ナナとワタシ
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| 2003年06月28日(土) |
また風呂の話かい(<みなさまの声) |
ナナと長電話。 来週の温泉の話も出まして。 宿から送られてきたパンフレット見ながら、ふたりでとりとめもない話を。
「貸切露天風呂があるんだね」とナナ。
「ワタシ、それ借りちゃおうかな。で、ひとりでゆっくりのんびり入るの」
「え〜(笑)。いいけどさあ、ちょっと心配」
「なに、心配って」
「倒れちゃったりしたらどうするの」
「倒れませんよ」
「わからないじゃん」
「そう?」
「あ、そういえば、温泉の前の日も、いつもどおり仕事するつもりなの?」
「?いつもどおりとは?」
「朝の6時まで仕事して、温泉行く、なんていうのはやめてね」
「なんで」
「心配じゃん」
「なにが」
「運転が」 なんだそんなことかい。体を心配しろ。
「へーきだよ」
「じゃ、あたしが運転する」
「そっちのほうが」
「心配だよね(笑)。とにかく、お風呂に入ることだし、前日の仕事は控えてください。そういうお風呂の事故、多いらしいし」
「心配性だなー。へーきだよ」
「なので、貸切露天風呂もよろしくないかと思うよ」
「そうか」
「それに、ひとりで入るもんじゃないでしょー」
ぴく。
「ほう。 そりゃキミなら」 パパと入るんでしょうけどと言いかけたところで
「家族と入ったりさ」
「家族〜? 入るか〜?」
「カップルとか?」
「そっちの方が多いでしょ。 下心とともに貸切露天風呂へ。そのほうが健康によろしくないような気が」
「下心なんてないでしょ」 ないわけないでしょ。
「ふうん。 じゃ、パパに一緒に入ろうって言われたら入る?」
「入るんじゃないの。せっかく温泉に来たんだし」
「温泉に来たんだからこそ別々に入ればいいでしょ。そんなのわかってて来るんだから」
「一緒に入れるなら、できれば一緒がいいんじゃないの。一般論として」 あっそ。
「ふうん」
「まあ、パパがどうしてもって言うんだったら、て話だよ」
「自分はどうなのさ」
「なにが?」
「パパと入りたいわけ?」 しつこいじょりぃ。
「(笑)なんなの一体。ちょっとさー、エロ親父みたいだよ。『最後にしたのはいつだい?』とか訊くようなさーきゃはははは」
「そんなこと訊いてないじゃん!」
「エロ親父ぃ」
「違うよ。ちょっとお風呂のこと訊いただけでしょ。確かにしつこかったけど(笑)」
「まあさ、家のお風呂だって一緒に入ってるんだから、べつにいいんじゃないの」
「もちろんいいですよ。 下心」
「は?」
「いえ」
「・・・下心じゃないよ。コストの問題でしょ。一緒に入っちゃった方が、すごい節約になるんだもん」
「ふうん。 コストだけの問題なんだ」
「コストだけの問題だよ」
「じゃあ、貸切露天風呂借りることないんじゃん。コスト高くなるよ」
「ホントだ。 でも日頃節約というものを一切心がけないじょりぃに、コストのことであれこれ言われたくないですね」
「じゃあ、ワタシもコストのことを考えるよ。 きょんと一緒にお風呂に入るようにすると節約になるのだろうか」
「できるの?」
「できない」
「きゃはははははは。きょんさんも驚くだろうね。いきなりコスト削減のために一緒にお風呂に入ろうと誘われたら」
「あまり気にせず『うんわかったー』とか言うような気もするけど」
「でもさ、それこそ変だよ。いやらしいよ」
「なにが」
「コストのために、じょりぃときょんさんがお風呂に一緒に入るのって、なんだか無理がないですか?」
キミとパパなら無理がないのだね。 け。
「そうかな」
「そうだよ」
やっぱりナナとパパがお風呂に一緒に入る話がおもしろくないじょりぃでありました。 話振ったのはワタシだったりするんですが。
昨日、ナナと「温泉どこに行こうか」の電話をしまして。
「また鄙びたところがいいの?」とワタシ。 「今度は違うのがいい。でもあまり料金が高いところはダメ」とナナ。
ふうん。難しい。 電話だとなかなか決まらないんです。 ナナが「るるぶ」を見て「○○は?」と温泉地名を言って、ワタシがネットでしらべ、その様子を伝える、という、非常にじりじりする作業を繰り返しまして。 ワタシはどこだっていいんですよ。 いろいろ考えるのがめんどうですし。 要は携帯のつながらないようなところに行って、仕事のことを忘れたいと。 ただそれだけです。
ならひとりで行けって言いましたか。
だってアナタ、ひとりで行くのと、気まぐれで自分勝手でマイペースでムラッ気があってさっき機嫌良かったかと思うと今はムッツリしているような人と行くのと、どっちが気が休まると思うんですか。
ひとりですよね。 論旨展開を間違えました。
おまけに仕事持って行くんですよワタシ。
だとしたら、おまえ考えてることはヨコシマなことだけなんじゃないのって言いましたか。
違いますよ。まさか。なにヨコシマって。
ひとりで自問自答するのも飽きてきたので次へ進みます。
で、なかなか決まらない。 なぜなら、ナナがぐずぐず言うからです。 「じゃいいじゃん。そこで。決まり」とワタシが言えば 「あーーーーーん待って待って待って。××ってところも調べて」 「んーっと。・・・・・・と書いてある。良さそうだよ」 「いいねそこ。行きたーい」 「じゃ、ここで」 「あーーーーーー待って待って。やっぱ料理が気に入らない。肉ばっかじゃん」
これの繰り返し。 決まりません。
「△△というところ、るるぶに載ってる?」とワタシ。 「ああ、載ってるよ。 あのね、ビミョーにラブホテルっぽいよ」 「え」 「そこがいいの?」 「別に。聞いてみただけ」 「ラブホっぽいところが気に入ったの?(笑)」 「違うよ!」 「じゃあそこに泊まって温泉気分とラブホ気分、両方味わおうか」 「いいけど別に」 「あたしはイヤだな」 「 あそ」
このやろう。
「いっそペンションとかにしちゃう?」とナナ。 「ペンション〜〜〜〜〜〜?」 ぞわ。 「なによ」 「メルヒェンな名前でなくて、マスターがオーバーオール着てなくてパイプくわえてなくて口ひげはやしてなくて、みんなで歌ったりしなければいいよそれでも」 「きゃはははははははは歌うよきっと暖炉の火を囲んで」 「かんべんしてー」 「ないって、今どきそんなところ。名前はまあ、ヤバイのが多いけど」 「気恥ずかしい」 「気恥ずかしいと言えばさ、部屋がせまいんだよペンションて」 「え」 「ベッドの上しか居場所がないようなさ」 「え」 「すごい手持ち無沙汰だよね。 温泉もないわけじゃん。狭いし。何してればいいの、ベッドの上で」 「と トランプ?」 「いたたまれないね」 「う、うん。いたたまれない」 「じゃ却下だね」 「う、うん」 「でも料理は意外とおいしいんだよ」 「じゃペンションにする?」 「でもさー、ベッドが小さいんだよねけっこう」 「 ふたつあるんでしょちゃんと」 「あるよ。あたりまえじゃん(笑)」 「 ( ゜▽ ゜)(笑)」 「じゃあやっぱり温泉ですね」 「そうですね」
