釣竿を池に投げ入れても 何の反応もありゃしない 僕はただじっとたたずんで 池に映る月の光を眺めて
「魚が池の中にいるなんてまだ思っているのか?」 そう言ってその光は揺らぐ その時初めて知ったわけではないけれど 知らぬふりしていた僕は一体何?
冷めた気分でぼうっと辺りを見渡しても 何の発見もありゃしない 近くに停めた車の中には 残りわずかのガソリンが入ってる
僕はまた、池の辺に蹲る 月の光はさっきよりも弱くなっているけれど もう釣竿は車の中で 魚の餌は池に放りなげた その時、やけに背中が刺すように冷たく 同時に後ろの方からの眩しさを感じられた
四時間後にやってきた太陽が差し込んできて 僕はズボンに付いた砂を払い立ち上がった 後ろを振り返ると、なぜか車は跡形も無かった そして手前を向いて分かった 池の中心に車は沈んでいく光景が目に映った
その一瞬の出来事を僕はすんなりと受け入れた 帰り道を歩いていると、車が通りかかった その車のドライバーは、近くの駅まで乗せていってくれた 家に着くと、僕の家は月の光にさらされていた
―END―
ついしん、論理的思考は大切だ。
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