ゆりゆり日記
こうのとりの郷豊岡より
そこで出会うすべてのひとと
日々の想いの種が
なににつながりどこへ行くのか
未来へ続く今の日記

2011年03月31日(木) 天然の菜園

昨日は
思いつきで
施設のコたちと
円山川の河原へ

大根は
既に蕾のものもあり
実は硬いのが多く
ぎりぎりのタイミング
菜の花は
どんどん蕾が出ていて
まさに今が採り時

以前なら
菜の花はまだしも
あんなに生えている大根に
誰も見向きもしていなかったが
今年はいくつも土に穴が空き
天然の菜園を
利用している誰かがいる気配

それをワイワイ言いながら
みんなで採ってきて
料理ができない
というコの分は
まとめて持って帰り
今朝出掛けに急いで調理した

タッパに入れたのを
昼食時に廻し
みんなで食べてもらった所
大根の葉っぱは好評
苦味のある菜の花は
個人的に大好きなんだけど
若いコにはいまいちだったかも

季節はこれから
どんどん加速するので
せめてこんな
今を切り取る行為を
少しでもみんなに
経験させてあげたい
それが出来る有難さ
を感じることとともに



2011年03月30日(水) 祝福の花

開店祝いにランの花でも
と考えていたのに
既に申し出があるそうで
つい口をついて出た
プリザーブドフラワー

ボリュームの割に
結構高いものだと
聞いてはいたが
実際に見たことはなく
言ってしまったのでとりあえず
初めてのお店に入った

アロマキャンドルと
組み合わせたアレンジで
店内にはいい香りが漂い
確かにお値段はよかったが
5年前に作った
と説明されたものでも
瑞々しく美しい

ブライダル系の白はもちろん
苔色などの渋いトーンもよく
ピンクでさえ
どこか控えめで
わざとらしさがない

ひょっとしたら
生花より好きかも
とか思いつつ
女性用トイレに
そのまま置けるような
ラッピングのあるものを選んだ

直ぐにその足で
開店準備中のお店へ行き
自分で設置
それはイメージ以上で
ふんわりと柔らかく
清潔感さえも
演出してくれるようだった

おぼろげな思い付きが
こんな風に
ピタリと嵌ってくれるなんて
お店のオープンだけじゃなく
ムスコを送り込んだ
わたしでさえも
祝福されている気がした



2011年03月28日(月) 結婚相性

日付けが変わってから
バッグに入れたままの
携帯を見てみると
着信記録とメールがあった

そこには
結婚が決まった
という文字が踊っていた
本当はきっといち早く
声で報告
したかったのだろう

まだ
お付き合いが始まって
ほんの数ヶ月
ひょっとしたら
意外に早いかもしれない
とは聞いていたが

合わない部分だらけで
理想とは全く違う
そういうスタートが
ちゃんと結びを迎えるなんて
ひとの縁は本当に不思議だ

もっとも
合う
と思うのも
ほとんど幻想に近く
恋する気持ちが
プラスばかりを
拾っている時期だからこそ

好きなのかどうなのか
そんな曖昧な感覚を
大事に育てられたのは
彼女が成長したせいか
これが
相性ってもんなのか

何はともあれ
おめでとう



2011年03月27日(日) 自立への展開

子どもが
バイトしているお店に
呼ばれて行った

ちょうど前の通りでは
イベントがあって
ギターの生音が流れ
通りすがりにちらほらと
お店の中を覗う人もいた
既に看板は掲げてあるが
オープンは4月1日

カレーとラーメンがメインで
夜の営業では
お酒も出すと言う
コンセプトが微妙なのだが
店長である先生は
元生徒を含め
かなり顔が広いようだ

そんな中
うちのコを使ってくれる
というのだけれど
さすがに先生も
いろんな人から言われて
少し低めの時給からと
考え直したようだった

けれど休憩時間には
上の部屋で勉強してもいいし
ギターを弾きたければそれもよし
寝泊りしても構わないとのことで
仕事だけでなく
自立へのバックアップを
全面的にしてくれる気配

