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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
まともに答えられなかった。 神社では可奈が手伝っていた。 「何も起こらないわね」 と貴乃は胸をなで下ろしていた。 「何を心配していたの?」 「べ、別に」 「大丈夫、今日は皆大人しくしているから」 「そう」 「それよりも、本当に切りたい縁は切ってくれるの?」 「ええ、それはもちろん」 「じゃあ、お願い、切って欲しい縁があるの」 「え? 可奈ちゃん、もしかしてしつこいストーカーとかいるの?」 「ええ、でも私じゃないわ」 岡崎秀介には、本人の知らないところで彼のファンクラブがいる。それは田学の男女含め三人組のクラブだったのだが、その三人と思われる人物がそれぞれインフルエンザにかかり出席停止となった。よって彼はいつもより穏やかな始業式を迎えた。 ただ、さすがに縁まで切れなかったのか、それとも縁ではないためか、それだけで終わってしまった。
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