「もし魔法が使えたら、どうしますか?」と先生は言った。 「時間を止めてしまうか、自分を消してしまいます」と僕は答えた。
昨日の診療のことは、それくらいしか思い出せない。 そのときの先生の表情や、ペンを走らせる姿は思い出せるのに、 何を話したかは、もうおぼろげになってしまっている。
不安や罪悪感がないまぜになり、レキソタンを飲み込む。 そしてがくりと眠りについてしまう。 今日は何にもできなかった。
上司と少し相談をした。 話を聞いてもらえるのは、助かる。 けれどうまく伝えられないのがもどかしい。 とりあえず、今月を乗り切ってから、身の振り方を相談しようと思う。
自分の存在を希薄に感じる。 気を抜けば、指先からくずれて消えてしまいそう。 希死願望は古傷のように、折りにつけ痛み出す。 もう何もかもがイヤになってきた。
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