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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
妹がですね、暴食に走った昨夜。 それから、二十年以上経った。世界はそれほど大きな事件も無かったが、魔族による被害はじわりじわりと広がり始めていた。 「これが罪を償う事か」 カシスが吐き捨てた。 「なら、俺は自分で罪を償う」 その剣を自分に向けた。 それを見守っていたのは兄弟たちだった。止める事は出来なかった。 丁重に遺体を葬ることしか出来なかった。 「オフィーリス嬢、あいつと契約をしていたんだってな」 「ええ、あの子が死んだら血を貰うことになっていたわ」 だから、ベグゼッドが刺された時、ほとんど血は流れなかった。 「これを渡すように言われていたの」 オフィーリスから、羊皮紙を受け取った。ベグゼッドの筆で『何時でも、この者を受け入れよ。未来永劫、これを有効とせよ。これがただ一つベグゼッド=オウル=フォーランズのこの世に残す我侭なり』と書かれていた。 「子供みたいなことを......」 「でも、この世界での身元を保証出来るわ」 オフィーリスはそれから声を沈めた。 「私にも予測は出来なかった。まさか、こんな形でベグゼッドが罪を償うとは思わなかった。少し、可哀想に思う」 「だが......」 「表向き、カシスが殺した事になるけれど、それは魔族がさせた錯覚によるものだったの」 「知っている。私も見ていた。私が言いたいのは」 「ええ、そうよ。カシスが自分で死んだ事によってティママンが復活するわ。行きましょう」 安置所にはカシスが横たわっている。それが目を開き起きあがった。 「そろそろ、来ると思っていた」 「久しぶり、ティママン」 「ああ、本当に久しぶりだな」 「いつまで、その姿でいるつもり?」 「それがよ、戻らねえの。ま、いいけどな」 「だけど、その姿じゃこの国には居られないわ。だから早くここから離れましょう。久しぶりに魔界に戻るっていうのもどうかしら?」 「いいや、どうやら俺の仕事が出来てるようだし、別の国へ行くぜ。あいつを殺した魔族の行方を追うさ」 「そう、じゃあそっちはまかせるわ。私は魔界へ戻る。グオンはどうする?」 グオンは寂しい笑いを作ってきっぱり言った。 「私はあいつが残した仕事を片づけて、それから身の振り方をゆっくり考えます」 ビアソーイダとフォーランズの関係は表向き途絶えたが、コンファイアを通じて密に情報が交換されていた。そして時の流れにより少しずつ交流が盛んになった。 しかし、カシスの名前は歴史から消える事になる。ただ、最強の剣士がいたということだけは伝わった。 そして千年後、造船技術の発達により、世界が広がった。様々な国に行く事が出来るようになり、いつしかウォンテッダーと呼ばれる旅人たちが行き来するようになる。 ひとまず、終了です。言い訳は明日します。
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