そのうち候補がふたつに絞り込まれてきまして。 ひとつはお風呂がふたつ、ひとつはお風呂がひとつ。 雰囲気的にはお風呂がひとつのところの方が良かったのですが。
「お風呂は、今回も別々ですか」とナナ。 「は、はい。別々で」 「時間もったいないなー」 「・・・・・・・」 「一緒に入る?」 「え」 「見ないよ。じょりぃのことなんて」 「わかってるけど」 「入ってみる?」 「う」 「はいってみてしまえばなんてことないかもよ」 「う・・・・じゃあはい、 はい、 はい、 どうしよう」
どうしよう。 でも無理だよー。
「あたしとしてはさ、お風呂がすごく長いからさ」 「うん」 「なんか、ひとりでぽつーんという時間を、じょりぃにムダに持たせてしまうと悪いかなと思って」 「それは大丈夫だよ」 「でも時間のムダだよー。別々に入るのって」 「そうなんだけど」 「一緒でいいじゃん。せっかくふたりで行くのに、ひとりの時間を増やしてももったいないよ」 「うん・・・・」 「あ、でも、ひとりの時間がほしいのか?じょりぃは」 「別にそういうわけじゃないけど」 「・・・・・と、いろいろ言ってみましたがどうでもよくなってきました」 「そうですか」 「ていうかさ、お風呂ふたつある方にすればいいんだよね」 「そうだね」 「じゃ、そっちで決定」 「はい」 「予約しておいて」 「え? ワタシがするんですか」 「あたしがするの?」 「いや、ワタシです」
立場弱いなワタシ。
でも結局「仕事が忙しいんでしょうから」と、ナナが予約してくれまして。 今朝「取れたよ」と報告が。
「次はたぶん来年になっちゃうから、大切に過ごしましょうね」 と言ってくれました。
というわけで、お風呂は今回も別々です。 せっかくナナが「一緒に」とふってくれたのに。
ふがいないワタシ。
みさなま、間違えました、みなさまこんばんは。 別にもう知りたくもないとは思いますが、「温泉宿の夜・詳細編」をお送りいたします。
宿は確かにひなびておりました。 さすがは「日本秘湯の会」会員。
3000円ケチって旧館に泊まったら、各部屋に洗面所がないんですわ。すごいですね。 「合宿所」って雰囲気の共同のボロいステンレスの流しで歯を磨いたり顔を洗ったりするんです。 なんかそういうのも、懐かしい感じで楽しかったです。 洗練されて何でもそろった不自由ない宿をご希望の方には「ひえ〜」という感じかもしれませんが、ワタシたちのように「ひなびててほしい」というコアなユーザーには、なんか不自由があるたびに「おお!」という感じに楽しめておもしろかったですよ。
「本、持ってきてくれた?」とナナ。 「自分の分だけ」 「あたしのも持ってきてって頼んどいたじゃん!」 「だって、何持ってきたってきっと『んー、ちょっと違うんだよなあ』とか言うと思ったから、持ってこなかった」 「何それー。もう気がきかないなあ」 何様だおまえ。 「ワタシ結局仕事持って来ちゃってそれやってるから、ワタシので良ければ読んでていいけど」 「うん。貸して」 ということで、本を渡したんですが。
ナナのことばは 「宮部みゆき? こないだ借りた『堪忍箱』、つまんなかったー」 「なに?!」 「なんか、終わりがあるようなないような、もやもやが残るような話ばっかでさー」 「そういうのを楽しむ本なんだよ、あれは。ある程度、読者に委ねて終わるわけだ」 「やだよー、そんなの。 ハッキリしてほしい。 これもそういうヤツ?」 「まだ読み終わってないからわかんない」 「えー?」 「読まなくていいよ。返して」 「やだ」
最初からおとなしく読みやがれこのやろう。
ワタシは仕事と言っても単純作業だったため、すぐ飽きてしまひました。
「飽きた」 「やっちゃいなよ。本は返さないよ(笑)」 「んー、わかった」
またちょっとやっては窓の外見に行ったり、ナナ眺めたり。でもまた飽きる。
「飽きた」 「なんだ、あと半分くらいじゃん。やっちゃいなよ。あとちょっとじゃん」 「んー、わかった」がんばるじょりぃ。 「やったー。終わった」 「・・・・」 「終わったんですけど」 「よかったね」とだけ言って、本読み続行のナナ。
本返せ。
「退屈だ」 「・・・・この本、おもしろいね」 「それはよかった」 じゃあ今日はワタシは本読めないということですねそうですか。 「じゃ、お風呂行く?」とナナ。 「それなら分担を決めなければ」 「分担?」 「どっちがどのお風呂に、どのくらいの時間入っているか決めないと。鍵の都合もあるし」 まるで仕事です。ビジネスライクに温泉につかるじょりぃ。 「なるほど(笑)。じゃあさ、まずはふたりで両方のぞいてきて、様子を見て決めない?」 「うん」
風呂をのぞく二人ですよみなさん。出歯亀です。
ということで、支度して二人でお風呂へ向かう。 風呂の話なんてどうでもいいですよね。なにしろ別々ですからね。 どうしてもというなら言いますが、湯船付近に巨大グモが出て怖かったです。おわり。
で、お風呂済ませて、部屋でおしゃべりして、なんとなく手持ちぶさたになる二人。
「露天に行く途中に、休憩所みたいのがあったのわかる?自販機とかあって、ちょっと座れるとことかもあったんだけど」とナナ。 「休憩所?いろりのあったところ?」 「ううん。外」 「はて?」 「そこがね、なんか感じよかったんだけど。行ってみない?」 「うん。行こう」 ということで、ふたりで宿の丹前着てその休憩所へ。なんだか嬉しいじょりぃ。
「寒い!もうすぐ7月なのにー」 「寒いね」 「でものどが渇いた」 「何飲む?」 「あたし、お金持ってこなかった」 「持ってきたよ」
ワタシは飲みたいものがなかったのでというかもうすぐビールの時間なので飲まないことに。 「じょりぃ、飲まないの?」 「うん」 「あたしの、ちょっと飲む?」 「いい。いらない」
ナナ、ちょっと飲んだ後「飲む?」ともう一度聞いてくれる。が、恥ずかしいのでやはり辞退。 間接キスになってしまうじゃないですか。なんて子供みたいなこと思いませんよもちろんうわああああ。 世の中恥ずかしいことだらけ。
いわゆる「くれっこ」をワタシがいつも辞退するので、ワタシのことを「人の口つけたものは口にしない」という神経質なヤツだと思っているらしいナナ。 神経質だから断るわけじゃなくて、ひたすら恥ずかしいだけなんですけどね。それも恥ずかしくて言えないのです。
けっこう雨降ってるねーなんて話しながら、ナナは一服。 ふたりで並んで座ってぼーっとしまして。雨眺めながら。 もちろん離れて座っております。じょりぃはアタマがおかしいですから。 そのうちナナの「寒い」病が出たので部屋に戻ることに。 ほどなくして仲居さんが来て「ちょっと早いんですが、お食事持って来ちゃっていいですか?」と。 そう、ここは部屋食だったんですよ。ふたりっきりでまたーりでございます。
お料理は全体的に薄味で二人好み。 食事が来たときに「ごはんがほしくなったらいつでもフロントに電話して下さい。炊き立てをもってきますから」と仲居さん。 「あたし、今すぐごはんがほしい(笑)」 いい勢いですね。 「じゃ、頼む?」「じょりぃは?」「ワタシは飲むから」「あ、そっか。ビール出そう」
