セキセイインコ ゴン助の精巣腫瘍闘病記録

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2002年12月30日(月) 40 容体悪化

年末、忙しく掃除などに追われていた昼間。
気温も低い。
ゴン助がじっとしている。
いそがしさにかまけて放っておいた。
暖めてあるし、今日獣医さんの所へ連れて行く
予定でもあった。

ふと覗くと、一歩も動いていない。
取り替えたペーパータオルも半日たつのに
汚れていない。嫌な予感がしてケージを開けてみた。
ゴンの足がきかなくなっていた。

手に乗せようとしたら足が立たない。
腹を押し付けて倒れ眼を閉じている。
羽根もだらりと力が入らないでいた。

焦った。混乱でパニックになりかけた頭を
深呼吸で整える。
落ち着け、状況を把握しろ、呼吸はしている。
糞をしていない。半日動いていない。

....餌と水を口にしていないのでは?
特別の流動食を用意した。
高カロリーの粉フードをぬるま湯に溶かして
スポイトで飲ませる。
辛うじて流し込めた。
そのまま保温の温度を30度以上にまであげ
病院へ。この日から入院扱いで預かってもらう
事になっていたが、容態悪化は担当の先生と
想定していなかった。

急だった。何しろ前日病院に行って、診てもらった
直後の事だ。気温は急激に下がったが。

素人に出来る事は、保温と規定通りの投薬、
食事の手助けのみ。
穀物が食べられなくなれば、一滴でもいいから
流動食を飲ませるように言われていた。


祈るような気持ちで病院へ。
次の日から実家に帰省する事になっている。
選りによって、こんなときに容体悪化。


一時間後。担当の獣医さんがいない日。
とても心配だった。
電話で容態の変化と昨日までの体調、
前日の獣医さんとの打ち合わせ内容を説明した。



家を出る時ぐったりしていたゴン助。
足が全く立たない。声も出さない。眼は半開き。
私は、もうだめだ、と半分諦めた。
生き物は生きるときは生きるし、死ぬときは死ぬ。
やるべきことは全てやった。

病院の診察室。
箱からゴンを出し、持参したケージに入れ替えた
直後だった。





ゴン助が飛び出し、皿に盛った穀物を貪り喰った。


私と獣医さんは唖然とした。
獣医さんですら、覚悟をしておいて下さい、と
言ったのだから。

ゴンは足をふらつかせながらも、がつがつと
餌を食べた。
そしてそのまま保育器に入れられて入院。
私は4日に戻る。




ゴンはおなかを空かせていたのだ。
体調を崩して、動けなかった。
その結果死ぬ寸前まで体力をあっと言う間に
落としたのだ。

気が付くのが遅れて流動食をやっていなかったら
危なかった。自力で食べられなくなったら
小鳥は恐ろしい事になる。



流動食は病院から出された特別なフード。
なんとか間に合って、自力復活したゴン助。

あとは獣医さんを信頼して飛行機に乗った。
もちろん、料金は割り増し。治療代が加わる。
とんでもなく冷や汗をかいた年の暮れ。


2002年12月26日(木) 39 クリスマスプレゼント



ゴン助の足に力が入らずよろけ始めた。

片足だけだが、低い止まり木から落ちかけては
あわあわやっている。

そのくせに投薬の時だけは止まり木から
足を離さない。
腕に止まらせると胸をよいしょ、と
うっかかってこっくりこっくり。



ブランコを外して寄り掛かる寝場所が
なくなったせいか。
しかし止まる部分が四角で出血しやすい。


考え込んではしごのおもちゃを買った。
止まり木の前にななめに置いて
よりかかれるように。

鏡とビーズつき。


きつそうにしていたゴン助が遊んでいた。
鏡覗いて、ビーズをいじくってカタカタやっていた。



...................もしかしてこいつは退屈だと
死ぬんじゃないか?
ふ、とそう思った。
一日じっと唄も唄わずに止まり木でうとうと
してるんじゃ、つまらないだろう。


ゴンやんが言ったような気がする。

『退屈すぎて死んじまうぜ』



クリスマスプレゼントはお気に召したようだ。


足以外は餌の量も糞の量も安定。
呼吸だけはずっと荒い。


外には出たがる。
気温は下がる一方。
冬本番。冷たい夜もなんのその。
24時間ヒーターとライトがフル稼働。


故障しませんように.......


2002年12月22日(日) 38 呼吸が荒いが...


