気まぐれ日記
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2008年11月08日(土) いきなり始まります。なんつーか、馬鹿げた話です。

 
 剣と乙女は共にあるべきものだった。
 全ての剣には乙女がいる。乙女は剣が剣であるために必要だった。

 否、剣は乙女とともにある。乙女は剣を必要とし剣は乙女を必要とする。


 とある家に、赤子が生まれた。女の子だった。新しい家族を待ちわびていた兄弟たちや父親はそれをたいそう喜んだ。
 元気の良い赤子だった。
 その手に握られていたのは、小さな小さな剣だった。
 「おお! この子は、剣乙女なのか」
 握られた剣を手に取り、父親は驚いた。
 「剣乙女?」
 兄弟たちの一番下の少女が尋ねた。
 「そうだ、お前の妹は剣乙女なんだよ。こうして、生まれたときから剣を持っている女の子は皆そう呼ぶんだ」
 「女の子ばっかなんだろ、それ? なんで男は持ってないんだ?」
 兄弟たちの一番上の少年が言った。
 「さあな。でもな、剣は乙女を必要としているんだ」
 「いいなー、俺も剣が欲しいよ」
 「ならば、剣乙女を探せばいいんだ、なあ、お前」
 赤子を産んだばかりの母親はにっこりと笑った。

 数日後、この家に剣乙女が産まれたことは国中に広がった。そして、その家に国王の使いが尋ねて来た。
 「ぜひとも、今のうちに剣乙女を貰い受けたい」
 使いは言った。
 「断る。まだ産まれたばっかりなんだ。まだやれるものか」
 「そこをなんとか。ご存知のように、我が国では剣乙女が産まれる確率は低いのです。ですから......」
 「そっちこそ、気が早過ぎるんだよ。まだ母親も必要なんだ。帰ってくれ」
 「ならば、仕方が無い」
 使いが剣を抜いた。その剣は木で剣をかたどった物だった。
 「あなた!」
 母親が剣を父親に渡した。引き抜くと、鈍い金属の剣が現れる。
 「そ、それは! ま、まさか、その方も......」
 「ああ、そうさ。剣乙女だよ」
 父親は剣を振り下ろし木の剣を折った。使いは驚き、家から出て行った。
 「二度と来るな! って、言っても絶対また来るよな。ここも引っ越さねえとな」
 父親はぼやいた。
 「お父さん、引っ越しするの?」
 「もう、マーちゃんと会えなくなるの?」
 兄弟たちは次々に尋ねてくる。父親は子供たちに静かにするように言った。
 「ちっちゃい末っ子を守る為だ。引っ越しだって悪くないさ、また新しい友達が出来る。だけど、お父さんからのお願いだ、剣乙女のことは内緒にしてくれ。絶対みんなに教えちゃだめだよ」
 




 8日18時頃の方。
 拍手メッセージありがとうございました。
 誤字脱字は気を付けてますが、よくやります。おっちょこちょいなんです。別に興奮してるわけじゃないのです。素で間違っているのです。
 そんなんでも楽しんでいただいてありがとうございます。


草うららか |MAIL

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