| 2002年03月06日(水) |
いざレビュー(ネタバレあり) |
腕まくりもしております。爪も切りました。気合入っております。 まずはキャラ考察から。
フロド イライジャ=ウッド、文句なし。ハンサムで、若くて、しかも「悩める若者」の代表格みたいな顔してます。困ってます。迷ってます。悩んでます。泣いてます。出演作品例が『危険な遊び』まで遡るとその間どこにいたのか気になりますが彼のあの顔がここでこんなに生きるとは!人間どこで何が起きるかわかりませんね!一筋の涙(重要。あくまで一筋)を落とすところにハートを鷲掴みにされることでしょう。とにかくこれ以上のハマり役はありません。フロドの誠実さ、素朴さ、弱さ、隠れた強さがあますところなく表れていて。しかもちゃんと主人公としての存在感が出ています。個性的な脇役たちに全く負けていません。フロドの役柄って性格からして下手したら地味になりがちだと思うんですよ。だけどウッドはフロドの魅力を存分に引き出しています。本当に、見事です。関係ないですがフロドの爪って小さい時の弟の爪に酷似してます(ほんと関係ない)。
ガンダルフ 彼がいなかったら物語は動かない。とにかく忙しかったですね・・・普通のあの年齢の人間なら物語の4分の1でくたばりそうな活躍です。省略されてはいますが、ガンダルフは最初の20分ほどですでにえらく長い旅をしております。「お年よりは労わりましょう」という概念が全くないかのような世界でして、作品中一番見ていて辛いのはこの人。この映画が撮りダメされていてよかったですねー。ハリポタの学長は途中で役交代の危険性があるというに。 原作でははっきり言って都合のいい化物じみた爺さんみたいなんですが(こら。こら)、映画だと全く違う印象を受けました。ガンダルフの動きが逐一わかるので、あの「ひゅっとどこかに行ってしまい」後から「これは実はこうしていたんだ」と説明をされる時の疎外感みたいなものが全くありません。すとんと納得できる。頼もしかったなあ・・・。妙に変なところで隙がありますが。
アラゴルン やっぱり英語だと「アラゴン」ですよね・・・。彼はIMDBで調べた時にも感じたことなんですが、もちっとハンサムだと思っておりました(死亡)。すいません。乙女のドリームは無限です。私の脳はシリウスも超美形だと認識しております。髪型は文句なしなんですけどね。なんとなく、もちっと目が・・・なんだろ・・・この人きっといいボロミア役ができるんじゃないかと。目がもっと細くていいと思ったんですよ。でも原作でもこの人「本当はハンサムなのに」っていう感じの設定なんでいいかもしれません。 外見を省けば(省くのか)やっぱりカッコイイよー!!この人原作でも登場シーンからすでに無茶苦茶カッコイイじゃないですか。私の「こうだったらいいな」という登場の仕方をしてくれたので文句ありません。しかもすんごい剣豪!そんなの知ってたけどやっぱすんごい剣豪!素敵ー!メロメロー!一番好きなのはオークの集団と闘う場面。あの時剣を額の前に持ってくるじゃないですか。いいいやあああああ!アラゴルンー!(壊)
レゴラス 彼が目の保養です。これは予想していなかったんですが、彼は作品中一番目にご馳走様です。言わせてもらえば萌えです。エルフは往々にして美形ぞろいという設定ですが、彼は別格。なんつーんですか。あの憂いを帯びた敬虔な顔っつーんですか。彼は泥にまみれることは有るまい(それが有るまい)と思わせるような清廉で気高いエルフっぽさが凝縮されてるんですよ。何より弓の名手です(素敵*)。どれくらい弓の名手かというと、剣で闘うのと同じスピードで至近距離の相手をなぎ倒していきます。弓で。構える→射る→構える→射る→がすんごい速さです。弓がこんなにカッコイイもんだとは思いませんでした。あと歩く時の軽い動きとか(つーか雪に沈まない)。原作をいい意味で大きく裏切ってくれました。向こうの世界で女性ファンが投票するとしたら、得票数が一番多いのは彼じゃないでしょうか。
