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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
「ゲゲゲの女房」を読む。 いつの間にかその店は、餃子定食と生姜焼き定食の店となった。 いつもそばを通るが入らない。有名となってしまったその店は、行列のできる店として街でも人気の有名店となっている。 まさか、こんなことになるとは思わなかった。 ほんの少し前、食い逃げをした。あの時は、ほんの試しだった。ゲームのつもりだったが今では申し訳ない気持ちでいる。犯罪には違いないのだから。 今となってはとうとう食べ損ねてしまった餃子定食の味も知らずに過ごしているだけだった。 「あら、あなた」 中年の女性に声を掛けられる。込み合ったスーパーでのことだった。長い行列が出来ているところで後ろから声を掛けられた。 「ああ、そうだ。お客さんだわ」 そう言われて思い出した。あの店の女将さんだ。 「こんにちは」 穏やかに挨拶されたので、こちらも戸惑いながら返した。 「しばらく来ていませんが、お変わりありません?」 「あ? ええ」 「また、来てくださいね。ああ、忙しくてもちゃんとレジは打ちますから、お金、カウンターに起きっぱなしにしないでくださいね」 「はあ?」 なんのことかわからず、曖昧に返事をした。しばらく世間話をした。自分が来なくなった後、客は少し減った事、ライターが来て、そのお陰でお客が増えたことなど。 「また、来てくださいね。お客さんにはサービスしないと。だって、お客さんが来てくれると必ずお客さんが多く入ってくれるんだもの」 なんだか許されてしまった。またあの生姜焼き定食が食べられると思うと悪い気がしない。うきうき気分で歩いて人とぶつかってしまった。その人が手にしていたケーキがぶつかった拍子に地面に落ちた。 「ごめん、ごめん。申し訳ない」 「私の方こそ、ごめんなさい」 「いや、私がよそ見していたから」 ポケットには980円が入っていた。いつか、店の前においておこうと思っていた。 「足りないかもしれないが、これで勘弁してもらえないかい」 それをその人にそのまま渡した。
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