日々是修行也
BBS









登場する人物・団体・店名等はすべて架空のもので、仮に存在していたとしても単なる偶然です。 また、暴力・犯罪・性的描写も個人の思い込みによる勝手な想像です。

2005年06月29日(水) 先輩の退職

仕事中、携帯電話が震えた


「おぅ、○○○(私の名前)! オマエまだサラリーマンやってんのぉ〜?」 (・・・といきなりな電話の主は会社の先輩Hさん)


「えぇ、リーマンやってますよ! 雇われの身ですから〜、笑」


「飲みに来いよ〜っ、今ちょうどYさんと飲み始めたところだからさぁ〜」


「飲みに来いって・・・まだ、4時半じゃないですかぁ。(^_^;)  まぁ、とにかく了解です」


電話の会話は短かったが、H先輩の話したい事はわかっていた。


・・・というのもこの先輩、2年ほど病気療養で休職していたのがここに来てようやく復職出来るようになり、元いた職場への復帰を目指して1月程前から活動していたのだが・・・昔と今では会社の事情も変っていて、、、。


”早期退職プログラムに乗っかって、退職しそうな気配だ”との噂を人から聞いて知っていた。


HさんとYさんが待つ飲み屋に到着したのは5時半過ぎ。


H先輩は、退職の調印式を終えた直後でナチュラルハイというか・・・一抹の寂しさを感じているようでもあり。


「でも、通常の退職金に上積みを加えた合計5400万円が手に入るんでしょ〜? で、現ナマ手に入れた後はどうするんですか?」


「お金はとりあえず全額貯金だ。大体オマエなぁ、俺だってまだまだ稼がないといけないんだから〜、 今回早期退職した連中をいろんな会社に斡旋してくれるという制度があるから、そこに頼もうかと思うんだよ」


「え〜!? それじゃ、また、リーマンじゃないですかぁ? この際だから、メロンパン販売でもやったらどうですか。 それか、1年前に早期退職したFさんみたいにコンビニのオーナーになるとか!?」


「いや、24時間はキツイだろ〜っ。 それにメロンパンだって今ブームなだけだよ」


「コンビニだって別にひとりで24時間働く訳じゃないし、メロンパンだってブームに乗ってりゃいいじゃないですか。 そのうちまた違うブームが来たらそれに業態変化させればいいんだし〜。 折角のチャンスだし、5千万もの大金があればアレコレ挑戦できるでしょ」





延々と昔話や会社を去っていった人の話で盛り上がり5時間以上も飲み続けた、、、



帰り際に3人でベローチェに、








帰り道、「お前は残ってガンバレよ!」と先輩に声を掛けられたが、


「いや、そこそこ働いて、あんまり頑張らないようにしますよ。 上司の顔色ばかり伺って組織に振り回される人生なんて、俺はまっぴらゴメンですから〜」


「そっか、そうだよな〜。オマエは昔から唯我独尊だったよな〜」


「まぁ、とにかく、来月あたり先輩の盛大な送別会を開催しますから期待しててくださいよ」


「おう〜」


別れ際、H先輩の後姿には会社を去る寂しさがにじんでいた。





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弥勒(みろく) [MAIL]

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