ナナはほとんど飲まない人なので「どうする?」と聞くと「せっかくだから、1杯だけいただこうかな」ということで、おつぎするじょりぃ。とくとくとくとくとくとく。 乾杯とかありがちなことはお気に召さないかもーととまどっていると「んーと、乾杯しよっか」と言ってくれたので「かんぱーい」。 なんかいたたまれないほど恥ずかしかったのですが。乾杯って。
結局ナナは5分もしないうちにご飯を頼みまして。腹減ってたんですね相当。 「ホントに炊き立てだー。特別いいお米ってわけではなさそうだけど(<一言多い)おいしいよ。じょりぃも食べる?」 「んー、どうしよっかな。飲んでるとお腹きつくなっちゃうしな」 「だったら先に食べれば? せっかく炊き立てだしさー、飲むのは後からいっくらでも飲めるじゃん」 「ん、わかった」 「よそりましょうか?」 「いいです。自分でやります」もごもご。
「ね?おいしいでしょ?」 「うん。おいしい」 「これとごはん、一緒に食べるとおいしいよ」 「うん。 もぐもぐもぐホントだ」 「こっちもおいしかったよ」 「ん。 むぐむぐむぐホントだね」 しきるナナ。 リモコン人形と化すじょりぃ。もぐもぐ。
ナナはお酒に弱いので、すぐに顔が赤くなっちゃうんです。 なんというか、こういう「コントロール不可」状態の彼女を見ると、申し訳ないような気持ちになってしまうじょりぃであります。 「かわいい!」とか思う前に、なんか「すまんすまん。そんなとこ見ちゃって」と思ってしまうわけです。 なのでいつも無理にはお酒勧めないんです。「酔う前に気持ち悪くなる」とか言うし。
食べ終わって、お風呂に入る前にちょっとアルコールを抜きましょうということで一休み。 「テレビつけていい?」とナナ。 「うん」 「テレビ、嫌いなんでしょ?」 「音が大きくなければいいよ」 ふたりでどうでもいいこと話しながらテレビを見る。
ここで、「好きな人と実際に結ばれる人って、違うよね」という話が出たわけです。 (by「温泉宿の夜」)
で、またお風呂入りに行きまして。 今度はワタシが露天で、まさに「つかるだけ」なので鍵はやっぱりワタシ。 ライトアップされた緑と渓流を眺めながらお湯に入り、しかしとっとと出てくる。酒入ってるし。 部屋でナナを待つ。
遅い。
そろそろ1時間。お風呂でダウンか?お酒飲ませちゃったし。なんて考え始めるじょりぃ。 そわそわしながら、様子見に行った方がいいかなとか思い始めたところでノックの音。
「なんで鍵かけないかなー。キケンじゃん」とナナの声。 ふすまを開けて、にこっと顔だけ出したナナ。
今度は洗い髪。濡れてる。色っぽい!かわいい! テンション急上昇のじょりぃでございます。
でも平静を装って「遅いなー。倒れたのかと思った。様子見に行こうかなと思ってたところさ」とクールに決めるじょりぃ。 もちろんホントは全然決まってませんが。 「よく言われるんだー。あたし、ホントにお風呂長いんだよ」 白いTシャツに部屋着用のパンツで帰ってきたナナだったのですが、お風呂道具を片づけた後、お風呂の話をしながらなんとTシャツを脱ぎ始め!
わお。
と思ったワタシは目をそらしたんですが、頃合いを見計らってナナの方をちらりと見てみたら、なんてことない、下に白いタンクトップ着てました。 期待しちゃったぢゃありませんか。もう。
でも奥さん!タンクトップとはいえ、ワタシ的には初めての露出度ですよ! 肩がストラップになってるキャミソールタイプのものだったので、胸から上は総露出。 おまけに洗い髪。 髪を片方にまとめて、首出して「にこっ」とするなー! 首ーー!肩ーーー!<ヘンターーーイ! わかってやってるんじゃないだろーなーって単に彼女は暑いだけなんですが。 暑いならブラも取ってきちゃえばよかったのに、しっかりつけてました。 気がきかないなあとはこういうことを言うのだよナナ。 そのカッコの間はナナ、あんまりこっちを見なかったので、おかげさまでワタシはちらちらながら、ゆっくり見ることができたのですが。
・・・着やせするんだ。 意外。
やっぱ、中学の時と違うのです。あたりまえなんですが。 なんか、今のが肉付きいいんですが、それがまたちょっぴりエロいんですね。 中学の時は骨っぽかったのに(上半身は)。肩なんかガリガリに角張ってたし。 でも目の前のナナの肩はやわらかいラインになってて、なんか知らない人みたいな。 背中も見えまして。じょりぃより薄くて広い背中でございます。 ちょっと男の人に感じるのに似たドキドキも感じたりして。 ああ、幸せ。 もうこれで満足。今日はもうこれでオッケー。ごちそうさまでした。なむー。 ていうか、逆に距離を感じてしまいまして。パパのもんだあれはー、なんて。そんなのあたりまえなんですけどね。
しばらくその格好でいたナナだったのですが、20分くらいしてTシャツ着ちゃいました。ちっ。 一気に細く見える。不思議ー。ひとまわり小さくなっちゃった。 ワタシならTシャツの下にタンクトップ着たら、逆に太って見えますけどね。
で、テレビ見たりおしゃべりしたりしてたんですが、ワタシ的にはなんかこう、もじもじしてばっかの自分がちょっとイヤになってきてしまいまして。
何もおそれ多い行動をとろうとは思ってないんですが。逆にいつもけっこうな距離を置いて位置してしまう自分。 それは心のやましさを隠すためにかえってそうなってしまうわけですが(たぶんそうだと思います)、せっかく一緒に泊まってるんだし、もうちょっと親しげに振る舞ったっていいんじゃないのか?なんても思ったりしたわけです。 ちょっと隣に座ってみるとか(不自然か)。肩もんでみてやるとか(ちょっとできないな。だいいちナナは肩こり知らずだ)。 なんて考えてたら「酒が足りないのが悪い」とか思い始めまして。酒に頼る自分。ちょっと軽蔑。
ここで「酔っぱらいたいの? なんで?」の会話が交わされたわけです。 (by「温泉宿の夜」)
「いや。別に酔っぱらいたいわけじゃ・・」 「じゃビールでいいじゃん」 「うう」 「飲めば?」 「(あうあう)・・残ってたの、500mlだったでしょ? あんなにひとりで飲めないよ。もうおなかキツイし」 「ふうん」 「ちょっと見てくる」 「じゃあ、あたしも行くよ。新聞見たいし」 「新聞?」 「うん。テレビ欄見たいんだけど、部屋に新聞ないんだよね。秘湯だから(笑)。下に置いてあるの見たんだ」
二人で下へ。 並んで歩くとき、最近ではいつもワタシが右で、ナナが左。以前はまちまちだったんですが。 こんなことがけっこう嬉しいのです。
お酒はビールしか売ってませんでした。 結局ふたりで新聞見て。 そこ「いろりの間」って言って、いろりを囲んで畳の間になっている共同の場なんですが、そこでふたりで一緒にうつぶせになって「自分ち」状態でくつろぎまくりまして。 電気ももう落ちてて間接照明しかついてなくていい雰囲気。 テレビ欄見ながら二人でならんで寝ころんでくだらない話して笑って。幸せ。 露天から上がってきた男の人が二人を見て怪訝そうな顔してました。 あんなところで寝転がって大笑いしてれば無理もないんですが。
