気まぐれ日記
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2007年11月02日(金) 今、書いてたんだけど

 ちょっと寄り道したら間違って消しちゃった。

 すまん、もう書く気しない。




 「ねずみ 2」

 高橋は一時間で家全体の掃除を終えた。あと、一時間、ねずみ退治に当てる。
 ねずみ殺しの薬の瓶を取り出し、特注の特殊プラスチックで作られた水鉄砲に薬を詰める。特注である理由は「触れるだけで人間もイチコロ」なねずみ殺しの薬が漏れてこないようにである。特殊プラスチックで作られている以外、縁日などで売っている水鉄砲と同じような作りなのである。(ただし、引き金部分や継ぎ目部分から液体が漏れてこないような作りにはなっているが、つっこんでも私は無視するのでこんなところはさっさと読み流してしまってください)
 「ねずみ殲滅作戦開始」
 彼はそう独り言を言って屋根裏に上がった。暗視スコープを掛けてねずみを狙い撃つ。どんどんねずみが撃たれ、薬品により皮膚を焼かれ死んで行く。ちなみにもう一つのねずみ住処、下水にもそれ専用の薬品を使い、ねずみ除けの器具も取りつけた。さすがにこの「ねずみ殺し」を下水に流す訳にはいかない。
 そして、照明を持ち込み屋根裏全体を薬品「ねずみ殺し」の中和、消毒、掃除を行う。
 彼が照明を取りに戻ろうとした時、どたっと誰かが転び、ぎゃあと悲鳴が上がった。男の悲鳴だった。
 「ん?」
 死んだねずみが散乱する中、男が一人倒れてバタバタと手足を動かしている。
 「た、助けてくれ! 痛い! 痛い!!!」
 痛いと叫ぶ男は、彼を見つけて彼にすがるように這って来た。
 「あんた、何だ?」
 「なんでもいい! 早く助けっ! ぐあっ! 助けてくれ......!」
 「ねずみ殺しは本当に強いな。さすがに人間にはイチコロってわけじゃないけど」
 とりあえず、彼は応急処置を施した。その間、男は倒れたまま、動かなくなった。死んではいないが、病院に連れて行かなければならない状態。
 「悪いね。僕は仕事熱心だから、きっちり二時間仕事しなきゃならないんだ」
 それでも彼は救急車を後回しにして、急いで屋根裏の掃除に取りかかった。照明を持ち込み、薬品の中和、消毒、掃除......。薬品によって死んだねずみは、これもまた特殊なビニール袋に入れられる。そして、きっちり口を縛る。すべてが終わると彼はやっと救急車を呼んだ。
 「ご苦労様。これは代金です」
 外出から帰って来た婦人は家を一回りして、すっかり掃除されている事に満足した。そして、事前に約束されていた代金を支払った。
 「毎度ありがとうございます」
 「それから、屋根裏で見つかった方ですが、この事はどうぞご内密に」
 男は救急車で運ばれたが、そういうことがあった事は婦人に報告している。婦人は驚いて、男が運ばれた病院で身元を確認、警察にも届ける。
 「ええ、分かりました」
 彼は掃除用具の入った鞄と、多量のねずみの死体が入ったビニール袋を持って掃除屋に帰って行った。(ちなみに特殊な部分は、丈夫で匂いが漏れない。そして抗菌仕様)

 「で、社長。病院から何か連絡は?」
 「いや、ない」
 社長と呼ばれた女は即答した。白衣に身を包んだ彼女は、掃除屋の女社長、宮島=グレイス=アキ。まだ三十代の彼女がこの掃除屋の社長なのは後の話で明らかになるだろう。(ならないかもしれないが)
 「良かった。ねずみ殺しの薬品、ちゃんと中和されていたようですね」
 「ああ。私が作った薬品と中和剤だ。完璧だ」
 宮島はにやりと笑う。この会社で扱う薬品のほとんどは彼女が作っている。
 「アレが世間で公表されたら、我が社はマスコミの餌になりかねんからな。ところで、屋根裏にいた男はなんだったんだ?」
 「はあ、なんかあの家の人に騙されて借金背負わされた人みたいですよ。それで嫌がらせにねずみを放って、それから金目のものを盗み出そうとしてたようで」
 掃除中、電話などに盗聴器を仕掛けておいた。それがこの会社の黒い部分であり、この女社長の趣味であり......。
 「ふうん。なるほどなるほど。あの家、叩けは面白そうだな」
 悪趣味であった。
 「まあ、只でさえ、成金の家は叩けば埃だらけだろうけどね」
 「で、リチャード。今度はこれ、人間に使うなよ。人間にもイチコロとは言わんが劇薬だからな」
 「使ってませんよ。死んだねずみ踏んで転んだ時に、床にこぼれた薬品が素手で触れたんですよ」
 「今度は他所の人間がいない事を完璧に確かめてからやれって言ってんだ」
 高橋=リチャード=スズキ。彼はバツの悪そうな顔をした。
 「回収したねずみは?」
 「もちろん、いつものように私の部屋へ」
 ねずみ殺しの薬を作るには、ねずみの死体が必要だから。女社長宮島、無駄にするのが嫌いである。


草うららか |MAIL

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