家で不自由を感じている
とは思わないが
こんな申し出は
望んでも得られないはずで
こちらが戸惑うほどの展開

正直なところ
わたし的には
食べたお皿を下げてくれたり
コーヒーを煎れる
手つきを見るだけで
感慨深かったりするのだが



2011年03月26日(土) 和やかな輪

今日は
職場の歓送迎会があった

お酒を飲めない人が多い
と聞いていたので
何かお菓子を作ろうと決め
決めたものの
夕べは気を失っていた


どうにか朝5時に起きて
タルトをひとつ焼き
もうひとつは
仕事を終えて
一旦帰宅してから焼き
少し遅れて持参した

以前の職場では
到底叶わなかったが
こういうことが可能かどうかは
仕事以前に
すごく大事なポイント
だったりする

自分の中に戸を立てて
それなり一員として過ごす
なんて繕いは必要なく
自然な自分を発揮できる
そんな場所は
当たり前ではないことを
流浪の果てに強く思う

職員の子ども達を含め
時には賑やか過ぎるくらい
和やかな輪のなかで
ここに来られた幸せを
しみじみ
噛み締めた夜だった



2011年03月25日(金) 贈る気持ち

プレゼントの
お返しをしたいが
買ったお店では
ラッピングしてくれない

それを聞いて
染め和紙の袋で
包むことを提案
家にあるリボンを
いくつか持って行き
選んでもらった

袋はマチのないものだが
お返しの品を入れると
自然にマチができたので
底を折ってテープで留め
上はただ絞って
リボンを結んだ

説明した時に
半信半疑だった本人は
その出来上がりに
驚いた様子で
素敵なものになって
わたしもひと安心

もちろん
中身の方が主役だけど
贈る気持ちは
外側にも
込められているのだ



2011年03月24日(木) 飛べない鳥

二階の窓から
外を眺めると
自分を取り戻した
かのように落ち着く
アルカイックスマイルが
何とも柔和で愛らしいコ

けれども
そこには手すりがなく
一階の屋根瓦が
斜めに続いていて
乗り出しそうな様子に
眼が離せない

一旦窓を閉めたら
何とか開けようと試みて
ダメと判ると
人の手を乞う
開かないよと示したら
さあそこからが豹変

根負けして
再び窓辺の人になり
カーテンを後ろに巻いて
曲げた両腕を
ばたばたする姿に
飛べない鳥を見た

同じ名前で括られた
ここにまた新種の人間
障害をどう思う
なんて当事者から聞かれても
そんなざっくりした質問には
答えられる訳がない

それは
人間を語るに似て
みんな違う
としか言いようが無く
ただ同じなのは
みんな飛べない鳥
だってことかもしれない



2011年03月23日(水) トゲトゲ

昨日は
掴み掛かるふたりを
必死で引き剥がそうと
渾身の力を使った

まるで
どっかの酔っ払いか
血気盛んなあんちゃんか
ってカンジで
当人達は
ガス抜きになるだろうが
こっちの身体が持たない

原因は
ひとりの被害者意識にあって
それは恐らく
小さい頃からずうっと
地域や小集団の中で
追いやられていたせいで

相手によっては
スルーできることも
相性によって
傷に触るらしく
お前に言われたくない
となるのも
解らぬではないが

誰に何を言われようが
受け止め方は自分次第
傷つくとしたら
それは自分の中に
トゲトゲがあるせいだと
認識しないことには
永遠に繰り返す

さんざ騒いでおいて
人の膝に頭を乗せ
ひざまくらー
なんてニヤついているのが
まだ救いかもしれない



2011年03月20日(日) ステナイ生活

救援物資として
提供できるものはないか
家の中を物色

やたらな窓口では
どう扱われるか解らないが
施設の車両の貸し出しとともに
職員が現地へ行くとなって
細々したものまで
積めそうなのが有難い

真っ先に浮かんだのは
大人用の紙オムツ
だったのだが
この家に確かあったはずと
探し出したのは
あまりに古くて
結局ゴミに出すことにした

けれど他にも
石鹸とかひざ掛けとか
介護に向く肌着とか
数は少ないが
役に立ちそうなものが
いろいろと発見できた

衣料も新品でなく
清潔な古着ならいいので
大切にとっておいた
子供達の服も
この機会に思い切って
手放そうとチェック

普段は開けない
押入れにも
何かあったはず
モノをとっておくと
一向に片付かないが
役に立つ時は来るもんだ



2011年03月19日(土) 星も人も

一旦家に帰り
夕飯の支度をして
会議へと再び戻った

もうほとんど
暗くなった空に
雲の輪郭が見えて
そのダークなコントラストに
いいなあ
と胸がときめいた

気付けば
東の空には
ほとんどまん丸の
オレンジに輝く月
自転車を飛ばしながら
建物の隙間から追った

そして
いつものように
10時過ぎまでの
長い会議も
終わるとすっきり
身体が軽くなっている

巻き起こった事件も
困ったちゃん達の
どうにもできない症状も
その時々は深刻なのだけど
自分の真面目振りさえ
愛すべきものに変わる

今日も沢山笑ったので
また来週から
頑張れそうな気がする
やっぱり
この星も人も素敵だから
何度でも
戻りたくなるんだろう



2011年03月18日(金) 名残のりんご

放水が続いている
原発を臨む窓を開け
花に水をやり
とっておきの
白いシャツを着て
出かけようとしている
そんな夢を見た

なのに
