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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
どうにもそれほどじゃなかった。 田中学院 田中学院高等部2年、岡崎良介。オカルト研究部の部長である。いつもお気楽極楽、研究などやっているのかどうなのかわからない部活動。後輩たちが自分の用の方を優先してもお構いなし。しかし、今回は違った。良介は真剣な顔で二人に告げた。 「今夜だ」 この日のために保健医、上田明に今夜学校に入る許可をとっている。 二人はうなずいている。 「今度こそ、必ず、助ける」 それはまだ良介がオカルト研究部の部長になる前だった。 「この学校の七不思議を知ってるかい?」 部長だった徳田好典は、部に入った良介に尋ねた。そもそも七不思議は七つではなかった。七つ以上あるのだが、毎年内容が変わるため皆、どの話がこの田中学院の七不思議なのかわからないでいる。 ただ一つ、十年ほど前から変わらずにある話がある。 「そうだよ、夜な夜な現れる少女の霊だ」 その少女の霊については良介も知っている。高崎麻代という少女だった。 「その子について、君も知っていたよね?」 良介にはうなずくことしかできなかった。 「よかったら聞かせてよ」 「部長、聞かせてください。なんで、そんなに彼女を助けたいんですか」 そう言ったのは、中等部1年、東可奈だった。 可奈と貴乃は好典と入れ違いに入ってきた。好典が遠くの大学へ入ったため、田学を去った。 二人が入部希望者だと聞き、良介はうれしかったが同時に迷った。だからこの部に入った以上やらなければならないことを伝えた。『高崎麻代を救うこと』そう告げた。 「それはね、徳田先輩との約束だからだよ。やっぱり、説明しないとダメだよね。もし嫌だったら、この部を辞めてもいいよ」 良介の説明に二人は顔を見合わせてうなずいた。 「わかりました。部長。私たちは協力します」 田中学院には『シンクタンク』という組織があるのを聞いたことあるが、徳田好典がそのシンクタンクの一人だったのかもしれない。しかしそんなことはどうでもよかった。 自分の中の『魔』、世界中の人々が自己犠牲しないといなくならないという人のエゴの魔は語りかける。『それは自分が楽になるための行動だ。それも立派なエゴだ』 「知ってるよ、そんなの。エゴでいい」 『ま、助けてもいいぜ』 「ほんと?」 『なんか、やな予感すんだよ。あの麻代って子、尋常じゃねえ』 「じゃあ、当てにしよう」 夜、田中学院小学部前にに三人がそろった。
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