『日々の映像』

2003年03月31日(月) 余    録

 3月3日、激増する10代の中絶と題して少々記述した。若者の性行動の活発化、性的パートナーの多数化、或いは、以前詳しく記述したが、パートナー期間の短さなどの傾向が続いている。これは、言論の自由をかざして、大人社会が作り上げた結果であると思う。営利を目的とした性情報が異常なレベルで氾濫し、ポルノ的な写真を避けて通ることは不可能で、若者が性的に刺激されて当然なのである。よって、まともな性知識も対処法も教えられないまま、性的に刺激され行動しているのが、一定割合の10代の姿でないだろうか。中学生段階での性教育・エイズ教育が望まれる。

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 刑務官による暴行死傷事件の二ユースをつぶさに読んできたが、事件を省内で処理しょうとする姿勢がありありだ。矯正局に保存してあるという一カ年3000通もの情願書を、局外の人が見ることはないだろう。そもそも、行政検討委員会の委員長が、法務省のトップである次官であれば、受刑者の人権より省の組織を守る方を優先するのは当然だ。そして、長期的な刑務所運営のあり方に関しては、民間有識者による「行刑改革会議」を今月中に設置して、人権侵害などを直訴する制度の抜本改革を検討するという。すなわち、今起っている問題は、法務省次官をトップとする行刑委員会で処理しょうとしている。法務省に教養がありそうな女性大臣がいる。しかし、今回の事件で大臣の意思で直接指揮したような報道は全くない。この女性大臣は法務官僚に洗脳されたしおれた飾り花なのだろうか。

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 3月12日山陽新幹線の居眠り運転に関連して、睡眠時無呼吸症候群のことを書いた。サンデー毎日で、題して「推定患者200万人、新幹線居眠り運転は起るべくして起きた、50代男性が危ない」との特集があったので少々引用することにした。この症候群の七割は肥満が原因で新幹線の運転士は、身長が1メートル70センチで体重が100キロを超えていたという。超肥満の人はほとんどこの症候群になり、重症化するのは40代後半から600代代だと言う。

 この症候群、本人はたっぷり寝たと思い込んでいるので、寝不足の自覚が少ないとのこと。やっかいなのは山城医師の指摘だ。「この病気によって起る居眠りの特徴は自分では寝たつもりがないのに、フト気がつくと空白の時間が過ぎていたというものです。ハット我に返ると、対向車が目の前に迫っていたというケースも珍しくない。つまり交通事故や労災事故につながりやすいのです」

 愛知医科大の調査では、患者が居眠り運転による交通事故を起こす割合は健常者の2倍、重症の場合3倍になるという。米国の調査では、交通事故を起こす頻度が健常者の7倍も高いとのデータだ。企業の安全管理の立場でいえば、無呼吸症候のある人は使えない。ただ、この推定患者数が200万人と言うから、労務管理者はおおよそ男子勤労者の10人に1人は無呼吸症候があるとの前提に立たねばならない。

 前記した通り無呼吸症候群患者の七割が肥満で、残る3割は顎が小さいというアジア人特有の骨格が災いしているという。個人の立場で言えば、この症状があったら迷わず専門医にかかって治療することだ。

 日常の生活の視点で見ても大変なことでやや長いが引用して置きたい。「1時間に5回〜10〇回も呼吸が止まるので、苦しいという情報が脳に伝わり、数秒、脳が目覚める。・・・いわば夜中に何度も揺り起こされているようなもので、当然、寝不足状態に陥る。脳の働きが低下するため、うつ傾向になったり、イライラ・集中力・学習能力・記憶力の低下などさまざまな精神症状が表われる」

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 今回のイラク攻撃で、最も緊張したのは、金正日(キムジョンイル)であったと思う。北朝鮮から脱出し韓国の朝鮮日報に務める記者は「北朝鮮は(アメリカの)イラク攻撃が終わったら、次は北朝鮮が攻撃されると思っている人が多い」(20日・毎日から)と語っている。しかし、何もしないで、アメリカが北朝鮮を攻撃することはないのである。アメリカによる攻撃が仮にあるとすれば、その大半の理由は、核を含む大量破壊兵器の保有と脅しではないかと思う。

 3カ月ほど前、アメリカの高官が北朝鮮を訪問した時、北朝鮮の高官が「われわれは化学も生物もある」と言ったと伝えられている。韓国国防省は昨年、北朝鮮が次の化学・生物兵器を保有しているとの報告書をまとめている。

 化学兵器物質・・・神経ガスなど17種類2500トン〜5000トン
 生物兵器物質・・・炭そ菌など13種類の保有

 このような物質を兵器にしょうとの発想の有無が問題なのだ。今はこの生物・化学兵器より、核保有の道に進んでいることが大問題になっている。しかし、北挑戦は「脅威となるのはわれわれの核問題でなく、むしろ日本の核武装の野望だ」(22日・共同通信から)と反論している。ベーカー米大使は「日本がこうした北朝鮮からの脅威に対抗するためには、攻撃用兵器でないミサイル防衛が日本の憲法、伝統に、まさにふさわしいと思う。日本はミサイル防衛の配備をすべきだと思う」(13日・朝日から)と明言している。

