オヤビン日記
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2008年08月25日(月) 「按摩と女」と「徳市の恋」 (お台場映画王)

今日の映画王は、まず清水監督の「按摩と女」を見て、
その後、笠井アナと石井監督のお話を聞きながら「徳市の恋」を見るという催し物だった。
徳市の恋は何回か見たけれど、按摩と女は初めて。


按摩と女を見て、びっくりした。
ほんとにそっくり!

でもよく見てると、加瀬さんはほんとに動きも喋り方もそっくりなんだけど、
剛くんのほうは、そんなにそっくりじゃなくて、雰囲気が似ているって気がした。
あと、堤さんは按摩と女を見ていないって言ってたけれど、
でも按摩と女に出てた人はやっぱり堤さんに見えた。

按摩と女はテンポがいい印象だった。


それで、次ぎに石井監督のお話を聞きながら徳市を見たんだけど、
これが想像以上にかなり面白かった!

按摩と女を見て、剛くんは雰囲気が似ているって感じたんだけど、
そう感じた訳が石井監督の話を聞いて納得した。
剛くんは徳市を自分の中に取り込んで、徳市になりきりすぎて、
さらに徳市としてこうしたい、徳市ならこうするっていう考えがあってお芝居をしていたんだって。
だからそっくりを通り越して、徳市がそこに存在しているって感じになったんだと思った。
加瀬さんはまじめに忠実に福市を演じていたそうで、それがそっくりって感想になったんだと思った。

堤さんは石井監督たっての希望で、多忙なスケジュールの中、出演してもらったんだって。
だから堤さんのシーンは堤さんのスケジュールを中心に組んで撮影したらしい。
それだけの思い入れがあるってことが、按摩と女をみてとてもよく分かった。
按摩と女の中にいたのは堤さんだったって感じたもの。
堤さんは按摩と女は見てないけど、石井監督は現場にそういう人がひとりでもいて欲しいって思ってたんだって。
ガチガチに再現するんじゃなくて、そういうゆとりというか、ちょっと崩す人がいてもいいという考えだったらしく、
それは堤さんにぴったりだったと思った。
やっぱり堤さんはすごい。

あと、面白かったのが、「剛くんは白目が好き」って話。
剛くんは白目にするのが好きで、周りからするとやりすぎってほどやってたらしい。
だから白目をやめさせるのが大変だったって。
たくさんの人で白目を止めさせたみたいに言ってた。

それと、剛くんは練習熱心で、時間があればひとりで台詞を口に出して練習してるんだけど、
その練習の声が大きくて、周りのひとがびっくりするみたいな話を監督がしていた。
これはドラマのエキストラに行ったときに、わたしも感じた。
エキストラがいたせいか、あまり大声で練習していたことはなかったけれど、
剛くんは時間があれば台本を見てずーっとずーっと手振りもつけて練習してた。
これは自分も見習いたいなって思った。


あと、撮影の最後のほうで剛くんが
「徳大寺さんが僕に似てきた」って独り言を言ったらしい。
この独り言は凄いって監督が言ってた。
あまりに徳市が自分の中に入りすぎてこんな独り言が出てきたみたいな言い方だったけど、
それを聞いてわたしはちょっと恥ずかしくなってしまった。
うわー、そんな面白いこと言っちゃってすみませんってかんじ。
そんなちょっと天然みたいなところが好きなんだけど。
そこまで役に入り込むなんてすごいし、そんなところが剛くんっぽいなって思った。


監督の話で印象的だったのは、美術と衣装が大変だったって話。
白黒をカラーにするってことで、衣装の色を決めなくちゃいけないし、
どういうセットにするかってところもとっても大変で、楽しくもあったみたい。
監督は美大出身で絵コンテを見ても絵が上手だし、
監督というよりもアーティストなんだなって感じた。
美術さんとかもすごくこだわって作ってたみたい。

それと、鯨と紫陽花と緑にこだわったっていうのが面白かった。
そう聞いてよく見ると、いたるところに鯨がいるし、要所要所に紫陽花が咲いてるの。
鯨はともかく、紫陽花については聞かないと気づかないわ。
それに緑。この映画の緑の綺麗なところはほんとにすごいと思った。
今日改めて徳市を見て、その映像の綺麗なところに鳥肌がたったもん。
最初に白黒を見たっていう影響もあると思うんだけれど、
山だったり、道端や窓辺の緑がすごく綺麗な色をしていたし、
川の景色や水面なんかほんと美しい!

あと、監督はジブリ作品が好きなんだって。
特に千と千尋だったかな、が好きで、そういう色使いを目指したみたいに言ってたのが意外だった。
石井監督ってちょっと奇抜な感じの印象だったから、
ジブリみたいな優しい感じの映像が好きっていうのが意外。
でも徳市を見ながら喋っている表情が、ニコニコしていてとっても柔らかい印象で、
なるほどなとも思った。

知りたかった話としてタイトルの話があったんだけど、それを話してくれた。
監督としては「按摩」という言葉を使いたかったんだけど、
その方面の方に話を聞くと、
別に気にしていないという人と、できれば使わないで欲しいという人と半々だったんだって。
それで、ネガティブに捕らえる方がいるなら使うのはやめようと判断したんだって。
山のあなたというタイトルは麻生さんが考えて、徳市の恋は監督が使おうと決めてたらしい。
タイトルひとつとっても色々あるんだなって思った。
映画の最後に「おわり」って平仮名で出るのは「ジブリの影響」って言ってた。
ほんとかどうか分からないけれど、おもしろいね。
そういう細かいところまで聞いてくれる笠井アナはすごいと思った。

監督はこの按摩と女のカバーから学んだことは「我慢」って言ってたかな。
若い頃は自分がこうしたいということを表現しようとしていたけれど、
今回は自分のやりたいことを貫き通すのではなく、
作品として何をつくりたいのかということを一番に考えて作った
というようなことを言っていて、これは印象的だった。


もう映画を上映している間中、ずっと笠井アナと監督がしゃべってるから、
ほんとに盛りだくさんで、剛くんのことに限らず、
監督のこの作品に対する思い入れとか、こだわりとか、
苦労した点とかを聞くことができて、とっても面白かった。
笠井アナも両方の映画をとってもよく見ていて、
監督も気づかないような細かいところまでよく知ってるから、
質問が的を得ていて興味深かったし、聞いていて心地よかった。

期待以上のおもしろさで大満足の映画王だった。






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