| 2006年01月10日(火) |
自分の能力を他人のために使う |
癒しの森883 朝日新聞で肺がんに関する印象深いエッセイがあった。肺不全という言葉がある。肺がんになると最後は呼吸が出来なくなるのである。私は常々一番苦しむ死方は、肺がんであると思っている。本願寺の佐々木俊朗僧侶は、晩年肺がんを患い、闘病記を執筆して人生をたたまれたという。この人の闘病記の一部を引用したい。 「人間は息を吸うたら吐かなきゃいけません。それが吐けない。吐くために、全身のありったけの力を込めて、やっとハアッと吐ける。でも、吐いたら今度はまた吸うでしょ。(略)これを繰り返していくんだから、夜はとにかくクタクタになるんです。もちろん眠れません。そういうことで、私はこの肺ガンになるまで、呼吸がこんなに大変だなんて思ったこともなかった」と。普段意識していない呼吸が出来なくなるのである。肺がんの苦しむ様を間近に見た人は肺ガンだけはなりたくないと思うという。たばこは肺がんで苦しむ様相が分かればやめる気になると思う。 呼吸ということでは聖路加国際病院理事長の日野原重明氏の言葉も印象的である。「吸うこと、つまり他人から何かをもらうことばかりに熱心になるのではなく、吐くこと、つまり自分の能力を他人のために使うようにする。そんなバランスを取るようにすると心が充実してくるはずだ」
日野原先生ならではのたとえだが、人間の生き方の基本のように思う。
・呼吸する 学んで吐くの 繰り返し 生きる基本の 呼吸のバランス
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