ギムリ この人、原作だといつも「Gimli son of Gloin」て言われてるんですよ。グロイン自身はアクの薄いドワーフだったんで、そんなのつけなくてもいいじゃん(←コラ)と思わずにいられませんでしたが、映画だとこう言ったのは一度か二度だけでしたね。観客にはグロインがわからないから無理もないですし、私はそれでいいと思います。さてギムリですが。この人はねー、もう笑わせてくれました。映画館で友だちと私だけ異様に笑っておりました。もうむっちゃくちゃステレオタイプなドワーフとして出てくるんですよ。エルフに対する嫌悪っぷりとか、オークに対する嫌悪っぷりとか、鉱石への執着っぷりとか。原作だと台詞が多いんでそれが薄れるんですが、映画だと逆に濃縮されちゃって。ギムリの言葉の端々に出てくるそのドワーフくささがなんとも笑いを誘うの。でも頼もしいですね、この人も。小さいのに。個人的に後ろがみつ編みなのが好き。
ボロミア いい感じだと思います。ただなんだろ。髪型、もう少しアラゴルンと差をつけてもよかったかなとか。短くするとか、短くするとか、短くするとか(わかったから)。イメージもいかめしいドロドロした感じの人だったんで、意外っちゃ意外。もっと怖い感じだと思っておりました。でも特に文句はありません。全体的に見てこの人の役はかなり美味しい。
サム なんだかうなぎ上りに頼もしくなって行きますよね、彼。そのくせサムらしさは変わらなくて。癒されるよー、サム。いざとなると肝が据わってるし、機転も利く。最初はバカっぽかったのになあ・・・笑。あれ?字幕だと口調の違和感は感じなかったなあ。口調変えてたんですかね。なんかよく覚えてない。サムに関してはもっと色々言いたいこと(いい意味で)があってもいいんですが、何故か言葉がありません。関係ないですがギャムジーっていざ生で聴くとすごい名前。
ピピン こいつは!こいつはー!笑。でも愛嬌ある顔してるんだよなあ・・・。最初はメリーと全然見分けがつかなかったんですが(2人してちょこまか動くし)。愛すべきお馬鹿さんってとこですか。でもモリアは・・・モリアでのピピンはやっぱりー!笑。友人は「ピピンがいなきゃねー!」と力説しておりましたが、私は結構好きです。
メリー 顔、覚えてないんですよ・・・(死)。メリーって特に活躍するところないじゃないですか。下手にピピンより分別がある分、場も少なくて。ピピンよりハンサムなんだがなあ。笑。
サウロン こんなにガッチガチに装備している御仁だとは思いませんでした。なんか後楽園で握手してそうだと思った日本人は他にもいるんじゃないでしょうか。
サルマン なるほど、映像化するとこうなるのか、と。この人も老体に鞭打って・・・お疲れ様です。つかサウロンとサルマンて字で見ると混合しやすいんですよ。SauronとSaruman。トルキンさんここのとこ何とも思わなかったんでしょうか。ここ間違えると結構痛いんですよ(アホ)。
ガラドリエル 怖ぇー!!爆笑。ここまでこうなるとは思いませんでしたが。でも原作でも結構恐れられてましたよね、彼女。歩く時に足音がするのが意外でした。もっと神格化した感じを想像していたんですが、よく考えてみれば彼女はエルフだ。笑。あ、あとギムリへの影響があまり見られず・・・それがちと残念。贈り物のシーン好きなのにぃ。
アロウェン 女性読者に一番妬まれるのはきっと彼女。かく言う私も(ムキィ!)。でもドレスより馬に乗ってる彼女の方が美人に見えるのは何故だろう。この人って男前なんで、ドレスがあまり似合わないような・・・。笑。原作はもっと女性らしいですよね。どっちがどう、とは言えませんが。エルフ語で呪文(?)を唱えるところは圧巻。エルフ語って耳に優しいなあ・・・響きキレイ。でもやっぱどことなくラテン語の文法みたいに聞こえますね。日本語と韓国語を比べてるような感じがします。
ビルボ 怖ぇー!!涙。や、ビルボに関してはあの1場面だけが頭に焼き付いて・・・。でもこの描写は彼じゃなくて○○○○にやらせるべきじゃないですか。その方がフロドがすごく脅えると思うんですが。説明シーンでは若い頃の彼もちょっと出てきて嬉しかった。願わくばゴラムとの謎問答も見たかったなぁ。
