・キス」(吉田秋生/小学館)

かつて、某文学雑誌で「男性も読める同性愛漫画」という
なんとも言いがたいコピー付で紹介されていたことがある。
私が実際手に取って読んだのは、それからもう少し経ってからだけれど。
今回はM木女史に貸していただいて再読。

私自身はもはや半分以上忘却の彼方に押しやられた
ごくごく平凡な青春時代を送ってきたのだけれど、
この作品を取り巻く時間の流れは何となく分かる。
皆、一生懸命で、不安定で、強くて、脆かった。

作品の中に『曽根崎心中』の一節が引用されている。
つくづく奇麗な文章だと感心してしまう。
この作品を気に入った子が、ちょっとした興味を抱いて、
何気なく近松の作品を紐解いたとしたら、どんなに素敵だろう。
そうやって触れた古典は、授業で読むよりずっと面白いだろうに。


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葉明 [MAIL] [当世高校教師気質��]

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