 政府は、北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン」が発射されたときの迎撃、および防衛出動の体制を協議している。ノドン発射時は、まだ配備していない「新パトリオット」で撃ち落とすというものだ。日本にこのようなことを協議をさせているのが北朝鮮の存在だ。

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 3月の中頃から「インドネシア、カナダ、シンガポール、タイ、中国、フィリピン、ベトナム、香港」(17日・共同通信から)で原因不明の肺炎が広がり始めていた。世界保健機関(WHO)は16日発表した指針は「病原体が外に出ないようにした特殊な病室での患者隔離、10日以内に患者と接触した人の検査・隔離」など厳しい感染防止策を求めていた。感染者に細菌感染に効く抗生物質を投与しても何も効果がない。よって、この病原体は、ウイルスの可能性が高いと特定を急いでいる。

 この病気は、「SARS(重症急性呼吸器症候群)」と命名された。「潜伏期間は三日から七日程度で、症状の出はじめは高熱、頭痛、喉の炎症など、インフルエンザに似ていることが多い。患者は咳から、肺炎、そして息切れなどによる呼吸困難な状態へと悪化するのが典型的なパターンだ。そして、呼吸不全を起こしてしまうと死に至る」(3月18日・YAHOO・コンピュータニュースから)という症状である。まだ正確な病原体は特定されていないが、一部の専門家は新種のインフルエンザではないかと危惧している。
 
 3月18日現在、香港は111人の感染者になったが、なんと医療関係者が55人、この内医学生が17人に達している。よって、感染した職員の多い病院の救急治療室が、1定期間の閉鎖に追い込まれている。治療に当たった医師、看護師などがこれほどの割合で感染した例は過去になかったと思う。香港政府は3月24日現在「感染者260人、死者が10人になったと発表」している。

 シンガポール保健省は、3月24日現在感染者が65人(この内12人が重症)に達したことを明らかにし、「伝染病法を適用、患者らと接触し発症の可能性がある家族ら700人を25日から10日間『自宅隔離』にする」(25日・毎日から)と発表している。隔離された家族の1人でも自宅外にでると、「罰金として1回目は5000シンガポールドル(約34万円)2回目は同1万ドル(68万円)が科される」という厳しいものだ。 

 日本は前記した国々との交流が多い。よって、病原体か日本に入って来ることは時間の間題である。香港当局は、この感染症に関するホットラインを設置、感染予防のため、十分に休息を取るよう市民に呼びかけている。
 









 























2003年03月30日(日) ドラッグストア・ホームセンターが好調

 スーパー・百貨店の売上減が報道されているが、それでもスーパーの出店攻勢がある。私の家から歩いて5分以内に、スーパー、ホームセンター、電気の量販店他の店がある。それなのに、歩いて10分以内の所に大規模なスーパーセンターが出来た。スーパーの売上が減少しているのに、このように新たな出店が続くのだから考えさせられる。

 妻の病気で2カ月あまり主婦業をした。何をどこで買うのかを妻から引継ぎ、実際の買物をした。驚いたことに、1番多く行くのが野菜物店とドラッグストアーであった。今までドラッグストアーは、あまり行く機会がなかったので分からなかったが、ここでパン・牛乳・ソバ・ウドン・調味料など身近な食品を買うことが出来る。しかも通常135円余りの食パンが常時98円で売っている。これではスーパーの売上が減少すると思った。

3月19日、経済産業省の2002年の商業統計が発表されたが、ドラッグストアー・ホームセンターが次のとおり急成長している。

ドラッグストアー・・店舗数・1万4673店(99年比34%増)
ホームセンター・・・店舗数・・・4356店(99年比ほぼ倍増)

年間販売額も67%・28%増でスーパーの客をかなり取り込んでいるかたちだ。

2003年03月29日(土) 小泉内閣の支持率

 イラク戦争開始直後の20日から21日にかけて、朝日新聞の電話世論調査があった。これによると、小泉内閣の支持率は四二%(前回四四%)不支持は四五%(同四〇%)であった。イラク攻撃をいち早く支持の表明したわりには、支持率が落ちなかったと思う。

 意外に思ったことは、米国のイラク攻撃を支持しないが「59%」は当然であるが、支持するが「31%」もある。同じ時期の読売新聞の調査(質問の仕方が違う)では、支持は「12%」であるが、支持はやむを得ないが「64%」で政府方針を合わせて78%の人が容認している。

 前記の支持する31%の理由の半数は「フセイン政権が危険たから」としている。世界で独裁政治をしているのは、フセインと金正日(キムジョンイル)の危険な二人しかいないのだ。

2003年03月28日(金) 暴力団のリクルート活動 

 見方によっては、注目すべき現象がある。厚生労働省の調査によると、2001年3月に学校を卒業して就職した若者の内「大卒は15、7%、高卒では26、2%が一年もたたずに退職している」(15日・読売から)この就職難の時代に、これだけの若者が就職1年未満で退職しているのである。