部屋に戻ってナナが冷蔵庫開けて「日本酒ならあるじゃん」。 「日本酒は、ワタシ、残っちゃうんだよ。・・・仕方ない、ビール飲むか。一緒に飲む?」 「うん。じゃ、1杯だけ」 意外。絶対断るかと思ったのに。 で、一緒に飲んで。ナナがまた赤くなって。 ナナが赤くなると、ワタシが恥ずかしい。損だ、ワタシ。
このあと、「寝ちゃうの?」「寝ないよ」のアヤシイのかコドモなのかわからない会話があったわけです。 (by「温泉宿の夜」)
そのあと、ナナ、ワタシに背中向けて寝の体勢に。
ちょっとして
「寒い」とナナ。
「寒いの?」と聞いても返事がなく。
「暖房つける?」と聞いたけど、これも返事なし。 まだ眠ってなさそうなのにな。
ワタシは眠れず。
本を読む。 眠れず。
あきらめて電気を消す。ナナが起きちゃったら気の毒ですしね。 でも真っ暗になったら、余計眠れず。あーあ。
で、朝です。ちゅんちゅんちちちち。 「じょりぃは眠れた?」 「眠れなかった」 「やっぱりそうなったか。だから枕と専用タオルを持ってくればよかったのに(笑)」 なんて話をしながら10時ぎりぎりまで部屋にいて、チェックアウト。
女将が「日本秘湯の会」のスタンプシートをくれまして。 1泊で1個押してくれて、3年以内に10個たまるとスタンプ押してくれた宿の中から無料で1泊できるらしいんです。
「あたしは無理だな」とナナ。 「そうかな。また行こうよ。行けるよ」 「・・・うん。そうだね。子供たちも一緒なら行けるかも」 「うん。そうしよう。3年で10個貯めようよ」 「うん」 嬉しい。
しかしちょっと前に「スタンプ貯めるんでしょ。行こうよまたあそこ」と誘いましたら 「え?スタンプ?貯める気だったの?」 「うん。そう言ったじゃん」 「あたしは無理無理。じょりぃ、誰かと行っておいでよ」(あっさり)
ナナのバカ。
あ、でもですね。
温泉行きが決定になりました。 7月のアタマに。 パパや子供たちや体調に余程のコトがない限り、行けそうでございます。
次回はハーレクインロマンスばりのご報告をしたいところでありますが、たぶんおそらくぜったい死んでもそんなことにはならないので、またヘタレぶりをご報告することになりそうです。
前回の「温泉宿の夜」について、「それで、一緒に風呂に入ったのか?」という質問をいただきましたので、お答えいたします。
一緒に入って、洗いっこしました。素手に石鹸で。体と体で。
なんてはずはなくですね。
さて、質問にお答えするのと同時進行で「温泉宿への道程」を語ることができそうなので、そんなもん別に知りたくもないというアナタもぜひどうぞ。
ここで注釈。
ワタシの誰にも打ち明けられないナナへの気持ちをですね、実はまりあがここ1年半ほど引き受けてくれてたんですよ。 ワタシが「ナナとのことを書いていた日記」というのは、まりあ宛に「こんなことあったの」「落ち込んでるの」なんてことを、まとまりのない文章をだらだらと書き送っていたものの控えなんです。 なので、細かいトコまでいちいち覚えていたりするわけなのでございますね。
それにしても、まりあとも真剣につきあっていたワタシだったのですが、こんな後になってから「実はずっと、別格で好きな人がいた」と聞かされ「誰かに話を聞いてほしいから、お願い聞いて」と頼まれたまりあってば、すごい迷惑でございます。 でもこの人はとてもやさしい人でしてね。 「ちょっとショックだけど、ラクになるなら、あたしでよければどうぞ」ということでですね。 もちろん、きょんにもなっちゃんにもナイショにしてくれております。 ワタシの極悪非道ぶりに比べて、まさに聖母まりあ様でございます。 単にワタシのことなんてかまってるヒマがないだけという気もしますが。
注釈終わり。
では、ここから、まりあ宛に送ったものを、名前変えたり語尾を変えたりと世間様向けにしてご紹介させていただきます。
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温泉に行こうよ、と誘い続けるワタシに、ある日
「でも、温泉行って、何すんの?」 と、ナナ。
ぎく。
何すんの? 言われましても。 下心が見えたのでしょうか。 正直に言ってしまっていいんでしょうか。 て、べ、べつに下心なんて。 ワタシには上ずった心しかございませんから。
「え?・・お風呂に入るんじゃ・・」 「お風呂にひたすら入って楽しむわけか」
温泉ですから。
これが一昨年の12月アタマの会話。
それからしばーらくしまして。
「温泉いつ行けるんだろうね」なんて話がまた出てきて。
「子供も連れていけば、いつでもいいんだけど」とナナ。 「ワタシは全然かまわないよ」 「ホントに?」 「うん。でも、ママが休めないよね、それじゃ」 「じゃあさ、二部屋取って、じょりぃと子供で一部屋、あたしで一部屋っていうのはどう?(笑)」 「すごいな、それ。 でもいいよ、それでも。キミが休めるのなら。末子ちゃんのオムツがネックだけど」 「次女ができるし」 「いいよ。なら」 「じゃ、春休み中にでも行こう!それならすぐ行けるよ」
具体的になってまいりました。 去年の3月の終わりです。 結局春休み中は行けませんでした。
5月の終わりごろ、電話で、 「パパが来月社員旅行でタイ・マレーシアに4日間くらい行ってしまうので、あたしこっそり温泉にでも行っちゃおうかなーと思って」とナナ。 「こっそりって、子供たちは?」 そして、ワタシは? 「さて、どうしよう」 「口止めするわけ?」 「んー。したら、後でさんざん脅迫されるだろうね(笑)」 「じゃ無理じゃん」 「おねえちゃんに一日くらいなら頼めるかなあなんて思ってるんだけど」 「なるほど。なら行っておいでよ。のんびりしてくればいいじゃん」
煮詰まってたしな。のんびりしてこい。
6月にパパが社員旅行に行ってしまう話は今までも何度か出ていたんですが、ワタシは「じょりぃ、泊まりに来る?」とか言ってもらえるかなあとひそかに楽しみにしていたのですが(勝手に)。 パパも「じょりぃちゃんに来てもらえば安心なんだけど」なんて言ってくれてたし。 なーんだ、あてがはずれちゃったなとがっかり。
「どこの温泉がいいかなー。ひなびた、景色のいいとこがいいんだけど」とナナ。 「うーん・・・近場がいいんでしょ?」 「うん」 「どこかなあ」 「でも、一人じゃ夜とかつまんなくなったりするんだろうか。寂しくなっちゃったり」 「あるかもね。普段にぎやかなだけに」 「そっかー」 「一緒に行ってやろーか?」 <ちゃっかりじょりぃ 「行けるの?」 「1泊くらいなんとかなるよ」 「それもいいなー。でもあたし、冷たいかもよ。本来一人になりたい旅だから、話をしないでひとりでぼーっとしてるかも」 「私もそうしたいからその辺はかまわないけど」 「ホント?じゃ、一緒に行こ」
やったーーーーーーーーー!
