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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
怒ってはいない。だって聞いた時は「ああ、やっぱりね」みたいな状態だったので。 一年間、魔王は海の家のバイトをしていた。ある時一枚のコインがわくわくどっきりビーチに落ちていたのを拾った。見ればこのへんで使われているお金ではなかった。一回り大きく『1』と大口を開けた悪魔が刻まれている。そして何よりすがすがしいほどのまがまがしい気を放っていたので、そのまま妻サーサの妹ミナに見せることにした。 「これは……死のコインね」 そのコインには触らずミナはあっさりと言い放った。 「魔王じゃなきゃ死んでいたかも」 その辺は、魔王が魔王たるゆえんなのかもしれないとミナは思った。 「これがあのビーチに落ちていたなんて……危険ね」 『Don't eat』という看板の横に焼かれた肉よりも危険だとミナは言った。 「これは、あなたが預かってもらってもいいかしら」 「もちろん、こんな危険なものは人間の世界にあってはならないね」 「でもどうして……これはノイスたちにも知らせないと」 こうして翌日には勇者たちはその原因を探るべく旅立ってしまった。
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