 職場の受け入れ態勢が悪いのか、若者に社会を理解するキャパシテイが狭いのか、後者に原因のウエートがあるように思う。厚生労働省の見解は、専門的な職業訓練よりも、敬語の使い方や電話の応対など社会人の基礎を身につけさせる必要があるという。そして、このマナー講座を県単位の雇用・能力開発機構で開くとのこと。

 15五歳から24歳までの失業率は、10%前後で若者の10人に一人が職を探している事態なのだ。反面、暴力団対策課によると、「組員不足に悩む暴力団が組を挙げて(若者の)リクルート活動に力を入れている」(15日・読売から)という。従来は組周辺者や暴走族を組員にするケースが多かった。しかし、この分野からの組員の補充では足りず、最近では見ず知らずの少年に接近して、加入を勧めるケースが目立つという。ぶらぶらしている若者は多くいるが、暴力団に行こうとする若者が少ない注目すべき現象ではないかと思う。

2003年03月27日(木) 集団自殺の連鎖、4件13人 

 2月14日「自殺の相手を探しています」と題して埼玉の男女3人の自殺を記述した。そして、悪の伝播は早い。追って第2の練炭自殺が出てくるだろう・・と書いた。

 この予測は当たっていた。今月5日、津市で男女三人が車の中で練炭を使って自殺した。無職男性の遺書には「一緒にいる二人は、本名も知らないただ自殺するためだけに出会った2人です」(六日・毎日から)と書かれてあった。なんとも言えない哀れさを感じる。

 16日、山梨県で男女4人の同じく練炭による自殺行為(4人とも重態)があった。一酸化炭素中毒で意識不明の重態というから、回復の見込みは皆無だ。年齢は20歳から23歳であるので、せめて自分の両親に遺書を残してやって欲しいものだ。この4人の自殺では手書きの遺書が一通しか見つかっていない。両親があまりにも気の毒だ。

 ここまで、3組10人の集団自殺になりこれでまとめを書こうとした。ところが、17日21時48分のニユースで、徳島で男女3人の集団自殺が報じられた。男性は大阪市在住の27歳、女性は愛知県在住で共に23歳の友人同士。ここでは、練炭でなく簡易コンロに炭を燃やしての一酸化炭素中毒死だ。車の目張りをしなくとも、死ぬことが出来るという情報が積み上がった。3人の遺書はなった。これでは、まともな大人と言えないと思う。

2003年03月26日(水) イラク戦争・長期化の可能性 

 ベトナム戦争では、敵が何処にいるのか分からないジャングルが敵であった。イラク戦争は、砂嵐と自爆テロが予想を超える敵になると思う。さまざまな報道があるが、突風が伴なう砂嵐は、イラク軍より恐ろしい敵のようだ。この戦争を決定した指導者たちは、自爆テロが起る頻度をどの程度予測していただろう。民間人の姿でアメリカ兵又は戦車に近づき自爆する、イスラム世界以外の人では理解出来ない行動がある。すでに「戦車に対する自爆攻撃も現れた」(二七日・朝日から)という。 

 軍や政府高官が言っていた「開放軍的な勝利」「ハイテク兵器を駆使した早くてきれいな勝利」などはあり得ない。むき出しの流血がともなう泥沼の戦争になると思う。すでに、泥沼の兆候が出ている。「白旗を掲げた偽装降伏でおびき寄せて襲撃したり、民間人と油断させて奇襲をかけたりするイラク側の戦術」(同)に世界最強の軍隊が翻弄されているのだ。

 砂嵐に加えて、四〇〇キロの主要補給道路が車両の重さに耐えられず、あちこちで陥没し最前線への補給が問題となっている。ブッシュ大統領は「戦争がどのくらい続くか分からないし、最後の日がいつになるかも予測できない」と発言している。砂嵐、自爆テロ、補給道路の問題で、イラク戦争は長期化していく可能性がある。    

2003年03月25日(火) イラク戦争・青少年と子供たち

 米軍の攻撃は「衝撃と畏怖(いふ)」と名づけられた大規模空爆である。23日に書いた大型衝撃波弾は、どれほどの衝撃と畏怖をバクダット市民、青少年、子供たちに与えているのだろう。「攻撃を受けた政府関連施設の多くは、このホテルから数キロしか離れていない。

 ミサイルや爆弾が着弾するつど、「ズーン」という腹に響く轟音がし、建物全体が激しく揺れた。息を継ぐ間もない爆発の連続に、子供達は不安そうな表情を浮かべ震えていた。よほど恐ろしいのか、泣き声もでない」(25日・毎日、和田記者のリポート、身を寄せ合うバグダットの子供たちから)

 堅牢に出来ているホテルの地下が、数キロ先の爆発の衝撃波で「建物全体が激しく揺れた」と言うから、想像も出来ない衝撃と畏怖である。米軍の攻撃名は轟音と衝撃波で畏怖して戦意を失うだろうとの予測で付けられたものだ。

