気まぐれ日記
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2009年03月05日(木) 気をとりなおして

 本日は懐かしい「掃除人」です。調べたら、2007年の11月でした。





 高橋=リチャード=スズキ。彼は掃除人である。
 どんなに汚い便所も、こびりついて錆びた台所もきれいに清掃するのが仕事である。
 そんな彼に依頼が入った。
 「お前向きだ」
 社長、宮島=グレイス=アキはそう伝えただけだった。後は住所と依頼人の名だけが書かれている。
 依頼人の名は、アパートの管理人だった。
 「204号室を掃除してくだせえ」
 鍵を手渡しさっさと引っ込んでしまった。
 高橋は204号室へ向かった。受け取った鍵で部屋をあける。
 酷い臭いがした。
 そこは、白い絨毯真っ赤に染まった部屋だった。
 「こ、これはっ!」



 イチゴシロップ。
 かき氷に掛けるシロップの毒々しい赤は見事に絨毯やカーテンを染めていた。そして部屋に甘い匂いが充満している。
 「こ、こいつは酷い......けど、かき氷が食べたくなる」
 高橋はかばんからいくつか薬品を取り出し、絨毯やカーテンに薬品をしみ込ませる。
 十分ほどできれいに片付いた。
 甘い匂いも換気、薬品で中和されなくなった。
 依頼人である管理人がやって来て、「わたしはどうも甘い匂いが駄目でして。ありがとうございます」と言った。
 仕事も無事終わり、会社に戻る。
 「つらい仕事だった」
 高橋はぽつりと呟いた。
 「そうか」
 「冬はかき氷売ってない」
 「当たり前だ」
 宮島は呆れながら言った。
 「冷蔵庫の氷、もらっていいか?」
 「どうぞ」
 高橋は、冷たいものが好きだった。
 
 
 

 


草うららか |MAIL

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