気まぐれ日記
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地震と津波のニュースだった。夕方は、結婚式の報道ばかりで今朝の地震のことなど忘れてしまった。
「いぬのえいが」は春に見てボロ泣きしたので最初の方だけ見て風呂入って今に至る。
テレビって、そんなもの。
「魔王はいつも寝ておるのだな」 暖炉の薪に火が燃え移るのを見ながらアニムは話しかけた。ブロードはランプかろうそくを探しながら部屋をうろつく。 「そうだろうな。やる気なんかなさそうだし」 樹理はソファーにちょんと座っている。 「ブロード、自分と一緒にするな。魔神はあれで働き者だ」 「俺の知る限り、それはねえ」 「小生も知らん」 部屋が暖まり始める。ろうそくに火が灯り少し明るくなったところで、ドアは開いた。 「今晩は、皆さん」 魔王は相変わらず少年の姿をしていて、人の良さそうな顔をしていた。 「まさか、ブロードさんたちも一緒に来ていただけるなんて、思いませんでした」 「久しぶりだから顔でも見ておこうと思ったんだ。オフィーリス姉ちゃんには聞かなかったけど、何企んでんだって思ってな。しかも、今来ていただけるって言ったな、何かあるな」 「ブロードさんはそういうことを気にしてはいけませんよ。ただ、ちょうどいいタイミングです」 「そのいいタイミングってなんだ?」 「実は、この島にエノマという魔族がいるんです」 「それって……」 オフィーリスから預かったメモにその名前があった。彼らの消滅すべき魔族がまた近くにいる。
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