 連日、決定的な反米感情をもつ青少年を増殖させている。この戦争、どれだけの悲劇を積み上げるか分からない。首都防衛の民兵組織は、10代の少年少女なのだ。「メンバーはフセイン大統領への忠誠の強い地域から集められた16歳以上の男女で、総員3万から四万人」(23日・読売から)という。自爆テロが出来るほど、洗脳されているのだろう。

2003年03月24日(月) イラク戦争・米政権の決定、世界を巻き込む 

 今日からイラク攻撃が戦争になって来た。ブッシュ政権を支持した小泉内閣の批判が多い。しかし、米英がイラク攻撃を決断せざるを得ない必然性に対して、一定の理解を示す必要があると思う。

 ただの批判は信なき言論で、その思考の行き着く先に、イランと北朝鮮に見られるような小国が大国を脅す言論であると思う。フセイン大統領の同時多発テロ続発容認発言は、小国が大国を脅す言論の最たるものだ。

 ことの良否は別として、大国アメリカが決断した以上、世界の国々が何らかの影響を受け、さまざまな決定をしなければならない。その一つは、米政府がイラク資産の没収を決定したことだ。そして「フセイン大統領がイラク国民から奪った資産を探してほしい」と各国に要請している。この要請は形態の変更がないので受け入れやすい。

 米政府の次の決定は、イラク大使館の閉鎖と外交官の追放だ。これも世界各国に同様の処置を取るよう求めている。この二つの要請に対して、フランス・ドイツ・ロシア・中国がどう反応するだろう。

 今日の朝日新聞によるとロシアの企業がイラクに対して、対戦車ミサイル通信妨害装置を売り渡し、米英軍の攻撃開始後も使用方法を指導していたという。米国とロシア・フランスが先鋭化しないことを祈るのみだ。   

2003年03月23日(日) イラク攻撃・大量破壊兵器の保有

 イラクが保有しているとされる大量破壊兵器とは、生物・化学兵器のことだ。この生物・化学兵器が、テロに使用される可能性があるとしてアメリカは大問題にしている。イラクは1980年代「イラン軍や自国内のクルド人をマスタードガスで攻撃し、推定2万人以上を殺傷した」(ヤフー特集から)とされている。

 イラクが保有していた化学兵器は、おびただしい量であった。「国連監視検証査察委員会は、イラクが所有していた4万発以上の化学兵器用の弾薬をはじめ、690トンに上るVXガスやサリン、マスタードガスなどの化学剤が湾岸戦争時の空爆や査察で破壊、破棄されたと報告していた。しかし、イラクは依然、炭そ菌8500リットル、ボツリヌス菌2万リットル、VXガス二、4ト、約900発の化学兵器用弾薬や157発の生物兵器用の弾頭などを保有している疑いがある」(同)として国連による査察が行なわれてきた。

 米・英・イスラエルは、これらの兵器をイラクが必ず使うという前提に立っている。深刻かつ悲しい認識で、イスラエルなどは国民全員に防毒マスクを配布している。軍事評論家の江畑謙介氏は「イラク側が今後、化学、生物兵器を使う可能性もある。」(同)としている。はたして、イラクのフセイン大統領は生物・化学兵器を使うのか。


2003年03月22日(土) イラク攻撃・戦争でなく体制崩壊の攻撃

 攻撃2日目、米英軍はイラン各地で大規模な空爆を行なった。「大統領宮殿を含むイラン指導部関連施設や軍事施設など、数百カ所を漂的に集中的に行なわれ・・・」(22日・読売から)とあるように、米英軍のなすがままである。数百キロ離れた船艦から発射される巡航ミサイル・トマホーク、戦闘機から発射される精密誘導弾、図のとおりC130輸送機から投下される大型衝撃波弾などが、投下され炸裂していくのである。

 この空爆に対するイラク軍の反撃はゼロに等しく、これは戦争と言えるものでない。強いて名前を付ければ「フセイン体制崩壊のための攻撃」という形だ。

 すでに南部の要衝バスラの防衛軍司令官が米英軍に投降したという。AP通信は「歩兵師団が丸ごと投降してきた」と報じている。このような投降の接触が、各地で行なわれているとの報道であるが簡単に進むとは思われない。アメリカ軍は、砂上の楼閣のように、各地の軍組織か瓦解して行くだろうとの期待もあるようだ。

 組織的に抵抗するのは、バクダットを守る大統領親衛隊だろうか。しかし、米英軍は姿を見せずに、雨あられのようにミサイル、誘導弾、衝撃波弾を軍施設に投下してくる。親衛隊に属する人間たちは、虫けらのように殺されて行くのだろう。
人間は、恐ろしい爆弾(衝撃波弾)を造るものだ。小型核爆弾並みの威力がある。地下深くの標的破壊に効果を発揮する。




      


  
 
 

2003年03月21日(金) イラク攻撃・サダム・フセイン大統領の命運 

 ことの善悪は別として、フセイン大統領の命運が尽きるのかもしれない。毎日数百カ所の空爆をうけ、24時間フセイン大統領をはじめ指導層の命が標的にされているのだ。空爆だけで戦争が終わるのであれば簡単である。