そのあと、場所をどこにしようかといろいろおしゃべりしまして。
「あたしはとにかく、山があって川があってひなびたとこがいいんだけどなー。ホテルホテルしてないとこ。で、近場。子供たちに何かあっても、すぐに戻って来られる距離で」とナナ。 「うん。いいね」 「じょりぃはさー、宿決めるときの基準て何? 食事?立地?泉質?」 「うーん。料理はさー、おいしいに越したことはないけど、けっこうやっぱ、どこも旅館料理じゃん結局」 「うんうん。よっぽど『懐石の宿』とかで何万も取るようなとこはまた別なんだろうけどね」 「うん。だから今のラインナップなら、料理は最後。ワタシはやっぱ、立地かな。静かで、がちゃがちゃと観光地ずれしてないところがいいな」 「やっぱ立地かー。あたしはひなびててほしい(笑)。サッシもアルミとかじゃなくて木でさー。ふう、なんて寄っかかると、木が腐ってて折れちゃって、そのまま渓谷に落っこっていっちゃいそうな」 「ないよ!そんなとこ(笑)」 「ないかなーそーゆーとこ」 「今ネットで○○山麓を調べたら、けっこうひなびてそうな宿が何軒かあるよ」 「どんな風にひなびてるの?」 「んー、『創業元禄○年』だってさ。古そうだ」 「建物も古いの?元禄からそのままならいいんだけど」 「それは無理だろー。それこそ木が腐って川に落ちるよ。床が抜けそうだし。でもたたずまいはひなびてるよ、ちゃんと」 「どんなふうに?」 「んー。落ち武者の霊が出そうな感じ」 「やだよー、それー(笑)。だいたい、落ち武者が旅館に泊まるかい」 「それもそうだ」 「○○山麓なら下見に行けるんじゃないの?」 「・・・って、誰に言ってんの?」
というわけで、ほぼ決定。 でも問題は「あたし、でも行けないかも(笑)」の気まぐれナナ様の気分次第というところ。 まあ、ワタシも仕事がどうなるかわからないので「なるべく行こう」という線に落ち着いたんですが。
で、来週はいよいよ温泉でございます。 お互い「一人の時間を大切にして、無口な旅にしよう」がテーマ。 んなこと言っても結局ナナはしゃべると思ってましたらやっぱりしゃべってましたが。 でもいつもよりはずっと口数少なかったですけどね。
宿の予約はワタシがしたんですが、 「どうせならふた部屋とっちゃう? かなりのんびりできるよ」と余計な提案をしてみるじょりぃ。 のんびりしたいらしいから、それを最優先にしてあげたかったのです。 でも結局 「じょりぃがそうしたいならそれでもいいけど。でもお金もかかっちゃうし、一緒でいいんじゃない?」と言ってくれたので、一緒のお部屋でした。
いろいろ決めているときにナナが
「ベッドの部屋もあるよ。ベッドとふとん、どっちで寝たい?」と。
いやらしい意味はまったくないのだけど妙にドッキリでございます。 「一緒に寝られるのなら、どっちでもいいよ」とはもちろん答えず「ふとん」と。あっさり。
さて、そしてやっとお風呂の話。
以前から「友達と一緒にお風呂入るの恥ずかしい」という話はナナにしてあったのですが。
念押しと思って「お風呂は別々でいいんでしょ?」と訊くじょりぃ。
「いいよ。っていうか何? 一緒に入りたいの?」
え。
入るのは恥ずかしいからイヤだけど、のぞきたい。 とも言えませんからね。 誰が聞いても立派な変態ぶりの答ですこれじゃ。
「入りたくないです。別々がいい」と言ったら「あたしも」と言われてしまいました。がーん。 パパとはいつも一緒に入ってるみたいなんですよね。 ワタシ、パパとナナが一緒にお風呂入ったという話が大キライなんですが。 なぜかしら。 って、考えないようにしてるけど、嫉妬ですよねたぶん。 いいよなー、パパ。と言いつつ、私が一緒に入れないだけなんですが。
ちなみに、最近ナナから「スーパー銭湯みたいなとこでもいいから行きたーい。じょりぃ、一緒に行く?」なんて話が出たときに 「いいけど。一緒にお風呂入れないよ」と答えましたら 「そっか。 そういえば、あたしもじょりぃと入るのはもうイヤだな。 あたしも恥ずかしくなってきた」 と話しておりました。 恥ずかしさというのは伝染するものなんですね。 流行り病のようですね。
そんなわけでですね、お風呂は時間差攻撃で上手に済ませました。 ナナは「あー、めんどくせー」「時間のムダっぽい」と言ってましたが。 スミマセンねえ。
そして、夜着の相談。 ナナの浴衣姿をかなりなウハウハで期待していたのですが(コスプレ大好きじょりぃ)、 「部屋着を持っていきます」とのことでガクッ。 このときはめずらしく「ワタシはパジャマ持って行くが、キミは浴衣を着るべきなのではないか」と、自分がしたいことと相手にさせたいことの矛盾を感じつつも強行に主張するじょりぃであったのですが
「だって、浴衣ってはだけちゃうし、朝起きたらきっと裸になっちゃう」 と。
なら、浴衣だろ。 とまでは言えませんでした。真人間として。
なんだかんだで最初に誘ってから8ヶ月くらいかかって温泉宿までたどり着いたじょりぃでありました。
次回、気力と体力とその気がワタシにありましたら、「温泉宿の夜・詳細」をしたためたく思っております。 え?もういいですか。そうですか。考えときます。ぐうぐう。
内容に比べて、タイトルが意味深過ぎます。 期待してはいけませんよ。 ワタシとナナの話ですからね。淡泊な内容に決まってます。
ナナとワタシが、初めて1泊温泉小旅行をしたときの夜の様子を本日は。
手帳見てみたら、去年の今頃なんですねえ、温泉旅行。 去年はあちこちふたりで行ったなあ(遠い目)。
日記(もどき)にあった中から、怪しげなモノをチョイスしてみました。
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ふたりでどうでもいいこと話しながらテレビを見る。 そのうち、何の話が元だったのか、そもそも元になる話があったのかわからないんですが、 ナナが聞いてきました。
「ねえ。片思いとかで好きになる人とさー、実際つきあったり結ばれたりする人って、違うよね」
「うん?・・まあ、そんなもんかもね」 どしたのいきなりこの人は。
「そんなことない?じょりぃは」
「そんなことあるよ」
「どういう風に?」
「すごく好きなんだけど、『でもたぶん、この人とはつきあってもうまくいかないだろう』って」
キミのことですよ。
「一緒にいるとこんなに楽しいのに、でもうまくいかないだろうって思うんでしょ?」
「うん」
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この話はこれでおしまい。 何が言いたかったのかはよくわかりません。 そもそも「恋愛の話ってつまんない」ナナです。 ワタシの頭の中なんてそれしかありませんから、 そうか、 だからワタシ、ナナと話すことがないのか。
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「下にウイスキーとか売ってなかったかな。ちょっと探してくる」と丹前を羽織るじょりぃ。
なんだかそわそわと、やっぱり落ち着かないじゃありませんか。 別になんかしようとしてるわけじゃないですけどホントに。
「何? 冷蔵庫にビールもう1本あるけど?」
「ビールだとお腹ばっかりふくれちゃって、酔っぱらわないから」
「・・・酔っぱらいたいの? なんで?」
「え」
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なんで?って訊かないでください。 悶々としちゃうから酒でごまかせとか答えていいんでしょうか。
ナナは自分がほとんど飲まないせいか、 酔っぱらいがキライなので、それで訊いたのだと思いますが。
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そのうち会話が途切れたので、気まずくなったワタシは「本読む」と言って布団の上へ。
「もう寝ちゃうの?」とナナ。
「ううん。でもちょっと眠いね」
「あたしはまだ。・・・ねえ寝ちゃうの?」
「寝ないよ」
そのうちナナも布団の方へ。
「寝るの?」と今度はワタシ。
「ううん。テレビ見るの」 とナナ。
本読んでてもいまいち集中できず。 うつぶせになって枕に顔を埋めつつ、テレビを見る。
「寝ちゃうの?」とまたナナ。
「寝ないよ」とワタシ。
おまえら、修学旅行の中学生か!と誰かつっこんでくださって結構ですよ。
体勢を変えて、ナナがテレビ見てる横顔をじーっと見る。 うっとり見る。 しつこく見る。
ナナがこっち見ちゃった。 バッチリ目が合いまして。
じょりぃ、大変あわてたんですが 咄嗟に視線を外すのもどうなのかなと思ってそのままにしていたら
「なに?」 とナナ。 ビミョーに微笑みながら。
そのときって、なんだか空気が変わったんです。 まあ、いわゆる、ひとつの、ほら、あんな空気ですよ。 はい、ひとりよがりですけど。 ナナの笑顔も初めてみるような感じの表情で。 艶っぽくて。
でももちろん、そんなはずあるわけないので、 とはいえ
「なにが?」
と今思えば最悪の返事をするじょりぃ。
「・・・・・わかんない」とナナ。
二人で照れ笑いして。不自然に視線外して。 それっきり。
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ワタシの勝手な思い込みの思い出なのはわかっているんですけどね。 それでも日頃が日頃ですから なんとなく甘い思い出であります。
ワタシ、キスしちゃってよかったんでしょうかね。このとき。
え?
