気まぐれ日記
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2007年10月27日(土) 気づけば10月も終わりそう

 な今日このごろ。
 なのに、ヤツは現れた。
 お前は夏に出るのではなかったのか? 母と妹は掃除機をもってお前に抵抗した。
 大山鳴動してゲジゲジ一匹。




 妖精たちと別れてブロードは借家に戻った。その後、昼まで休んで起きて村の店屋に向かった。そこでブラウスを一枚買って借家に戻る。
 エステルがやはり掃除に来ていた。
 「赤帽子をやっつけたんですって?」
 「ああ、エステル来てたんだ。ちょうど良かった。これをあげるよ」
 さっき購入したブラウスを渡した。エステルは箒から手を離した。
 「わあ、新品なのね」
 「多分」
 こういう村の店で売っている服は実は「古着」などが多い。一応、真っ白いブラウスを選んだのだが、ブロードはあまり確信持てなかった。
 「ありがとう、ブロード」
 「どういたしまして」
 「いつから気づいていたの?」
 「わりと最初から。あと、名前。君はもとはポリエステ家仕えの妖精だったんだろ?」
 ポリエステ家はブロードと同じジョウロフェンツァ王国の魔法騎士団団長家の一つ。今はもう家自体がないとされている。
 「すごいね、分かっちゃうんだ」
 「まあね」
 「じゃあ、もう全部分かっているんだね」
 「そうだよ。最初は騙されてたけど」 
 「そっか、よかった。じゃあ、さよなら」
 「さよなら」

 ブロードは何もない草原にぽつんといた。
 「やっぱり、全部君が見せていたんだ」
 赤い刀身の剣は無言だった。
 「君とエステル以外、幻。そうだね、赤帽子」
 やはり、剣は無言だった。
 近辺の村では、もう最北の村ことなど話題にもなってなかった。


 「そういうわけで、これは幻覚を見せる剣なんだ」
 「ほお......」
 レイヨンは関心したようだった。
 「ここまで騙される事三回。変な町や村だなと思ったらこいつが見せていた幻覚だった。だからかなり強力な解呪をかけて置いたけど、それでもたまに騙すと思う」
 「おもしれーな」
 「面白くない」
 ブロードはちびりちびりと噛んでいた干し肉を飲み込んだ。
 その時、店のドアが開いた。
 「おい、レイヨン、酒くれ」
 「こっちもだ」
 どんどん客が入って来て店の席が埋まった。
 「おいおい、なんだよ。そんな時間じゃねーだろ? さっき帰って行っただろうが、お前ら」
 レイヨンがそう言うと、客たちは消えた。
 「......まさか、今の」
 「そう。これ。でも、解呪しているからすぐ気づく幻覚なんだよ」
 「......面白くねー」
 「だから言っただろ、面白くないって」
 ブロードは荷物を持っていつもの部屋に向かった。
 剣は結局レイヨンが引き取り、適当な値で商人の手に渡って、それから行方はしれない。
 


草うららか |MAIL

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