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こんばんわ、いくみくん。元気だった? 「え?…誰?」 ひどいなあ。去年の秋頃一緒にいたじゃない、ここで。 「…そんなの知らないよ。…今さらなにしに来たのさ」 だって、ほら秋だし。紅葉をみたら君の事を思い出したんだよ。 「…ふん」 ねえ、顔を上げてよ。久しぶりなんだから、ね?可愛い顔を見せてよ。 「…僕は、僕は、ずっと忘れてなかったんだからね。なんで今頃」 寒くなってきたからね。…うん、そう。君が震えてないかと思って。 「寒いよ。今はじまった事じゃないよ。…ずっと寒いよ」 そっか。じゃあやっぱり来てよかったよ。 「…?……!!」 ほら、こうやって君を抱きしめられるからね。 「………」 ……。 「……あったかい」 僕も。 「…ふん。どうせ来るならもっと早く来てくれればよかったのに」 ごめんね。いろいろあったんだ。 「………」 聞きたい?なにがあったか。 「ううん、もういい」 …そう。 「いいよ。来てくれたから」 …そう…か。へへ、ありがとう。 「あったかいのって、すごく久しぶりだよ」 笑ったね、その顔見たのもなんか久しぶりだ。 「当たり前だよ。ずっと会ってなかったんだもの。…ねえ、もう絶対どこにも行かないでね」 ……。 「…眠くなっちゃったよ。眠ってもいい?」 いいよ。僕が布団になるよ。 「…えへ。そっか…ありがとう。おやすみ…」 おやすみ…。
僕は腕の中のいくみの寝顔をじっと見つめていた。 いくみの問いには答えられなかった。
だって絶対なんて無いだろう? 気持ちなんて変わるだろう? この腕の中の小さな心だっていつかは、どこかに。 ねえ、今だけを信じていようよ。 僕は目を閉じて、伝わってくる温かさを刻み付けた。 忘れないように。 今、ここにあることだけが本当だから。
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