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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
なつかしのアイツ等ですが、学院でないです。 岡崎乙女。彼女は、三兄弟の母である。 「母さん、朝飯は?」 「はいはい、もう出来てますよ」 朝一で出るのは岡崎家次男秀介。最近、元気が良いことを乙女は喜んでいる。 「なあ、母さん。明日友達と出かけるんだけどさ......」 乙女が驚愕した。茶碗を割った。 「なんですってえええ! 秀介、あなた、お友達が出来たの!?」 「何言ってんだよ、母さん」 「だって、アナタ、中野春季は春季って呼ぶくせに、まあまあ、相手は春君じゃないのね、もしかして女の子? 彼女? デートなのね! わかりました。母さん、頑張って夜なべしてジャケット作るわね」 乙女は春季のことを春君と呼ぶ。春季は秀介に対してどう思っているかも分かっていてのことだった。 「そこまでしなくても。てか、デートじゃないし。それより、朝飯、ご飯」 「はいはい、わかりました。わかりました」 新しい茶碗に盛りつける。 「お母さん、飯〜」 次に居間に入って来たのは良介だった。朝だと言うのにもう疲れ果てている。岡崎家は古武術道場で、その跡取り予定である良介は毎朝祖父、甲吉郎の訓練を受けていた。 「はいはい、良ちゃん。だらしないと綾ちゃんに嫌われちゃうわよ。それとも、最近出来た年上の彼女にかしら?」 「玲子先輩のことなら違うと思うよ。俺なんか相手にしないし」 「そうよねぇ、オカルト好き良ちゃんにはあんなべっぴんさん、相手にしないわよねー」 良介に飯を渡す。次に入って来たのは優介だった。 「おはようございます」 「おはよう、優介」 スーツ姿できちんと正座する。 「今日は?」 「普通盛りで御願いします」 「梅子さん、お元気?」 「ええ、とっても」 「そう。今度、うちで桜餅作るから持っていってあげてね」 「ええ、きっと梅子も喜びます」 「お好きですものね、梅子さん」 梅子とは優介の婚約者だった。岡崎家とのつながりもあり、昔で言えば政略結婚のようなものだった。乙女はそれがあまり好ましく思ってないが、梅子もまた優介と同じような立場であることを思うと、彼女まで嫌ってはならないと思っている。もちろん、こんな感情は息子たちにも旦那にも見せたことはなかった。 息子たちが食べ終わり、それぞれ学校や職場に向かっていく。 朝の慌ただしい時間が過ぎると一休みすることにしている。 「あら、お父さん。おはよう」 「飯を頼む」 「今日は?」 「大盛りで頼む」 「はい」 乙女の父、甲吉郎。厳格な父親で祖父である。それでも、娘と一緒に朝食を摂るのが日課だった。 「ところで、可一郎さんの姿が見えないが?」 「ああ! 忘れてた!」 可一郎は乙女の夫、三兄弟の父親、岡崎家の婿養子だった。 乙女はあわてて可一郎を起こしに行った。
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