★☆★ぶろたんのゲイ日記★☆★

Mental medical treatment by ★ぶろたん★


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2002年09月29日(日)   男が身体を売ること★その壱拾弐★



公園に逆戻りした俺。



キンモクセイの香りが甘く。

そんな甘さが俺には辛いだけで。



嫌いになった。





ちょうどその頃、

公務員試験の結果が出た。



合格。



21年生きてきて、

初めての、合格。



全く勉強しなかったのに。

努力したわけではないのに。



それでも。



認められた気がして。



嬉しかった。



そして。



俺は、家に戻った。



夜だった。



自分の家なのに、

余所の人の見知らぬ家の様だった。



家には灯りがついていた。





チャイムを鳴らす。





ドアが開いた。





「何しに来たんだ?」



これが、久しぶりに会った母親が子供に言う言葉だ。



俺は、いきなり合格を告げた。



「え?受かったの?」



それまで般若の如くだった親の表情が、

一瞬、緩んだ。



「そう、受かったよ」



もう一度言った。



「受かったの!!さ、入りなさい」



親は、満面に笑顔を浮かべた。





俺は、嫌悪を露わにし、

母親を心から軽蔑した。



久しぶりの我が家。



自分で稼いで建てた家でもなくて。

なんの愛情もなく、ただ放っておかれて。



なにが我が家?



それでもいい。



眠る場所があれば。



安らげる場所を求める心の癒しよりも。

体の癒しを俺は取ったのだから・・・。



夜中。



眠れなかった。


一番馴れた場所であるはずなのに。





カチャリ。



ドアを開ける音。



忍び寄る足音。



家には、俺以外、1人しかいない。



俺は、この時マジで殺気を感じ、

身を固め、息をひそめた。








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信じられない本当の話・・・




この時、俺は。



あっさりと。

そう、本当にあっさりと。




冷めた気分で納得していた。





反面教師もいいもんだよな。



『尊敬する人は両親です!』



そんな言葉は俺には無縁。



しかし。



羨ましかった。



家に戻る時に見たある家の光景。

窓から見えた、家族団らんの光景。



みんなで食卓を囲み

普通に食事をしていた。



俺には。



そんな体験はなかった。





普通の家庭。





俺が憧れるもの・・・。




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