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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
と、言える。うん。 魔法使いが一人で冒険者になれないなんておかしい。 ヴァリー=リッチワーターは思った。何度も門前払いをくらいつつも、今日も諦めずに役所へ申請する。 「いくらあなたが魔導師皆伝でも一人で冒険するなんて無茶です。せめて剣士や戦士などの肉体攻撃系職業者一人でも仲間にしてから来てください。何度もいいますけれど」 またあんたかという顔で役所の受付の女性は迎えた。 「だーかーらー、俺これでも武器剣(剣を扱える免許)2級(中程度)も持ってんだよ! 剣士の免許は持ってなくても中流の剣士並の腕は持ってんだってばっ!」 「ダメです。あなたの職業免許証が魔導師だけである以上、冒険許可書は出せません。一緒に冒険する方を連れて来てください」 「じゃあ、なんで戦士とか剣士はいいんだよ? あいつらだって自分の力じゃ傷も癒せないじゃないか!」 「ええ、昔はそうでしたよ。でも、今は薬品やマジックアイテムの技術進歩のお陰で体力なんか楽に回復出来ますから。あなた、攻撃魔法と治癒魔法同時に使えないでしょ?」 「使えるよ! コレ見ろ! 治癒魔法も攻撃魔法もマスタークラス、ダブルマウスもマスターしている!」 すると受付嬢はしげしげと免許証を眺めた。 「へえー、さすがは魔導師皆伝......でも、規則は規則です。仲間になる方を連れて来てください」 と、こんな調子で今日も追い返された。
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