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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
特に題名が見つからない時に。 しがない爺である。 隠居して五年は経ったが、今でも毎日散歩は欠かさない。ゆっくり町内を一周する。それが出来るだけでも十分幸せだ。 毎日駅前に行き、絵はがきを見る。今の若い者はポストカードと呼んでいるものだ。ラックにならんだもので、初めは売っているものだとばかり思っていたが、ある時、若い者がそれを手に取って持って行こうとしたので尋ねてみた。 「それは売り物じゃないのか?」 出来るだけやんわりと。 「いいえ、コレ、こういう広告なんですよ。チラシのかわりにポストカードにして。チラシだったらすぐに捨てちゃうけど、デザイン良くしておけばあとで使えるし」 なるほど、と思う。なのでこの日以来、それを一枚ずつ貰っていく。そのうち全種揃えてしまう。そうなったら貰って行かない。そして、季節によりデザインが変わったら、また一枚ずつ貰って行く。そんなのを五年も続けたから絵はがきは溜まりに溜まった。 ためる事が得意だった。 何もかもためてしまい、ゴミまでためて妻にしかられた。金もためた、本もためた。お陰でビルを建て古書店を経営している。今は孫に任せているが、自分もたまに本を見かけたら仕入れている。 絵はがきもためるのも飽きた。今度は何をためようか。
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