ゴン助の呼吸が、数日荒い。
きつそうに見える。

しかしよく食べてはいる。
糞もなんだかぷっくりたっぷりしている。

入り口の餌入れの前に止まって寝ている。
餌箱の中に糞をしてしまう。
数時間おきに餌の汚れた部分を捨てる。


腫瘍は相当大きい。
ケージを開けるとすぐ出ようとする。
腕に止まらせれば、袖の中に潜り込む。

弱気だ。今こいつ。

甘える時はかなり参っている、と見ていい。
私は七面鳥を焼きながら複雑な気分だった。

こんなちっこいおやつにもならない
トリなんだけどなあ。
生意気だし、咬みつくし、うんこばっかり
するし。
こんなチビい奴に一喜一憂してるんだなあ....と。



急いで家事をすませて薬を飲ませる。
ついでにほっぺたをかいて、かまってやった。
呼吸が荒いので、耳もとに来ると
とても速い呼吸音が聞こえる。


ああ、まずいな....


そう思ったのはこれまで何度もあった。
だがここ2日ゴンは鳴いていない。

そろそろか....

溜息まじりでゴンを肩の上で遊ばせていた。



その時だった。

ゴンが鳴いた。機嫌のいい時の声で。
耳もとではっきり聞こえた。
なんだか楽しそうにゴソゴソやっていた。

ああ、元気になった...そう思って肩のゴンを
覗いてみた。



....................さかっていた。




ゼイゼイ言うような健康状態でさえ、
こいつは......。
.................................
.................................
.......................。
前は男性にも求愛してたっけ。


まあ、よしとしよう。
楽しそうだったから。


2002年12月16日(月) 37 年末



日曜日、病院へ行った。状態は前回より安定。
良くはないのでまだレントゲンはとれないが。

糞の検査も細菌は見られず。
相変わらず色が悪い事を除けば問題無し。


薬は微調整してまた四本。
味が悪いのでじたばた抵抗するだろう、との事。


出血の原因が多分床擦れ(足だが)の一種
なのでビタミンをそのあたりに対応させたもの。
止まり木を少し削って平らな面を作って
足で掴む面積を広くするように指示される。

ブランコは揺れないように固定させる。
はしご部分にもたれて眠るのなら、
体重を分散させていいでしょうとのこと。

片足が痛いともう片足がかばって
酷使されてしまう。
下にはペーパータオルを敷く事を勧められた。



雪が降って具合が悪くなっていないか、と
訊ねられる。
雪の日は保温が出来ていても気圧など
様々な原因で鳥の体調が崩れる、と。
小鳥の来院が、雪の日から一気に増えたそうだ。