 イラクの軍隊がアメリカ軍とまともな戦争が出来る訳がない。よって、アメリカ軍が侵攻して行けばゲリラ攻撃が待っている。19日まで胸を張っていたフセイン大統領は、今は安全なバクダットの地下要塞に身を隠しているだけだ。

 フセイン大統領は、ブッシュ大統領のことを「少ブッシュ。12年前の湾岸戦争で対決した元米大統領の子息、ブッシュ大統領を侮蔑を込めてこう呼ぶ」(ヤフー・イラク特集から)口は災いの元だいう。世俗的に理解すると小国イラク大統領が、超大国アメリカ大統領を「少ブッシュ」と侮蔑を込めて呼ぶというから、その口が今回の災いの1因といえよう。

 その他災いの元になったと思われるフセイン大統領語録を引用しよう。2001年一月17日湾岸戦争10周年の演説で「湾岸戦争は悪魔(米国)と、悪魔を守護者とする連合に対する正義の戦いだった」自分が起こした戦争をこのように言っている。

 米同時多発テロについて「(米国は)世界の憎しみを1身に集めており、他国を尊重しない限り攻撃を受け続けるだろう」3000人余りの犠牲者を出したテロを肯定しているのだ。

2003年03月20日(木) イラク攻撃・開戦はピンポイントでフセイン大統領を狙う

 ブッシュ大統領は、20日午後零時15分米軍によるイラク空爆が始まったと発表した。そして「フセイン大統領や、その一族などイラク指導部を標的にした空爆だった」ことを明らかにした。
 
 近代の戦争の中で、しかも開戦時で、相手指導者個人の命を狙った攻撃はかって例がないと思う。その昔、チャップリンが映画化し、問題提起したような国家による殺人行為の見本が展開されている。こんなやり方でイラク人の心の中で「親米の情」が育って行くのだろうか。親米の情がなかったら、間接統治などは出来るはずもない。 

 標的にされた施設には、フセイン大統領と子息一人、その他多くの幹部が滞在していたという。ここへ二段階の攻撃が行なわれた。「トマホークが地上部分の建物を破壊し、その後、F117A戦闘爆撃機から投下された精密誘導爆弾(1トン爆薬)が地下部分を攻撃した」(22日毎日から)

 地下を攻撃するこの誘導爆弾は、コンクリートなら10メートル突き破り爆発する。狭い空間で一トンもの爆薬が炸裂するのであるから、その威力は大変なものだ。

 この攻撃によって、多くの指導部が爆撃で死亡したなどの未確認情報が流れている。米軍は特殊部隊を首都に侵入させフセイン大統領を直接狙う作戦を立てているようだ。しかし、フセイン大統領は、バグダッド市街に張り巡らされた地下要塞に潜ったようで簡単でない。 

2003年03月19日(水) イラク攻撃・攻撃前夜の静けさ 

 今日は歴史の1ページの日だ。なにしろ明日午前10時からイラク攻撃が始まる。今の時間は午後9時を示している。インターネットを開いても意外とイラク攻撃関係のニュースが少ない。それでも、次のニユースは記憶に残す意味があるだろう。

 その1つは、自爆テロ訓練施設だ。有名になったアルジャジーラの衛星テレビによると「フセイン大統領はすでに、バグダッド郊外に自爆テロのための訓練施設を設立し、アラブ諸国から集まったイスラム教徒の自爆テロ志願者が殉教者になるための訓練を受けている」(18日、毎日から)という。国家の権力者が宗教的なジハード意識を利用しょうとしているのだ。イラクに侵攻する米軍は、イスラエルと同じように自爆テロの標的になるだろう。

 二つ目のニユースはフランスの動きだ。シラク大統領は、イラク戦反対の姿勢を明確にして来た。そのため支持率が、過去30年間で最高の67%に達した。(17日・ヤフーから)しかし、イラクが化学・生物兵器を使えば話は別だという。「イラクが化学・生物兵器を使用すれば、フランスも参戦する可能性があることを明らかにした」(19日・読売から)米軍が最も恐れている化学・生物兵器、イラクがこれを使うようであれば、参戦の大義名分が立つのだろう。フランスの声明は、この兵器を使わせないとする抑止力になるだろうか。

2003年03月18日(火) イラク攻撃・フセイン大統領に最後通告

 17日の応酬は、次の言葉だった。ブッシュ大統領いわく「フセイン大統領は史上最も残虐な独裁者の1人であり世界最悪の兵器で武装している」と断じた。フセイン大統領いわく「だれが米国を不公正な裁判官に任命したのか。イラクを攻撃すれば、あらゆる岩の下、木や壁の陰で、殉教者として死ぬ覚悟のできたイラク兵に出会うだろう。米国が束になっても、イラク国民から土地、自由、独立、主権を奪うことはできない」と強調した。これでは既に戦争をしていると同じである。  

