毎日恒例の電話。
8月に行く、って話をしたばっかりだったのに。
その翌日、彼が、7月は来ないの? って言う。
行けるとしたら最終週。手術の後だし、体調分からないし、とかって行く気はなかったのに。
「来たくないならいいよ」
とか言うから、「そういう訳じゃないけど」って言っていたら。
「もし来れるなら、俺は金曜日半休とるなってぐらい考えてたのに」
などと、こっちを惑わせるようなことを言う。
だってこの人、最初は「会えて4時間」って言ってたのに。なんという進歩。
「月に一回はそっちがきついでしょ」って言っても、「だったら半休取るとか言わないし、会える算段しないし」って。
「術後だから、超腫れてるし、あんま喋れないかも知れないよ」
って、私が言っても。
「そっちがしんどいなら仕方ないけど、俺は全然気にしないよ」
って、言うから。
確かに、ここを逃すと8月下旬まで会えないし、と思って。
何より、半休取るとか言ってくれた心が嬉しくて。
術後の私に思いやりないのかもだけど、一応「そっちがしんどいならいいよ」みたいなことは言ってくれてる訳だし。それぐらい、会いたいって、思ってくれたってことだし。(盲目)
「金曜の泊まりは嫁に言ってみないとあれだけど、会社の飲みで自分が幹事でって言うからほぼ大丈夫だと思う」
なんて。きっと、しれっとした顔で嘘をつくんだろうなって想像しながら。
結局、許可がおりたっていうから、何故かやたら安い時間帯に合わせて、飛行機を取った。
それでも、今日の電話で
「7月下旬か…遠いな」
って、言う。
きゅん、ってなる。
私が、
「こっちに単身赴任とかないの? まあ、そしたら奥さんついてくるか」
って冗談混じりに聞いたら。ないない、とかって言いながらも。
「いや、嫁はもう転勤があっても付いていかないみたいなこと前言ってたから…。出向みたいな形でそっちに行くなら、自分でアパートとか借りることになると思う。どうせならフットワーク軽く動けるところがいいよね」
って、彼が話す。
ぼんやりと、二人で住むことを想像して。まあ、無いわ、とかって思っていたら。
「もしそっちに行くことになったら、一緒に住む?」
って彼が聞いてきた。
「…今同じこと考えてた…」
って私は嬉しさ半分切なさ半分で笑いをこらえながら言う。
一緒に住んだら、楽しいだろうなあ。
毎日馬鹿みたいな会話して、野球観戦して、毎日愛されて。
でも、だけど、
「それまでに彼氏とかできてなかったらね♪」
って、私は軽く答える。
もうきっと、お互い好きなこと、お互いが分かってる。
だけど、お互い、この先どうなるかなんて分かんないって思ってる。
彼は特に、別れを切り出された経験から。
いつかこういう関係は終わりが来る、って分かってるだろうし。
私は、自分が経験してみて。
「この人とずっといたい」と思えば終わるな、って分かったから。
この先はわからないぐらいに思ってないと、やってられないっていうのがある。
だけど最初は余裕ぶっこいていた彼が。
日増しに、私に会いたいって気持ちを抑えられなくなってるのが嬉しくて。
それだけである意味、満足だったりする。
この間まで、もしかしたら向こうは身体だけなのかなあって、不安だったから。
あの、「会いたい」から、ちょっとずつ信じられるようになっていて、今は大分確信がある向こうの思い。
愛されてる、って思える。
もしかしたらもしかしてだけど、奥さんがまだ「彼女」の状態で今だったら、別れてくれたんじゃないかとさえ思える。
つーか、奥さんとの状況も。
私と平日は毎日、奥さんがパートから帰るまでの間電話して。(1時間から1時間半くらい)
月に1回、会う約束とかして。
嘘ついてまで泊まるんだから。
その関係、終わってんじゃね? と超冷静な私が勝手に思う。
少なくともこの状況で、奥さんのこと大切にしてる、とは言えないだろう。
今までは、彼は家で電話をかけて。一度か二度、「あ、ごめん嫁が帰ってきた!」ってぱっと電話を切られることがあった。
そんなの私もやってたし。←
やってたけど、これ結構傷つくなーとか思っていたら。
どうも最近、帰りがけのコンビニとかに駐車して、私と話してくれているらしい。
嫁がお休みの日とかも、帰り道の電話とかでなく。コンビニ駐車で、1時間とか1時間半とか話してくれる。
「家だといつ嫁が帰ってくるか分かんないから」
って。
そういう変化が、とっても嬉しかったりする。
嫁がお弁当を作ってる、って話を聞いて。
凄いねー、って言ったら。
「いやいやお金ないだけだし」
とかって言ってて。いやいやお前稼いでただろ、って思うから「またまたあ」って言ったら、
「いや、そっちに行ってた時は寮だし、残業代あったから給与が基本給の倍とかあったけど、こっちに帰ってからはアパート代もあるし、残業ないし」
とのこと。
会いに行くなら交通費は折半で、ホテル代は彼持ち(だって翌日の一人で泊まるビジネスホテル代は私持ちだし)って話をしていたから。
「え、それなら私、行かない方がいい?」
って、まあそんな筈はないだろとは思いつつちょっと気になって聞いたら。
「いや、それはいい」
って。
「何とかする。頑張る」
って。
そういうのがまた嬉しい。
男の人がお金遣ってくれるのって、いいなあって。
まあ折半なんですけども。
ふふふ、ってつい笑ってしまって。
「何?」
って言われたから「何でもない」って答える。
「何?」
って言われるから、「言って同意してもらえなかったらやだし」って言ってみる。
「同意するかもしれないじゃん。とりあえず言ってみたら?」
って言われて、何度かの逡巡のあと、私は言う。
「ラブラブだなあ、って思って」
って。
「そうだね」
って彼がさらりと言うから。
「意味分かってる!?」って聞いてしまって、また冷静に「分かってるよ」って言われる。
彼が地元に帰るときには、「次にいつ会えるかも分からない」なんてお互い言ってたし、思っていたのに。
気付けば会える日を作ってた。
続く予感、がちょっとだけ怖い。
深まる思いが、その怖さを押しのけて。
いつか終わるまでだから、って頭のどこかにある。
あるけど、今は続けたい。
2番目、永久に2番目であることを、言い聞かせて、でも。
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