- 2004年10月07日(木) 音がうるさい 絶対音感というのだと教えてくれた 15の時、音を遮断することを覚えた 街にあふれる様々な音が 私の頭には「音」がぺちゃくちゃと 話しかけているように聞こえる だめだ 最近音をコントロールできない 夢を見た 彼の手首から血があふれていた 私は彼の手首を両手で握りしめるけど 血が腿の上にぽたぽたと滴り続けて ちがう 手首を切ったのはあの人 彼ではない 目を覚ましたとき 彼がなんだか息をしてないように思えて 彼が目覚めるまで頬をたたいた ... 雨降り - 2004年10月05日(火) 雨の中を歩いた 雨の中を歩くのはおよそ2年ぶりだった おろしたてのスーツの裾が みるみるうちに濡れていった そういえば あの人はいつも右足の内側に 泥を跳ね上げていたっけ 雨の中を歩いていた ひどい雨だった ふと思い出した あの時他人のあの人が 手首を切って病院に運ばれた日を 私は裸足で救急センターの前のいすに すわっていた あわてて部屋から持ってきたのは 携帯電話の充電器 警察の人に何を言ったのかはよく覚えていない あの夜雨は降っていなかった 雨が降っていたなら私の血だらけの体も 流せてしまえたのに 雨はいっそう激しく降った 傘から滴り落ちたたくさんのしずくが 私の背中を濡らした 駅はまだ見えなかった ...
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