 ブッシュ大統領は日本時間午前10時全米テレビ演説を行なった。「フセイン大統領とその息子らに対し48時間以内に国を離れ亡命しなければ武力行使に踏み切る」と宣言した。そしてイラク国民に対して「暴君はまもなく去る。開放の日は近い」と呼びかける。この宣言に対してフセイン大統領は最後通告を拒否し、「ブッシュ大統領こそ辞任すべきだ」非難した。    
 
 イランのサブリ外相は米国の最後通告について「唯一の道は、世界第1の戦争屋、米国を笑い者にさせ、国際社会から孤立させ、民衆の敵ナンバーワンにした張本人ブッシュ大統領の辞任である」と徹底抗戦の構えだ。これだけ見解に相違点があるのだから、もはや戦争は避けられない。20日の午前10時から、精密誘導爆弾やミサイルの空爆が始まる。

2003年03月17日(月) タクシー・ハイヤーも飲酒検問

 人はどうして飲んではいけない時に、酒を飲んでしまうのだろう。それもハンドルを持つことを業とする、タクシー、ハイヤー、バス運転手の飲酒運転が後を絶たないという。飲酒運転が分かれば、言い訳無用の懲戒解雇となる。この厳しいリスクを犯しててまで、なぜ人は酒を飲むのだろう。酒に依存しなければ、生きて行けないのだろうか。

 先月、コンビニで缶チューハイを買い、泥酔状態でタクシーを運転し現行犯逮捕されたニュースがあった、「タクシー運転手の飲酒運転が目立つようになった。都内では昨年、タクシー運転手による飲酒運転が13件摘発されたが、『酒の匂いがする』と乗客から突き出されたり、事故を起こして発覚したケースがほとんどで、『氷山の一角に過ぎない』と指摘されてきた」(一五日・読売から)という。

 タクシーなどは、検問で乗客への配慮からほとんどフリーパスだったのだ。警視庁はこれが災いして飲酒がはびこっていると分析、「タクシー・ハイヤーなどの飲酒運転取締りを、本格的に実施することを決めた」(同)これらの運転手を抱える事業者の対策もなかなか大変だ。ここで、隠れたヒット商品に成っているのがアルコール検知器だ。大阪の業者によると、昨年7月発売以来1万5000台も売れている。

2003年03月16日(日) 美白成分(コウジ酸)入り化粧品販売停止

 最近、厚生省発の新たな改革の動きが多い。コウジ酸の食品添加物としての使用禁止(昨年12月)医療事故の報告義務化(2月)初の病院格付け会社設立(3月)コウジ酸入り化粧品の製造中止指示(3月)などである。ここでは、コウジ酸について少々記述したい。

 厚生省が1度承認した薬品の人的被害が明らかでないのに、使用を禁止又は製造中止指示を出すことは、今までにない動きだ。「コウジ酸は88年に医薬部外品として承認され、化粧品の成分や食品の変色防止剤」(7日・毎日から)として広く使われてきた。食品の変色防止剤としての使用は、肝臓への発ガン性が推定されたため昨年12月使用禁止となった。 

 問題は美白をうたったコウジ酸入りの化粧水・クリームが180品目も登録されている。「厚生労働省は7日、日焼けによるしみ、そばかすを防ぐ効果があるコウジ酸を含む化粧品の製造・輸入を中止することを決めた」(同)製造の中止を求めるが、今ある在庫を売ってはいけませんとは言っていない。明らかに、この決定は供給者側に立っている。

 この180品目の化粧品を厚生省のホームページで調べてみた。三省堂製薬51品目・コーセー39品目・コスメロール29品目・アルビオン21品目・サンブロダクツ19品目・テクノラボ11品目・ノエビア8品目・山之内製薬・エーザイと続く。(細部省略)

2003年03月15日(土) 護身具での犯罪急増

 犯罪件数をここで挙げるまでもなく、治安の悪化が深刻化している。読売の世論調査によると、「自分や家族が犯罪に遭うかもしれないと不安を抱く人が八割を超えている」というから困ったものだ。犯罪不安の上位を占めたのは「ひったくり」(42%)「自動車強盗・車上荒らし」(41%)「ピッキング」(34%)と続く。

 そこで、ひったくりや痴漢などから、身を守るためにスタンガン(高圧電流銃)や催眠スプレーなどの護身器具が販売されている。これらの商品は、インターネットで販売されるウエートが高く販売量、性能などは事実上野放しのようである。この護身用の器具が犯罪の武器に使われているというから深刻と言わねばならない。

 ここで取上げたいのは、スタンガンの威力である。「店の外へ出ようとした瞬間、バチッという音がして右手の甲に鋭い痛みがはしった。1昨年11月、福岡市のレンタルビデオ店。午前2時過ぎ、店じまいをした男性店長(36)は、外で待ち伏せていた若い男に警棒タイプのスタンガンで襲われた。

 男は店内に押し入り、男性の頭や腕、背中などにスタンガンを押し当てた。体が飛び上がるような衝撃を受けた」(15日・読売から)という。男は3万円を奪って逃げる。店長は「あんなに危ないものが、平然と売られているのはおかしい」と憤慨している。

