★☆★ぶろたんのゲイ日記★☆★

Mental medical treatment by ★ぶろたん★


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2002年09月25日(水)   男が身体を売る理由★その壱拾壱★


昨日の客は、

俺が家出中と知ると、

自分の家に来ないかと誘った。



俺は、客に依存するのだけは絶対にイヤだった。

それを弱みに、セックスを求められることも明白だった。



そして。



ここまで来て俺にはまだ。



プライドが残っていたのだ。



しかし。



例え、こんなに散々な目にあっても。



俺は、『家』に帰りたかった。



その日の夜、

俺達はホテルから出ると、

彼の店に行った。



店?



そう。



彼の、いや、彼の母親が開いていた、

小さな帽子屋に。



ハゲオヤジが被る様な帽子を売る店だった。

中に入ると、湿った、古くさい空気が俺を包んだ。



奧に入ると、畳の部屋があった。



「ここ使っていいから」



そして、彼は帰っていった。



とりあえず、俺は。



ようやく、寝床を確保できたと。



少しだけ。



そう、少しだけ。



ホッとした。



奇遇にも、

彼の店は、俺の通う学校のある駅にあった。



通い慣れた、近くの吉牛に向かう。








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さぁ、俺は何を頼んだでしょう(笑)



ささやかな、お祝い。





そして、部屋に帰る。



蚊がいた。



公園にいたときは気にならなかった。



しかし、家という空間に戻った途端。



気になってしまった。



蚊取り線香を見つけた俺は、

それをつけて眠りについた。



それが、さらなる不運を呼びこんでしまったことも知らずに。





次の日。

物音で目が覚めた。



彼が言っていた、

バイトの男の子が入ってきたのだ。



蚊取り線香の匂いが充満していることと、

俺がいることに驚きつつ、

彼は俺に言った。



「なんで蚊取り線香つけたんですか?」



蚊がいるからに決まっているじゃん。



あ。



そこで俺は初めて気が付いた。



帽子だ。



帽子に、全部匂いが染みついてしまったのだ。



「これはまずいな〜」



そう言うバイトの彼から逃げるように、

俺は学校へ行った。





授業中。





俺は突然呼ばれた。





教室から出ると、

1人のおばさんが凄い剣幕で怒っていた。



どうやら、昨日の客の親のようだった。



「とにかく来なさいよ!!」



先生の目が気になり、

俺は慌ててそのおばさんと学校を出た。




いつの間にか店に居座っていた、1人の男(俺)。

そして、店の帽子が蚊取り線香の煙で台無し。



怒るのも無理はなかった。







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俺って犯罪者?



何?

俺って、そんな扱い?何で?

俺はちゃんと許可を得たのに・・・。


店に入ると、息子である客の彼がいた。



その時、俺は思った。



俺を弁護してくれるのだろうと。



俺は甘えていたのだ。







しかし。



彼は、何も、全く何も言わなかった。



ずっとずっと、ただ。



申し訳なさそうに俺の目を見るだけだった。



その表情からは、

昨日までの俺にチ○ポをくわえさせていた

強気な彼は窺えなかった。



そう、要は。



ただのマザコンだったのだ、こいつは。







また、公園か。



そう思いつつ、俺は荷物を取りに部屋に行った。



そこに待っていたもの。



全ての荷物が。



ごみ箱に捨てられていた。



ゴミと一緒にされたスーツを取り出す。



そして俺は。



ほとんど蠅の様にを追いたてられ。



たった1日で『家』を出た。







昨日までいた公園に戻った俺。



ベンチに座って、佇む。



冷たくなった秋風。



ひらひらと舞う落ち葉が。





ただただ。





儚かった。



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