だがしかし。

ゴンは、雪の日えらく元気だった。
状態もあれから良くなっている。
体重も減り続けていたのが、戻っている。
獣医さんが呆れて笑った。

ただし、鼻息がかすかにくつくつ、と
異音がするようだから気を付けるよう
言われる。


そしてもうすぐ年末。
私は帰省を控えている。
ゴンを飛行機に乗せるわけにはいかない。
預かってもらう事になった。

30日から4日。入院扱いで保育器に入れる。
費用は一日3500円。
鼻血が出そうだ。

通常は1500円だが、状態が悪い病鳥では
致し方ない。一番安心できるのだから。
それでも万が一の覚悟をして下さい、と言われる。

生き物だから仕方ない。
帰省しないのが一番だが、そうもいかない。
去年も帰っていないし、実家の老犬も待っている。
万が一、があれば、それは運命と考えよう。


とりあえず、預けるまで体調を復活させる事に。


今の所安定している。
青菜もイモ虫のように食べていた。


2002年12月14日(土) 36 出血その2



朝起きて、ゴンのケージを覗いた。
血の気が引いた。


黄色いブランコとその下に敷いた白いティッシュ
(落ちても痛くないように敷き詰めてある)
に鮮血。


あわててゴンを見る。
  

もぐもぐしている。暖かい窓辺で機嫌よく食事中。

ごめん、とひっつかんで全身を調べる。


『なっ、なんばするとですなー!!』
『血はどこからだー!!』
『わし、飯ば喰いよるとですばい!』
『どこから出血したー!?』
『飯〜!!』


ゴンがえびぞりで尻から逃げた。
元気である。この出血でこんなにピンピンしてるなんて。

発見。足の裏に出血跡。すでに固まっていた。
一番こわかったのは吐血と血便。
どうやらひっかいたらしい。

それでも出血はよくない。
日曜日獣医さんに報告しよう。


念のためにブランコを外した。
転げ落ちてひっかけた可能性がある。
不満そうなゴン。仕方が無い。

肝が冷えた朝だった。
天気は良い。ゴンのケージ内は30度前後。
見ためは元気。呼び掛けてくるし、おもちゃとも
遊んでいる。

暴れ過ぎて怪我?............。


2002年12月09日(月) 35 出血しながら上機嫌



日曜日、ゴンの糞だけ持って病院へ行った。
冷え込む朝、移動で冷やすのを避けた。

臨時の検査だというのもあるし。
結果は、前回見つかった細菌は消滅。
ただし糞の色が黒く、体内出血の可能性が
ある、と言われる。


ブランコに微量の出血跡が見られたため、
それが混じった可能性もある。
いずれにせよ、出血しやすくなっているので
血管強化の薬を加えた。
そして追加した細菌用の抗生物質をやめた。


二日後。
関東は初雪。しかも大雪。
夜冷え込んで、ふと窓を開けたら雪。
ゴン助が冷える、と室内に小型ヒーターを入れた。
人間も暖かい。
ケージの保温ライトは24時間フル回転。

そして次の朝。
ゴン助の声で目が覚めた。
久しぶりに朝からゴンが食事するべ〜と唄っていた。
ここしばらく、私が起こすまで寝ていた鳥が。


ご機嫌そうにチュルチル。
たくさん食べていた。
外は銀世界。いつもより冷えているのに元気。
出血もあったのに元気。


雪は昼過ぎても止まない。
ゴンはずっとご機嫌。


2002年12月02日(月) 34 ゴン助復活!


病院の薬がおそろしく効いた。
鳴かなくなっていたゴンが、ご機嫌の声を出した。

この調子ならレントゲンを受けさせられる。
ホっと一息。

食べながら寝るのは、やめてほしいが.....


ブランコをもっと下に下げた。
たまに転げ落ちていた。
物をつかむ力は充分あるが、眠っている時グラグラしている。


2002年12月01日(日) 33 新しい治療


今日は病院の日。朝からゴンを連れて行った。
調子が悪い。かなり持ち直したものの、呼吸が荒い。
具合が悪いとインコはベタベタに甘えるそうだ。

ゴンはものすごく甘えていた。
昨晩ずっと夜起きて甘えていた。
服の中に潜り込んで眠ってしまったので
身動きもできず、一晩中パソコンを眺めて固まっていた。

かなりヤバいかも、と思ったし。


自分は明け方ほんの1時間程眠った。
目覚ましで飛び起きる。
ゴン助は。


もぐもぐしていた。


もりもり餌を食べていた。
糞の色が昨晩黒っぽかったが元に戻っていた。


病院へ。
先生が新しい治療薬を探して下さった。
学会の発表でゴンと同じ、症例個体の研究結果が
発表されたそうだ。延命の長期化。しかも腫瘍が
かなり小さくなったらしい。

ゴンの場合良性腫瘍なので、それがすぐ
命を落とす原因にはならないそうだった。
悪い腫瘍ならば、1か月も持たない。
ゴンは三か月になる。

ここまで持たせられれば、新しい治療薬の効果が
出せるのではないかと。
手術はしようがないそうだ。
そして考えだされた新しい治療法。
もう、とことんだと了承する。


朝起きて、死にそうな小鳥を見る事くらい
気が滅入る事はない。金がかかる奴だなあ、と
ぼやきつつ、詳しい事を聞く。

一応、万全のためにレントゲンを撮る。
腫瘍の位置の正確な確認など。


だが。
ゴンは今具合が悪い。どうも出血した跡がある。
足をすべらせてひっかいたようだった。わずかではあるが。
加えて、腸内に細菌発生。抗生物質で抑えられない
細菌が出た、とのこと。

臨時に抗生物質の追加。更に善玉菌補助のための
ビタミン類も追加して頂いた。7日後糞の検査をする。
それで具合が良ければ新しい治療開始だ。

具合が悪い時にレントゲンであちこち触ると
それだけで死ぬ事もあるそうだ。ストレスはこわい。
大事をとって来週。

ちょっと見通しが明るい。
ゴンも現在、持ち直している。日光浴と気晴らし、
的確な薬。なんとか今日も生き延びた。
おしりのコッぱげが痛々しいが。


用心すること。

舌を出していた。ソノウ炎の可能性もあり。
一時的だったが警戒しておく。


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