9人衆 って言われてましたよね。うぅん怖いです、怖さ倍増です。でもイメージと違わない。キーキーした鳴き声がちょっと耳にきました。
オーク そんなドロドロしてなくても・・・。トロル人間は仕方ないと思うんですが。ただ天井からも出てきたのは意外です!笑。関係ないですがウルク=ハイっていう響き、好きです。
ゴラム これが昔は○○○○だったなんて・・・。指輪の力って恐ろしい。笑。声が想像とおりだった。蛇みたい。特に「My preciousss・・・」って呟くところ。
鷲 しゃべったところを見たかった。ていうかデカい。
この映画の何が素晴らしいかって、ただの「小説の映像化」に終わらせていないところだと思います。もちろん身長1Mのホビットを作るのだってすごいことだし(しかもそれを人が抱き上げたり・・・どうやるんだろう)、各地の景勝もCG・非CGともに圧巻です。でもそれ以上に各登場人物が魅力的になってるんですよ。皆ファンタジーという物語の中でリアルに生きて、動いてる感じがする。さらに編集ですね。原作を大幅カットされているにも関わらず違和感がほとんどないのは、秀逸な編集と脚本のせいだと思います。むしろ原作だとご都合的に思えるストーリー(主にガンダルフ絡み)が実に自然な流れに仕上がっていて脱帽。ここがハリー・ポッターと違うところではないかと。同作品は「心理描写が・・・」と思うところや「ここは省いていいのだろうか」と思うところが結構あったんですが、それがないんですよ。入れて欲しいな、と思う場面はあったんですが違和感を感じるような箇所はなかった。
ここから先はストーリーや演出に触れます。見たい方はドラッグで。
=各地について=
シァイア 意外と開けた土地にホビットが密集してるんですね。私はもうちょい森の中だと思っていました。そしてホビット同士はあまり近くには住んでないもんだと。でもビルボの家は想像通り。住みやすそうだなあ。いきなり10人以上のドワーフに押し掛けられて散らかされたら嫌だろうなあ。笑。
リベンデル やっぱり!私の持ってる『旅の仲間』の表紙がリベンデルじゃないかなーという景色が描かれてたんです。で、絵の通りだったんで嬉しかった。いつもヒラヒラ葉っぱが降ってるところが面白いですね。どこから降ってるんだろうコレ。あと原作でも思ったんですけどここって王国なんですよね。小さくないですか、見た目が。
モリア 怖かったよー!怖かったーよー!涙。原作の見事な再現です。あのバーリンの墓(ドワーフの中で一番好きだったのに・・・涙)を見つけてから日記をガンダルフが読むじゃないですか。あの場面すっごく怖くて。あのところどころの破れ方を見ていても背筋を寒いものが走ります。そして最後に「奴らが来る」で終わって・・・ぎゃー!奴らが来るー!笑。ピピンが分岐点でなく、広間の井戸にものを落とすのも上手い持って来方だと思います。ドン・・・ドン・・・って広間の端段々赤くなってくるのは本当に怖かったです!オークになって天井から逃げたいとまで思った(おいおい観客よ)。実際に化物が出てきたらそうでもないんですが。原作だと全然イメージが掴めなかったんで、これですっきりしました。モリアでの闘いは作品中一番好きかもしれません。敵が3段階になっているところとか、橋の渡り方とか、ありがちになりそうでありがちな展開でない。
ロスロリエン 覚えられない、この地名・・・。綺麗な場所でしたね。森エルフの住処なだけあって、とってもファンタジーチック。螺旋階段で大木を上り下りするところとか、不思議に明るいところとか・・・。でも泉の場面だけ妙にセットくさく見えたんですが。あ、今思うとセレボルン(この読みでいいんだろうか)の顔全然覚えてませんよ私。影の薄い人だったなあ・・・。笑。ガラドリエルに驚くギムリの顔も見たかった。でもここでギムリとレゴラスが仲良くならなかったら、どこで仲良くなるんだよ彼ら。このドワーフ−エルフ間の前代未聞の異質な友情がいいのにさ!レゴリス青年とギムリ親父が仲良く話してるところ、見たいよ!