良くないですか。そうですか。しゅん。
よかった。思いとどまっておいて。
ワタシ、本当に外ヅラがいいのです。
実はワタシ昨日は、ここしばらくなかった落ち込みぶり。 日頃テキトウで楽観的で「なんとかなるさ」なワタシが、悲観的に絶望的に、かなり追い込まれておりました。 食欲もなく、出るのはため息ばかり。 ため息をひとつつくと、ひとつシアワセが逃げるとTBSラジオの人生相談でも言っておりましたので、ため息つくたびに「あ!またシアワセが・・・」とさらに落ち込むじょりぃ。
しかしまあ、昨日の日記でも書き込みなどでも「じょりぃ、どうもかなり落ち込んでいるらしい」とは思われなかったと思うんですが。 そう思ってるだけで、実はみなさん、こっそりと祈祷師を頼むほどにじょりぃの様子を心配なさっていた、とかだとえらいカッコ悪い話ですが。
まあ、これが外ヅラの話ですね。
では内ヅラはと言いますと。
まず、なっちゃんが仕事に来たときに、言っておきました。
「今日、落ち込んでるから、暗いけど気にしないでね」と。 伝えておかないと「怒ってるのかな?あたしなんかやっちゃったかな?」と不安にさせてしまいますからね。
「うん。わかった。気にしないでゆっくり落ち込みなよ」
なっちゃんも心得ております。友とはありがたいものです。
きょんが仕事から帰ってきても
「今日、ダメ。もう、や」とワタシ。 「どしたのー。だいじょうぶー?」 「だいじょうぶじゃないかもしれないけど、ほっといてね」 「えー。どうしたらいいんだろう? 何かできることある?」きょん、おろおろ。 「そう言われると余計プレッシャーだから、ほっといてくれればいいから」 「そう・・・・何かあったの?」 「あったけど。 あとで話すよ」
しばらくしてきょんが気を遣って「何があったの? 話せる?」とふたたび。 「・・・・・・」 「誰かに何か言われたの?」 「・・・・・・」 「ミスしちゃったの?」 「話したくないんだよ。今は。めんどうなの。思い出すのもイヤなの」 「・・・・・そう」
勝手です。 スミマセンねえ、内ヅラチームのみなさま。
話して発散できる方もいらっしゃるかと思いますが、ワタシはひたすらこもってしまいます。 なぜなら話すのがおっくうだからです。それだけ。 話したって、ワタシの気持ちなんて相手にわかりゃあしませんから。け。てな具合です。 特に、文章と違って、会話って伝えづらい。 じっくりと考えながら話を進める、という作業が、会話というカタチではワタシにはとても難しいんですね。
でも、実は昨日、話したい相手がおりました。
そう、ナナです。
ナナにやさしくしてもらえば、「じょりぃならだいじょうぶ」と言ってもらえれば、かなり復活できるような気がしておりました。 日頃冷たい相手に、ちょっと甘えてみたかったんでしょうね。
電話してみようかな、落ち込んでるときにまさか冷たくしないよな、なんて悩んでいたんですが、これってかなり危険な橋です。 ナナの気分・状況次第では、冷たくされてしまって、落ち込みは回復不能な状態にまでなってしまいます。 そうなれば3日間くらいは寝込むことになります。 ただでさえ仕事が終わらないのに。マズイです。
しかも、ワタシもナナに電話をしたところで「これこれこういういろんなことが重なって、今最悪の精神状態」という話をするつもりはないんです。 話したって、ワタシの気持ちなんて相手にわかりゃあしませんから。け。てな具合です。<コピペ だとしたら、ナナに対して失礼ですし、ナナは心配して気になって眠れなくなってしまうかもしれません。 対応は冷たくても、心配はきっちりしてしまうという、ある意味大変損な性格のナナであります。
というわけで、自分一人でなんとか乗り切って。 「イライラ・不安感も解消する頭痛薬」なんてものも飲んでみて。 サイトの更新なんかもうーうー唸りながらもやってみて。(眉間にシワ寄せて、あんなアホなこと書いてたんですよワタシ)
朝になったら意外にスッキリ。 鬱状態からちょっと抜けたらしく。
で、本日。 夕方になって、思いがけずナナから携帯へメールが届きました。
元気ですか。私は元気です。
またもやタイムリーです。見られているのかもしれません。きょろきょろ。
いつもなら「元気ですよ」と元気がなくても送るのですが、先日来のナナの言動(あたしには大事なこと何にも話してくれない、というヤツです)がちょっと気になったので、素直なメールを送ることに。
実は仕事に追いつめられていて、昨日はかなり深い鬱でした。今日はだいぶ復活してます。 声聞きたくて、昨日何度か電話しようかと悩んだんだけど「もし今冷たくされたら立ち直れないかも」と思い(失礼か)やめておきました。 そちらが元気ならよかったです。 どうしているか気になっていたので。
じゃあ今日うち来れば? くるならビデオでも借りてくるけど。 と言っても忙しいでしょうから無理しなくてもいいけど。 もう今日は元気になったんだっけ。
あ。気を遣ってる。やさしいですね。
すごく行きたいけど、仕事しなきゃ…。 お気遣いどうもありがとう。
そうか。じゃあ頑張っちゃえ。 電話もしない方が良さそうだね。 では無理しないように。
ありがとう。がんばるよ。
なんか元気なさそうだね。本当に大丈夫なの? 電話した方がよければかけるけど。 12時過ぎに電話いれようか? それまでひと頑張りすればだいぶはかどるかな?