 実際このスタンガンで攻撃を受けた人からすると、想像以上の威力なのである。驚いたのは、攻撃を受けた店長の後遺症である。「店長は両手の握力を失い、1週間過ぎても、缶ジュースを開けることすら出来なかった」というから、スタンガンは完全に犯罪用の武器だ。

 全国各地でこれらの器具を使った事件がおきている。タクシー運転手を狙った強盗(福岡市)、パチンコ店・コンビニ襲撃(東京・大阪)などの犯罪は「1昨年341件摘発され、4年前に比べ3倍近くになっている」(同)という。この341件は摘発された件数で、事件そのものは1000件以上発生していることになる。

 催眠スプレーも空き巣などの犯罪に使われることが多いという。こうした護身具の製造と販売に明確な規制がないのが現状である。なかなか難しい問題である。身を守るために護身具を持ち歩く人にとっては必要な品物だ。しかし、犯罪の攻撃に使われるようなスタンガンは、規制の対象にする必要があると思う。

2003年03月14日(金) 働く女性に原因不明の病気

 プレジデントの3月3日号は、「心の不安定症候群」という特集であった。そのボリュ-―ムも30ページに渡り「職場の異常度チェック」「心の不安定症候群極密カルテ」「組織のメンタル危機管理」「悪玉ストレスをバラ撒く上司」「部下をうつにする言葉集」「男たちのうつ病最前線」などの項目で展開し、激しいストレスのある男性社会に視点を当てた記述であった。

 具体的なことはここでは取上げないが、話をする、相談する相手を持っているかどうかが、1人の人間の運命をも左右するのでないかと思う。

 ストレスは、男性だけにあるものでない。むしろ女性の方がストレスの発散の機会が少ないのが現実だ。働く女性が罹る原因不明の「線維筋痛症」という全身の痛みの病気がある。「30〇代〜60代の女性を中心に増えている『線維筋痛症』の実態解明などに取り組むため専門医らが13日、研究会を発足させた」(14日・毎日から)

 米国の学会指針では「原因不明の痛みが3カ月以上続き、首や背中、手足など全身18カ所の内11カ所以上で押して痛みが出ると、この病気と診断される」(同)という。患者の多くは、仕事、家庭などに問題を抱えており、過剰なストレスがこの病気の原因と指摘されている。ストレスとどう対峙し、どう乗り越えるか、この智慧が最も求められる時代といえる。

2003年03月13日(木) イラク攻撃の戦費は

  アメリカは、24万人にも及ぶ布陣を敷き、いつ本格的な攻撃が始まってもおかしくない。使われる兵器も空前のもので、その最たるものが精密誘導兵器だ。一カ月前は破壊力が格段に増したこの兵器を、緒戦で300発使うとの報道であった。
 
 ところが、最近の報道によると、3000発であるという。この精密誘導ロケット兵器1発の値段は、いくらするのだろう。また、この1発でどれだけの空間が破壊されるのだろう。こんなロケットを3000発も撃ち込まれれば、イラクの反撃はゲリラのみになると思う。
 
 アメリカが、過去の戦争でどれだけの費用がかかったかのデータがある。エール大学でまとめたもので参考までにメモしておこう。

 第二次大戦 GDP  2兆2380億ドルの130%の・・2兆9000億ドル
 朝鮮戦争  GDP  2兆3700億ドルの15%の・・ 3359億ドル
 ベトナム戦争GDP  4兆1200億ドルの12%の・・ 4943億ドル
 湾岸戦争  GDP  7兆6100億ドルの1%の・・ 761億ドル
 今回の攻撃GDP 約9兆8000億ドルの1、02%の 1000億ドル
 
 日本は、前回の湾岸戦争の時135億ドルを負担した。今回はどうなるのだろう。

2003年03月12日(水) 睡眠無呼吸症候群

 新幹線は、最高時270キロのスピードを出す。なんとこのスピードで「ひかり」は走り、運転士は8分間も居眠りをしていた・・・というからショックな話だ。この件だけでなく、いつ眠るかわからない病的な運転手がゴロゴロいるのだ。病的とは次の通りだ。「山陽新幹線でひかり126号を居眠り運転し、専門医の検査を受けていた運転士(33)が、重傷の無呼吸症候群(SAS)と診断された」(6日・読売から)

 居眠り運転が各地でおきている。JR山陽線で貨物列車の運転手(26)が、貨物列車の運転中に、25分も気を失っていたというのだ。この運転手は、身長が160センチ、体重は99キロもあり血圧も高かったという。この運転手も、無呼吸症候群の疑いが強いと診断されている。そもそも、身長が160センチで体重が99キロもあったら、正常な健康体でないことは当然のことで、管理者の責任が問われると思う。