アイセンガード これも『二つの塔』の表紙と一緒でいした。というか、一緒すぎます。この一致は有りえない。本が映画を真似したか、映画が本を真似したかのどっちかです(前者有利)。ガンダルフが閉じ込められたとこにはどうやって行くんでしょうか。塔自体はわかったんですが、いまだにピピンとメアリーが皆を待っていた場所の図が浮かんできません。早く映画で観たいー。巨大な手って、箱根彫刻の森美術館にありそうじゃないですか。
エミン・ミュイル これこの読み方でよかったんだっけ・・・。あの王の巨大石造が2つ並んでいるところです。こんなに巨大だと思わなかったです。とは言ってもCMで先に観ちゃったんですけど(CMめ!)。この時のアラゴルンはもうちょい王くさくてもよろしいのではないでしょうか。ていうか全体的にアラゴルンの表情の変化って乏しいですよね。表情っつーか、突然ハンサムに見えたり王族に見えたりっていうのがあまりわからない。目が曇ってるんでしょうか自分。脳が腐ってるんでしょうか自分。あ、誰か否定して。
=見せ場について=
メリーとピピンの色々 そんななし崩し的な合流の仕方は・・・。笑。これだとこの2人じゃなくても全然いい気が(あ)。「フロドに絶対ついて行く!!」て向こう見ずに言う2人の場面が好きなのにぃ!でもこの二人っていざとなると恐ろしい友情パワー(ジャンプ風)を発揮しますね。モリアのトロルに襲い掛かるところと、フロドのやろうとしていることに気付いて自ら囮になろうとするところ。逃げながら「成功してるぞ!」「当たり前だろ!」って2人の会話が・・・やっぱりどこまで言ってもホビットはホビットだよなあって・・・笑。エントたちと冒険するところも大好きなんで早く観たい。この2人がいるとですね、パーティに茶目っ気が加わるんです。笑。
リベンデルでの会議 言い争うところ、実は結構好きです。種族の個性が現れてて・・・特にドワーフとエルフ。笑。この2人が無二の親友になるんだよなあ、とか考えてたらこんな諍いあってないが如くですよ(そこまで言う)。そしてフロドの一声。正確には二声しないと誰も聞いてくれなかったところ(ホビットって小さいよう!)。そしてその時のガンダルフの何とも言えない表情が、また。
サルマン対ガンダルフ 老体同士の肉弾戦ってこんなに壮絶なのか・・・(初・体験)。シュワちゃんが拷問で泣き叫ぶよりはるかに視聴者に訴えかけるものがあるんじゃないでしょうか。「ぎゃー!背骨が折れる!手が折れる!」ってハラハラしどおしで。
指輪をはめたフロド 映像観ましたか!?(観ただろうよ)すごくないですか!?ビルボがはめた時はそんなんじゃなかったんだろうにな・・・笑。
バルログ対ガンダルフ うはん!カッコイイよ爺さん!「ここは通さぬ!!」で、橋をドン!(クイズダービー)映画のガンダルフって感情移入しやすくていいなあ。あと魔物の鞭(太古の魔物なのに鞭・・・いやきっと太古だからこそ鞭・・・)が足に絡みつくのも、知ってるのに「ああ!」と思ってしまいました。くそう、油断させられたわ。「走らんか、馬鹿者!」が最期(一応)の台詞ってのもガンダルフらしいっちゃらしい・・・。
オーク来襲 ウルク=ハイ。何度も言いますが、この語感(略)。ここのアラゴルン・ボロミア・レゴラスは男前の一言に尽きます。アラゴルンの構え。ボロミアの気力。レゴラスの早撃ち。嗚呼、嗚呼。・・・すいませんギムリ覚えてません(死亡)。ギムリはモリアでの印象が強いです。
ボロミアの死 美味しいな!美味しいぞこやつ!人気急降下する間もなく急上昇だ!爆笑。フロドに迫るときにオーク化すべきはこの人だったんじゃないでしょうか。この人って根が生真面目じゃないですか。旅の途中を見ていてもあまり印象悪くならないんですよね。タコ(え)に掴まれたフロドも必死で助けようとしてたし。ホビットたちを庇うところなんて男だよなあ!角笛もよかった!でも音が途切れ途切れになるともっと悲惨でよかった!(非道)
さ、この空白が気になる人は映画館へ!(たいしたこと書いてないじゃん)
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