ありがと。 でも話をするのもおっくうなので、電話はいいよ。 気をつかってくれてるのにスミマセン。 心配しなくて大丈夫ですから。 そっちはホントに元気なのかな。
わかった。こちらも全く元気なのでどうぞお気遣いなく。
いわゆる「やさしげな言葉」はかけてくれませんが、やっぱりやさしいみたいですねこの人。 それに比べて、じょりぃの偏屈なことよ。 でも「話したくないから電話しないで」と伝えられたのは、ワタシにとってはかなり心を開いた行いでございました。 そのへん、伝わってくれていればいいんだけど。
しかし考えてみれば「声聞きたかったんだーぐすん。でもアンタ冷たいからさー」みたいなメール送っておいて、相手が気をつかって「うちに来る?電話しようか?」と言ってくれているのに「話、したくない」と答えているワタシってどうなんでしょう。
「ワタシは落ち込んでいます」と伝えることができ「でもほっといてよ」と言えることが、ワタシにとっての最大級の甘えの表現なのかもしれませんです。
今日はその甘えにつきあってくれてありがとうナナ。 そしてゴメンゴメン。
ホントはギュッと抱きしめて胸に顔を埋めさせてくれたりすると一気に元気になりそうなんですけどなんて口が裂けても言えません。 言えないけどいつか実行し(以下強制終了 ぴーーーーーーーーーーー
みなさまこんばんは。 昨日は更新をサボりましたじょりぃでございます。 仕事でミスをしまして落ち込みまくっておりましたじょりぃでございます。 一晩寝たらすっかり忘れて明るい気分になったというのに、また別のミスが本日発覚し、今日も元気のないじょりぃでございます。
しっかりしろ、と。
で、昨日の話です。
午前11時頃、ナナから電話が来まして。 「あたし、仕事決まったんだっ」という内容です。 仕事と言っても、まだ末子ちゃんが小さいので内職でガマンしたそうなんですが。 ホントは外回りとか接客営業なんかがしたいらしいんですが「そういう内職ないですかって訊きそうになったよ」って、そういうのは内職とは言いませんからね。
でまあ、ふんふんと話を聞いていまして。
途中で「そんなわけなので、じょりぃとも今までのようには遊べなくなっちゃうなー。はは」なんてほざきやがりました。 「えっ」 「だって、一日のノルマとかあるんだもん」 「そ、そう」 「けっこう時間をとられるらしいのだよー」 「ふうん。 なんだー」 け 「なによ」 「べつに」 「だからさ、じょりぃが時間が出来たときとか、うちの近く通ったときとかにいつでも寄ってよ。お気軽にさ」 「んー」 「家にいることは多くなるんだからさ。ね?」 「んー。 でも、てことはさ、温泉も無理になったの?」 「それは大丈夫。事前に言っておけばスケジュール組んでくれるらしいから」 「そう」 ほっ。 「でも、パパに言いづらい。やっぱりあたしだけ遊びに行くって言えないよー」 「えー」 「じょりぃから、パパに頼んでよ」 「できません」 できませんよそんなの。 「じょりぃが頼めば、パパ、絶対いいよって言ってくれるのにー。じょりぃちゃんはいい子だって、パパのすごいお気に入りなんだからー」 それはありがたいですけども。 「なおさら言えません」 「じゃ、行けないよ」 「なにそれーーー」
なんだかぐずぐず言い始めましたよ。 なんかこうなるんじゃないかと思ってたんですよ。
「じゃ、温泉は無理かもしれないからさ、じょりぃんち、泊まりに行ってもいい?」 「いいけど、ふとんないよ。持参だよ。寝る場所もないよ」 ワタシのベッド以外。 「じゃあいいよ。きょんさんと寝るから」 「わはははははははははは」 わははははは。 「じゃ、じょりぃがうちに泊まりにくればいいんじゃん! いつも誘っても帰っちゃうけどさー、泊まりなよもっとお気楽に。パパも喜ぶから」
別にパパが喜んでくれても。おまえはどうなのだおまえは。
「そうは言っても」 きょんも待ってますし。 「泊まって? ね?」 「うん。ありがとう」 「じゃ、それでいいや」 いいんかいっ。 「じゃ、温泉はあきらめればいいのだね」 「あきらめちゃダメだよ。行こうよ。でも策がないのだよ」 「でももういいよ。 行かなくていい」 もういいです。ぷん。 「そんな、さびしいこと言わないでよー」 「うん」 「努力するよ」 「いいよ無理しなくて」 「いいの?」 「うん。いい」
いぢけましたよじょりぃさん。 すぐにいぢけるんですよこの人わ。
こんな電話の後に、仕事のミスも「はっかく」して、おまけに冗談でなく「はっかけ」になってしまったので、落ち込みましたワタシ。 奥歯が折れちゃったんですよ。参りましたねこりゃ。 実はきょんにこのたびのことがバレて、凄まじい左ストレートを食らいましてねというのはまるでウソなんですけど。
めそめそいじいじと夜遅くに仕事をしていましたら、またもやナナから電話が。
「もしもし。良い知らせだよー」 「なに?」 「あのね。パパが行ってもいいよって。温泉」 「え! マジ?」 「うん。パパに替わるね」
え? な、なんでパパに?
まあ、ここの家はパパの方が4つ年上でナナが末っ子の甘えっ子ということもあって、パパはかなり保護者っぽいんですわ。
「もしもし、じょりぃちゃん?」 「あ、パパ。どうもいつもお世話になりますぺこぺこ」 「じょりぃちゃんも仕事大変だと思うけどさ、うち、子供がいるから、オレが面倒見られる日を選んで行ってもらえれば、うちは全然問題ないからさ」 「あ、どうも、ありがとうございます」 「じょりぃちゃんがナナとつきあって遊んでくれて、オレもすごく感謝してるんだよ」 「いえ、そんな。遊んでもらってるのはワタシの方なので」 良心ちくーん。 「じょりぃちゃんと遊ぶようになるまではさ、ナナもなんかちょっとあると、すげー険しい顔してむっつり黙ったりフキゲンになったりして思い詰めてたんだけどさ。最近そういうことないんだよな、おかげさまで」 「いえ。ワタシのおかげではないと思いますよ」 良心ずきーん。 「わがままだし、子供の相手もあったりで大変だと思うけど、どうか末永く仲良くしてやってね」 「こ、こちらこそですよ」 良心ずずーーーん。 「だから、温泉は大丈夫。楽しんで行ってきてよ」 撃沈。 「どうもありがとうございます。こちらこそ、パパにはお世話になりっぱなしで、感謝のしっぱなしでございます」 「(笑)ナナに替わるね」
「もしもし? そんなわけだからさ。やったねっ」 「うん・・・」 「どしたの?」 「パパ、最高だね」 「そうだよ」 「うん」 うん。
「パパ、やさしいよね」 「やさしいよ」 「うん」 うん。 「なに?」 「なにが?」 「ううん。 ねえ、あたし、鎌倉に行きたい」 「鎌倉? 遠すぎるよワタシたちには」 「遠いかなあ?」
遠い。 すごく遠いのだ。
ワタシは行きたくなくなってきてしまったのだよ、ナナ。
というか、なんだか行けない。なんだかいけないことだ。
ナナがワタシを好きになりませんように。
わははははは。 わはは。 しゅん。
| 2003年06月01日(日) |
甘い一日。なんて思うのは甘いのだ。 |
昨晩急遽決まったデエト、行ってまいりましたのご報告をさせていただきます。
めずらしく時間どおり到着したナナ。 「このまま、あたしの車で行っちゃお」と言われたので、スナオに助手席に乗り込むじょりぃでありますが、 この人の運転、コワイの。雑なの。ランボウなの。 なんて思いながらふとダッシュボードに目をやると 桜の樹の下で/aiko と優柔不断そうなヨタッた文字で書かれたカセットテープが。
げ。 ワタシが録ってやったテープじゃん。
ワタシはもう、それだけで恥ずかしくて恥ずかしくてですね。
自分で自分に「屋さん」をつけるのはたいそう気が引けるのですが、とっても恥ずかしがり屋さんのワタクシは、その場でテープをケースごとまっぷたつに折っちまいたいような衝動にかられてしまいました。 まったく無意味な行動ですけどねそんなことしたところで。しかしココロは右往左往。
で、映画を観ました。 「めぐりあう時間たち」。 こちらの詳しいことは映画感想の方にあとで書くとしてですね。
なにげにレヅテイストというか、根っこに苦み走ったレヅがどっかりと横たわっているのだけれど、それを品のいい甘みで薄く何層にもていねいに味付けをして、セクシュアリティに関係なく「奥の深い味でおいしいねー。なんとなく感じる苦みがわかる人にはわかるっていうかー」という味わいの逸品になっているという感じです(わっかりづらい説明)。