不謹慎の上塗り
その夢のあとで
ここんとこ毎晩
思っては疲れて果たせなかった
ケーキを焼いた

まだ残っている紅玉は
少し皮に皺が寄ってきたので
ダメにならないうちに
美味しく食べなきゃと
ちりちりしていたのだ

いくつかを甘煮にして
チーズケーキに入れ込み
状態のいい最後の数個は
またタルトにして
大事に味わう予定

今朝は
あまりにもいい天気に
どんどん雪が解けている
何か春の兆しを探しに
少し歩いてみようか



2011年03月15日(火) 生きる時間

阿鼻叫喚だった今日
事件勃発の瞬間には
居合わせなかったが
大きなガラスが割れた

地震の数時間前にも
騒動があったので
タイトな星の位置に
人間も何らか
精妙な影響を
受けているのではと思う

その最中
携帯が鳴って
もう済んだはずの
職業訓練校から再度呼び出し
全過程が終了したので
書類にサインが欲しいとの事

結局わたし以外は
全員最後まで参加したそうで
新しい職場はどう
と聞かれ
すごく楽しいです
と言う言葉が思わず出た

何が飛び出すか
予測不能の日々なのに
これまで経験した
他の仕事にはない魅力を
わたしは感じているらしい

ただ生活して行くこと
そのものが難しい
あらゆるタイプの人達だけど
だからこそ一緒に過ごす
僅かな時間が
貴重なのかもしれない



2011年03月14日(月) 足元確認

いつにも増して
海苔や昆布を食べるよう
子ども達に勧める

何が天災で人災なのか
渾然としている
職場のコに
これはなにと聞かれて
見るとチェーンメール

一見もっともらしいが
まるで根拠がなくて
稚拙な長い文章
他の職員も話していたので
相当数横行しているようだ

パソコンのスパムメールは
バイアグラとかが減って
突然増えた義援金関連
ボランティアに行きたい
とか真剣に悩み出すコもいて

阪神淡路の時に
燃えるように
そんなコトを言い出すヤツがいた
いやいやそれ以前に
自分の足元を確りしろよ
とか思ったワケだが

わたしはせいぜい
布団で寝ることを心がけ
ペットボトル湯たんぽを
ごそごそと準備するのだった



2011年03月13日(日) 海の記憶

実家の辺りでも
相当揺れたらしい
今回の大地震

母は車の運転中で
田んぼまで行き
そこでやり過ごしたそう
親戚や同級生が居る
北茨城には
全く連絡が付かない
と心配していた

今はもう
祖父母はいないが
子供の頃毎夏必ず
歩いて海が直ぐの
田舎に行くのが
楽しみだった

北へ行けば行くほど
近くに山が迫った
海までの僅かな平地に
肩を寄せるように建った
家が並んでいた気がする

大きくうねる波や
貝殻がそのまま細かくなった
美しい砂粒
石鹸が泡立たない
海水のお風呂
日々の全てに海があった

大人になって
再び訪れた時には
随分風景も変わっていたけれど
磯遊びをした小さな入り江や
港近くのお店は
そのままだったりした

今はいったい
どんなになっているんだろう



2011年03月08日(火) 未来のリード

申告のために
休日を取っていたが
後は清書だけだったので
晴れている午前中に
税務署へ行けた

気持ちのいい空気のなか
自転車をゆっくり走らせ
施設で使う文具などを吟味
結局休みの日も
商品展開を考えているのだけど
就職して以来
スッキリ休めた気分になった

今はまだ
ランダムな偶然に頼っているが
古い染型を使ってもみたい
そしていずれ
自分で考えたオリジナルの柄で
染めが出来たらと思う

どこまでを
施設の仕事で実現できるかは
解らないが
いつかまた自営業だけに戻った時
リメイクするばかりじゃなく
そんな創造も盛り込みたいのだ

既に出来上がっている布を
形にするだけでは
どうしても発揮できない部分
和でも洋でもないような
具象だけれど飽きない
そういう図案を作ってみたい

そういう意味で
今回の就職は
未来のわたしを
リードしてくれるようであり
公私が分裂していない点でも
すごく有難いと思えるのだった



2011年03月06日(日) 食の仕事

日々が飛ぶように過ぎる

仕事から帰ってからは
夕飯の支度に
時間を掛けられないので
煮物は早朝とか
圧力鍋で下煮するとか
休日にまとめて作って
冷凍するなどの工夫

そして
先月半ばから
毎日お弁当を持参
施設のご飯はよかったが
あの小さな箱に詰まったものが
すごく食べたくなって
一度作ったら止まらない

前日から
小分けしておいたりするので
当日掛かる時間は僅か
本当は暖かい季節に
外で食べたりもしたいが
さすがに仕事中は無理かも

そんなわたしに似たのかどうか
バイトで厨房に入りたい
と希望しては敗れていた下のコが
この春から開店予定のお店に
準備段階から入っている

それはあの
遅れてきたサンタのお陰
だったりするのだが
既に美味しいものを食べに
あちこち連れて行ってもらい
先々で仕入れたウンチクを
いろいろと披露してくれる

一生に一度は
食の仕事をしてみたい
と思っていたけど
ムスコと一緒に
疑似体験をしているようで
ちょっと楽しみな展開なのだった


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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