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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
だからって昨日のことも覚えてないのはまずいですな。 結局はアニムの目的の人物である『人身売買』を行っているという貴族がいるところへ行くことになった。それがバンデン王国の王都から街道を南へ行ったところにある港町だという。つまり場所はあまりはっきりしていない。 「やっぱりパンケーキが私を呼んでいるのね」 ルイが移動魔法を使おうとしたが、ロイタスから止められた。 「その港町の近くまで連れて行こう。どうせ王都はヒトでいっぱいなのだろう? 目立たぬよう、夜に移動する。それまでこの森で待機だ。実は、セルヴェスの宝を見たいと言っている妖精たちや変なのを見たいと言っている妖精たちもいる。協力してくれないか?」 ルイはやっぱりがっかりした。 森の中に入ると涼しく、日もまばらなのでグオンはマントを脱いだ。アニムが返せというような顔をしていなかったので、借りておくことにする。 妖精たちがロイタスの周りに集まってきて何かを話す。 「セルヴェスの剣も見せてやってくれ。皆、セルヴェスの友人だったものたちだ」 バルクは剣を抜いて鞘と剣を地面においた。妖精たちはしげしげと見つめては囁きあい、さらにグオンの周りをぐるぐると飛び回っては首をかしげている。 グオンは気にしていないようだった。 『アナタ、魔族の臭いがするのね』 妖精の一人がグオンに話しかけた。 「妻と娘は魔族だからだ」 『そうなの。面白いね。でも臭くない。きっと糧がいいのね』 この妖精たちは魔族のことをどれほど理解しているのかわからないのでグオンは返事が出来なかった。妖精たちは思う存分見て飛び回ったあと、ロイタスに挨拶して去って言った。 「グオンはどうするのだ?」 アニムが尋ねた。 「お前たちにやることがあるのなら仕方がない。港町まで一緒に行こう」 移動手段のないグオンは、その港町からフォーランズ、もしくはフォーランズへ向かう船が出ている港に向かう船があると見込んでいる。 「その港町に何かおいしい甘いものがあるといいな」 「なんだ、その不思議な希望は」 ルイのつぶやきにバルクが呆れながら尋ねた。 「あらバルク、甘いものがすべておいしいものとは限らないのよ。時には甘すぎて失敗しているものもあるわ」 「そうか、そうか。なるほど、確かに」
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