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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
なんとなく思いついた言葉の切れ端。 エルギフまでは無事に着いた。天候も順調でエシニップへの道も軽やかに行くはずだった。しかし、もう少しというところで女たちが立ちはだかった。 「......」 女たち三人はにらむように馬車を見ていた。馬がすくんで立ち止まる。女たちは何も言わない。 「飲まれています。あの、ユリさんよりも深く飲まれています」 キッカが馬車から飛び出した。 「......」 女の一人が切り掛かった。それぞれ違う形の剣を手にしている。 「キッカ、いくぜ!」 「はい、主様」 カスガもキッカの妖刀を振り上げた。 「彼女たちは、剣乙女か?」 御者の男が尋ねる。 「そうです。彼女たちは飲まれてしまったのです。可哀想に。もう、元には戻れないかもしれないです」 「そうか、彼女たちが......もしかしたら、私の娘もそうなっているかもしれない」 男はうなだれた。 カスガが一人から剣を叩き落とす。更に妖刀はその剣を叩き折る。 「あ、ああ......」 女は折れた剣に近づこうとした。その前に女の腹が裂ける。 「ぎ、ぎあああっ!」 女の悲鳴が上がった。 「これが、私たち剣乙女です。剣が使い物にならなくなると、私たちもこのようになります」 キッカは無表情で言う。 「私はいやよ。死にたくないもの」 ヒナは馬車の中でうずくまりながら呟いた。
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