そんな映画なのに、感想を話しているときに、ナナからはレズの「レ」の字も出ません。 キスシーンについての言及もナシ。 おかしい。これはどう考えてもおかしいです。 避けております、この話題を。(ワタシはもちろん避けてますが) やはりどうやら、ワタシがレヅかバイであろう、ということは承知しているみたいですね。 なんだか気を遣わせたようでスマンね、ナナ。
映画が終わって「どうする?この後」ということになりまして。 ナナは本日、8時までフリーとのこと。パパの協力のおかげです。 ありがとう、パパ。
4月に美術館につきあってもらったときに、「美術館て、行ったことない」ということだったので退屈だったかなと心配していたら「すごく楽しかったから、また連れて行って」と言ってくれたことを思い出し、「この近くにも美術館あるんだけど、行ってみる?」と提案してみたら「行きたい!」とナナ。
映画の後は美術館、という、お文化なデエトでございます。
で、美術館へレッツゴーしたのですが、途中、思いがけない嬉しいことが。
「あ、虹」とナナの声。 あ、ホントだ! 虹だ! デカイ! 「虹だ!」 「ね」 ワタシはもう、ナナと一緒に虹を見れたというのが、嬉しくて嬉しくてですね。 それを伝えたいんですが、ヘタなこと言うと「しらっ」とされてしまいますこの人の場合。 でも嬉しい。表現したい。でもしらっとされるのはイヤ。ああ、どうしよう。
「虹!」 しかたなく単語で喜ぶワタシ。 「・・・そうだね」
無言。ドライブドライブ。
「虹!」 「虹だね」
無言。ドライブドライブ。
「虹が!」 「(笑)わかったよ」
気が済みました。
ところでなんで虹って虫偏なんですか。 なんか途中から「うじ」とか「あぶ」とか読みたくなるんですがワタシだけでしょうかね。
美術館がまた戦いの場でですね。 お互い、相手がありがちな感想を言うと軽蔑するというひねくれた精神構造を持っているためにですね、うっかりなことは言えないわけです。 「あー、これ、いいなあ」なんてしみじみ思ったとしても、それをそのまま口にしたら「ぷ」と思い思われてしまいます。油断は禁物です。って、何をそんなに肩肘張っているんでしょうワタシたち。愚かです。
「ねえ、もし自分に才能があるとしたらさ、立体造形と平面絵画、どっちがやってみたい?」とワタシ。 「うーーーーーーーーーーん・・・・・・平面」 「なるほど。 じゃさ、音楽と美術なら?」 「うーーーーーん・・・・音楽かな?」 「ふむ。 じゃ、音楽と文学なら?」 「音楽」 「へえ」
へえ。 意外。 音楽聴かないじゃん、キミ。 聴かないくせに、わかるんだよな。 「サックスの小刻みな音が好き、この曲」とか言うからコワイ。 聴かないくせに、知識ないくせに、楽器の音が判別できちゃうんですよ。憎たらしいくらいでございます。
でも音楽に興味があるのなら、前々から誘いたかったことを提案するチャンスでございます。
「あのさ、クラシックのコンサートとか、興味ない?」 「行ってみたいなとはすごく思うけど」 「行ったことは?」 「ないよ」 「誘ったら、一緒に行く?」 「うん。行きたい」
やった。
「でも、夕方から夜にかけてが多いでしょ? あたし、平日は無理だよ。子供たちいるから」
そうだったーーーーーー。
「土日なら大丈夫?」 「そのときによるな。どうしたって、子供優先ですから」 「じゃ、誘えないじゃん」 「ていうかさ、このあいだ、きょんさんと狂言観に行ったって言ってたじゃん? あれもあたし、誘って欲しかったな」 「ス、スミマセン」 「あたしが一緒だと、きょんさんイヤがっちゃうの?」 「いえ、そんなことは」 あるかもしれませんが。 「じゃあ、あたしがいけるかどうか、勝手に考えないで、ちゃんといちいち確認してください」 「は、はい」
いばられてしまいました。 でも、コンサートもこれで誘えそうです。
そのあと、まだ時間があったので、すぐ近くの大きなお寺へ。 ナナが神社仏閣巡りが好きなものですから。(そういえばきょんも好きです。渋好みな人たちですね) ここは特に、室町鎌倉くらいの時代の建造物がたくさん残っているところで、ナナ好みの場所であります。 思惑はバッチリ当たり、ナナは大変喜んでくれまして。
「ここ、すごくいいねー。お寺までの石畳とか、鄙びたお店たちとかも気に入ったよ。また来ようっと」 「また来ようっと、って、来れるの?自分で」 「来れない(笑)」 「(笑)」
「じゃ、また一緒に来ようよ」と言うのもなんだか無粋な気がしまして、目で伝えてみました。 伝わっていない、という方に賭けるアナタは正解ですおそらく。
9時頃までパパたち帰って来ないから、家に来ない? とナナが誘ってくれたので、わざわざ車2台連なって、40分かけてナナの家へ。 コンビニで買ってきたものをつまみながら、ぼーっとテレビを眺めておしゃべりを。 テレビでは、貴の花の断髪式をやってました。
「くだらないな」とワタシ。スミマセンこういうのキライなんですよ。 「でもまだ断髪式程度でこんなに稼げるんだね、貴の花」とナナ。 「有名になるって、イヤだね」 「そお? 成功すればいいんじゃないの」 「ワタシは成功しても、有名にはなりたくないな」レヅだレヅだって週刊誌が大喜びしてしまいます。 「そんな、有名になるほど成功したいわけ?(笑)」 「そんなことないけど。 でも、ワタシの、こうなったらいいな、っていう願いが叶ってしまったら、有名になってしまうなきっと」 「 そんな願いがあるの?」 「・・・・・・」 「何それ。教えて」 「言いたくない」 「なんで?」 「きっとバカにするよ」 「しないよー。でもするかも」 「絶対ヤダ」 「ウソウソ。しないから。 教えて?」<得意の甘えモード 「恥ずかしいからヤだ」 「女優になりたいとか?」 「わはははははははっ。違うよ」 「なにー。おしえてよー」 「・・・・・・・・・」 「またー。ほら。そうやって、ココロを閉ざすじゃん」 「違うよ」 「あたしには教えられないんでしょ」 「そうじゃないよ」 「じゃ教えて」 「願いなんてないよ。口からでまかせ言っただけ」 「ふうん。 じゃいいよ別に」
あらら。 またやっちゃった。
で、またぼんやりテレビ見ながらおしゃべり。
「ゆっくり休めばいいのに」とナナが言ったのに応えて
「温泉に」 「ん?」 「行きたいんですけど」 「行けば?」 「一緒に」 「ああ(笑)。 行きたいね。 泊まりでってこと?」 「うん。(ぽ)」 「子供がなあ」 「無理なら日帰りでもいいよ」 「前みたいに?」 「うん」 「でも、ゆっくりできなくなかった?」 「そりゃしかたないよ」 「ゆっくりしたいんでしょ?」 「うん」 「じゃ、泊まりの方がいいよ。子供たちも一緒でいい? それならパパも快く許してくれるはず」 「うん。いいよ」 「でもなー・・・家族で行くとなると、そんなに予算組めなそうなんだよなー」 「うちで持つから、費用は」 「イヤだよそんなの」 「だってそれなら行けるんでしょ」 「ていうかさ。 きょんさんと行ってくれば?」 「(脱力)」 あからさまに脱力してみました。 「そうすれば、好きなときにいけるじゃん、比較的」 「(無言)」 「そうして。 あたしも無理だしさ」 「わかったよ」 「なっちゃんだっていいんじゃない? なっちゃんとは行かないの?」 「行くよ。 ていうかさ」 「うん」 「きょんともなっちゃんとも行くよ。行くときは」 「うん」 「でもさ、 こうやって、一緒に行こうって、」 「うん」 「(無言)(視線そらし)」 「(無言)(なんかこっち凝視)」 「誘ってるんじゃん」 うああああああ言わせないでこんなこと。
しかし驚いたことに、ナナ、すごくにっこり笑って
「あたしと行きたいの?」 と。 「うん」 「あたしと一緒に行く、っていうことに、意味があるわけなのね?」 「うん」 「最初っから、そう言えばいいのに」 「うん」 「いつも、なんか、どうしたいのかよくわかんなかったからさ」 「うん」 「じゃあ、子供たちは連れていかない方がいいよね」 「うん。 え?」 え?
な、なんで?
って、決してワタシが期待するような意味ではないのはわかっているのですが。
「ふたりで、のんびりできるような日を選びましょう」と言ってくれました。 「うん(にこにこにこにこ)。で、いつ?」 「いつかなあ」 「え」 「7月になってからかな」 「そんな先?」 「でももう来月だよ」 「あ、そうか」にこにこ。 「でも無理かも」 「え」 「行けなかったらゴメン」 「え」 「行けたら行くってコトで」
また「下げ」かいっ。 〆はそうきますかやはり。 がくん。(脱力)
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