眠りながらぼんやりと考えていた。 人を形作るもの−−正確には,自分がその人をどう捉えているかを。
「色眼鏡で人を見る」という。 人が人を見るときに,主観なしに見ることはありえない。 だから常に色眼鏡。それが正しい。
そして,人を色として捉える。彼は赤。彼女は白。というように。 イメージとして人を着色する。
やがてその人が見えてくると,色が言葉になる。 自分の中にある部分と共感する言葉として,その人を捉える。 共有するものが多い言葉を,共感する言葉として見るように。
友人の一人。古い友人の彼女とは,“孤独”を共有している。 友人の一人。彼とは“前進”を共有している。 友人の一人。彼とは“遠慮”を共有している。 後輩の一人。彼女とは“プライド”を共有している。
いちばん大事な彼女とは,共有するものが見あたらない。 理解はしている。考え方も,感情の流れもわかる。 だけど共有しているものがわからない。 たぶん自分の暗い感情を彼女は持っていない。 だから安心できるのかもしれない。
自分自身と共有しているものは,おそらく狂気。 心の底に潜んでいる壊れやすい感情。
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