米国発 金融危機関連情報

2009年01月15日(木) 世界の余剰資金の行方

報 道
1、08年対内・対外投資、有価証券21兆円資金流出 海外勢、換金売り         2009年1月13日  日経
2、外国人、7兆円の売り越し=金融危機で−08年の日本株取引
                     2009/01/13-12:04時事通信
3、外国人投資家、日本株7兆円超の売り越し 08年
                     2009年1月13日 朝日新聞
4、08年の対内株式投資、現行統計で初の売り越し 7兆3786億円
                        2009年1月13日 日経 


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1、08年対内・対外投資、有価証券21兆円資金流出 海外勢、換金売り
2009年1月13日  日経
 財務省が13日発表した2008年暦年の対内・対外証券投資(指定報告機関ベース)によると、株式と債券の売買に伴う日本から海外への資金流出が21兆2123億円に達した。外国人が日本株・債券を売却したのが主因で、現行基準の統計が始まった05年以降では初めての資金流出に転じた。世界的な金融危機や景気低迷を背景に、日本の資本市場からマネーが逃避したことを裏付けた。
 旧基準の統計までさかのぼると、資金流出は04年以来。ただ「08年の資金流出は過去最大の規模とみられる」と財務省は説明している。(11:27)

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2、外国人、7兆円の売り越し=金融危機で−08年の日本株取引
                     2009/01/13-12:04時事通信
 財務省が13日発表した2008年の対外・対内証券売買契約状況によると、外国人投資家による日本株の取引は7兆3786億円の大幅な売り越しとなった。比較可能な05年以降、売り越しは初めて。世界的な金融危機で、欧米の金融機関やファンドなど機関投資家が資金を引き揚げ、売りに転じたのが主因だ。
 外国人の日本株取引は、05年1月以降、買い越し傾向が続いていたが、米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題が発覚した07年8月、売り越しに転じた。米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)し、金融危機が深刻化した昨年9月以降は3カ月連続で1兆円を超える売り越し。外国人投資家の割合が約6割とされる国内株式市場での株価下落に拍車を掛けた。(2009/01/13-12:04)

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3、外国人投資家、日本株7兆円超の売り越し 08年
2009年1月13日20時13分 朝日新聞
 外国人投資家による08年の日本株の取引は7兆3786億円の売り越しとなった。売り越しは比較可能な05年以降で初めて。財務省が13日発表した。日本株を大量に買ってきた海外の金融機関やファンドが金融危機以降、資金を本国に引き揚げていることが主な理由だ。
 財務省によると、外国人投資家の08年の日本株取得額は前年比22%減の264兆366億円で、処分額は同18%減の271兆4152億円。07年の4兆1419億円の買い越しから売り越しに転じた。
 外国人投資家は、景気拡大が始まった02年ごろから日本株への投資を活発化させ、05年には12兆6241億円の買い越しとなった。しかしサブプライムローン問題が表面化した07年8月以降、手元資金を確保するために売り越しに転じ、08年は4〜6月を除き大幅な売り越しだった。
 また、外国人投資家は中長期債でも3兆7274億円を売り越した。一方、日本に居住する日本人投資家は海外への投資を増やしており、株式・債券の売買を通じた08年の海外への資金流出額は総計21兆2123億円に達した。

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4、08年の対内株式投資、現行統計で初の売り越し 7兆3786億円
                        2009年1月13日 日経 
財務省は13日朝、対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)を発表した。2008年1―12月の対内株式は、海外からの取得264兆366億円に対し処分が271兆4152億円で、差し引き7兆3786億円の資本流出超。サブプライムローン問題をきっかけに広まった世界的な金融不安を背景に、2005年の現行統計移行後、初めての売り越しとなった。
 対内中長期債も初の売り越しとなり、3兆7274億円の流出超。対内短期債は1兆4655億円の流入超だった。
 対照的に対外中長期債、対外株式は、ともに4年連続の買い越しとなった。対外中長期債は国内からの取得154兆8929億円に対し処分が149兆6688億円で、差し引き5兆2240億円の流出超。対外株式は6兆1186億円の流出超と、現行統計で最大の買い越しとなった。対外短期債は2292億円の流出超だった。
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5、世界の余剰資金は何処へ向かうのか。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=180461
(2008年7月時点の見解である)
(資源エネルギー庁の見解)

【資源エネルギー庁】の資料では2005年迄のデーターは原油価格が1987年から1999年まで13〜19ドル/バレルと安定していが、中国、インドの新興国の消費エネルギーが増大と同時多発テロ以降のイラク戦争を契機に原油価格が上昇し始め2005年以降40ドル/バレルから急激に上昇しています。その勢いのまま2008年現在では140ドル/バレルまで急上昇している。現在は需要が増えた事による価格上昇よりも、投機的な価格上昇であると推測される。その根拠を他のデータから検証する。

(総合研究開発機構の見解)
【総合研究開発機構】のデーターでは、1988年にサブプライムローンが設けられ、最初は高単価になったが直ぐに低迷し大きく下落する。1998年ごろまで低迷したが、何故か1999年から急激に上昇し2006年をピークに暴落しています。何れ破綻する事が分かっていたサブプライムローンは金余りのバブル経済による投機によって価格が上昇したと言える。このローンで破綻したものもいるが、金余りによる投機マネーは何処へ向かったのか。恐らく2006年以降原油価格が急激に上昇した動向を見る限り明らかに原油に流れたと言える。


(ニッセイアセットマネージメントの見解)
【ニッセイアッセットマネージメント】のデーターで世界の外貨準備高と世界の株価指数動向を見ると、1987年から2000年までは株価が上昇しいわゆるバブル経済によって高水準を維持してきたが、同時多発テロで市場が不安定となり一旦株価指数が下落するが、イラク戦争が始まるや再び株価指数が上昇に転じる。このデーターによると2003年以降外貨準備高が増えるにつれて株価指数も上昇している事を示しています。つまり、外貨準備高を増やした中国、インド、産油国の余剰資金が株価・ファンド・原油等に投機マネーとして流れたのではないかと言えます。
 米国では企業のキャッシュフローが1995年から急激に上昇しバブル経済が2007年まで進行してゆく。更に面白いデーターとして、キャッシュに対する設備投資が100%以下を示す事から、各企業とも借金無しで設備投資が出来た環境に合ったことが、余剰資金を投機マネーとして投機市場に流れてとも言えます。サブプライムローンの破綻は株価の下落、金融機関が大きな負債を抱えると同時に景気が後退してしまった。しかし、余剰資金は別の投機対象に流れ、その市場動向が、原材料への投機対象です。原油・鉄鉱石・石炭・穀物等の価格上昇を見る限りそれらの投機マネーがその原因なしていると言えます。

景気後退での価格上昇も何れ限界が訪れると、次の投機対象は何処へ行くのかは分からないが、食料へ向かうと特に日本はどうなるのだろうか。金融資本の無秩序な投機投資家は何れ、規制という国家の統合機関の中で一旦封じ込めることになるだろう。


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石田ふたみ [MAIL]

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