SPICY TALK

子供っていうものは、時に覚えたての言葉を連呼する。
小学生の高学年ともなると、ビックリするような言葉を放つこともある。
先日「死ね」と言う言葉を連呼する小５の男の子を羽交い絞めにして説教をした。
自分が日々連呼していることはこの際どうでも良い。
ワタシに対して二度とその言葉を使うな、そして友達に対しても絶対に使うなと強く叱った。
叱られた本人は、こりゃあ自分はとんでもない言葉を言ってしまったんだと、それなりに理解し反省したようだったが、その光景を遠巻きに見ていたお子達がよりにもよってこう言うのだ。
「ああ！セックスしようとしてる！」
「セックスだぁー！」
「セックスだぁー！」
言っているのは男の子だけではない。
女の子までもセックスセックスと連呼するではないか。
ワタシは困った。
これは使っちゃいけない言葉ではないが、時と場合を選ぶ言葉ではある。
進学塾の中学受験に向けて切磋琢磨している教室で放たれる言葉ではない。
しかし、今ワタシが何かを言ってしまえば事態はますます悪化するかもしれない。
とりあえず無視することにした。
すると、今度はこんな声が聞えるじゃないか。
「ああ！レイプしようとしてる！」
「レイプだぁー！」
「レイプレイプー！」
そう来たか。
ワタシは引き続き無視することにし教室を去った。

それから２週間。
ワタシが説教をする度に「レイプしちゃいやーん！」と言われるようになってしまった。
この状況を抜け出すにはどうしたらいいだろう。
同僚達はただただ苦笑いするだけで、何の力にもなってくれない。