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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
心が。 バンデン国王が船を出してくれるというので、彼女らはそれに乗って帰るという。 「フォーランズまで送ってくれるというんだ。叔父上たちも一緒にどうだろう?」 「フォーランズに甘くておいしいものってある?」 ルイがイーリスに尋ねると、彼は笑ってうなずいた。 「じゃあ行こう。ランディードに直接聞いてみようよ」 「ちょうど良い。気晴らしにもなるだろう。たまに里帰りも良いだろう、バルク」 「俺は、ちょっとなー……」 バルクは渋っていた。 「叔父上、帰ったらお手合わせを願いたい」 ヘネシーの言葉に震え上がるバルク。 この姪は怖い。バルクは思う。彼女はサミクラスの生まれ変わりではないかと思われるほどの剣の達人である。自分を超えるのはもちろん構わない。自分が負けるのが怖いのではなく、彼女がいつでも本気で来るのが怖いのだ。いつか自分が刺されて死ぬのではないだろうかという恐怖。もちろん彼女がそんなヘマをするわけではないだろうけれど。 「叔父上?」 ヘネシーが不思議そうに見つめてくる。やがて何かを思いつき、彼女は言った。 「父上も久しく会っていないと言っておりました。どうか、一緒に来ていただけないだろうか?」 「わかった。わかったから」 久しく飲んでない地酒も飲みたい。里帰りしてもいい。 「父上が前に言ってました。叔父上はサミクラスの生まれ変わりじゃないか、と」 「……それ、おだててるのか?」 「おー、そーいえば、バルク。そのサミクラスのお宝の話も噂されておるぞ」 アニムが切り出した。 「ビアソーイダ王にしてフォーランズ王、剣を抜けば向かうとこ敵無しとされたお主のご先祖様だろう? お宝の一つや二つあってもおかしくないだろうって」 「歴史書の記載ミスじゃねーかっていうのが学者の見解なんだけどな。よし、ランディードがサミクラスのことも噂として流したかどうか、聞いてみるか」 三人の行き先が決まり、下宿をあとにした。
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