 JR西日本でも、居眠り運転が多発している。「JR北陸線で8日、列車が停車駅を通過するなどの事故が続発したことをうけて・・・列車の運転室に運転士のほか社員1人を同乗させる列車を従来の4倍の200本に増やした」(10日・読売から)という。ここまで来ると深刻で運転士がいつ眠ってしまうか分からないのだ。よって支社が運行する列車の三割・200本が2人体制の運転だというのだ。1人は運転士が眠らないかどうかの監視役で、信じられないロスである。居眠りの中には、SASの場合もあるだろうが、生活管理・睡眠管理のウエートが高いように感じられる。

 前記したSASのように、病的に夜の眠りが浅く、いつ眠ってしまうか分からない社員を抱える企業は重大事である。公的運輸行政上も重大事である。国土交通相は「SASが原因で起った可能性のある事故」を調査するなど、航空・船舶・バスなどの担当者を集め検討会を発足させている。米国のスリーマイル島の原子力事故・アラスカ沖のタンカー事故・スペースシャトル、チャレンジャー、はSASが原因であったとされている。

 睡眠時無呼吸症候群のイロハを毎日の小学生新聞で確認してみよう。「寝ているときに、舌の奥が垂れ下がり、喉をふさいで呼吸が1時止まる病気です。7時間を超える睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上あると病気と診断されます」とある。ノドをふさぐ原因は、形態的異常・肥満のほか何種類かある。しかし、大半は肥満が原因となっている。よって、この病気は、生活習慣の改善が第一になる。治療としては、口腔内装具、外科的手術がある。外科的治療はノドの奥を切除する手術で、よほど重症でないと患者は気が進まないと思う。ただ、この病気を放置しておくと、脳血管障害の合併症のリスクが決定的に高まるようだ。

2003年03月11日(火) 民間出身の小学校長自殺 

 自殺した人に唾をするような文章になるかも知れない。広島県で私立の小学校の校長が自殺した。それも「校舎の非常階段の手すりにロープを掛けて首を吊っていた」(9日・毎日から)というから、教育上も実に迷惑な話だ。子供達にとっては、校長先生といえば大きな存在で、その先生が非常階段で首を吊って死んでいたのだからショックも大きい。

 この校長は昨年4月、銀行員から転身した校長であった。少々行き詰ると、それも学校で自殺する程度の人だったのだ。この程度の人を採用した、広島県教育委員会の責任はどうなるのだ。ヤツ当たりを、自殺した校長に向けよう。校長(慶徳和宏・56)は、「自分の教育理念通りの学校運営ができず、悩みを周囲に漏らしていた」(同)という。人類の永遠のテーマと言われるほど難しい教育に対して「自分の教育理念」などと口走る程度の人は3流の人物と言わねばならない。

 日々の映像を書き始めた当初、「読書」「尊敬する人」という視点で、教育の各論に相当する記述を多くした。短絡的な結びとなるが、教育者に限らず尊敬する人を持ってない人は、まず3流と言っても言い過ぎでないと思う。自殺した校長は、この道で活躍した古今東西の誰を尊敬していたのだ。答えは「いなかった」が正解だろう。

2003年03月10日(月) 株価バブル後の最安値

 株価について、税制との関連で、ここで何回となく悲観的なことを書いた。1月22日に書いたように、個人、銀行、生保、損保が総べて株式の売り越しなのだ。特に個人は12年連続の売り越しなのだ。この売ろうとする動きに対して、いったい誰が買うのだろう。昨年は外国人7500億円、信託銀行(公的年金などの運用)2兆円の買い越しで、どうにか8500円台の株価を維持した。

 7日の東京株式市場は「1522銘柄中1378銘柄」が値下がりするという全面安となった。日経平均株価は8144円だった。今日は更に値下がりし、終値8054円で8000円割れ寸前。日経平均株価が8000円を割り込むようだと異常事態になる。奥田日経連会長は「・・日銀は、上場型投資信託や株、土地などを買うことを含めるべきだ」(8日・日経から)と語っている。

 これだけの株価の下落に対して、小泉政権の責任は無いのだろうか。小泉政権発足の株価と10日の株価を比較すると、151兆円も値下がりしている。
 2001年4月26日  平均株価 13420円  時価総額  379兆円
 2003年3月10日  平均株価 8054円  時価総額  228兆円


2003年03月09日(日) 日本・イラク攻撃全面支持 

 3月1日、イラク攻撃はすでに始まっていると書いた。これからは、いつ全面的な攻撃が始まるかにかかっている。イラクは今月4後、フセイン大統領は国民に対して「暴君(ブッシュ大統領)は打ち負かされる。地獄のふちが暴君を待っているだろう」と国民を鼓舞している。誰しも戦争を避けたい気持を持っている。しかし、本格攻撃はもはや時間の問題だ。

 日本政府は、イラク攻撃に関して態度を明確にした。「政府は6日、対イラク武力行使を容認する新決議案が採択されずに、米国などがイラク攻撃に踏み切った場合でも、米国などの行動を支持する方針を固めた」(3月7日・読売から)という。主な理由は緊迫化する北朝鮮情勢も考慮して、日米同盟を重視するというものだ。この方針は一定の支持のある見解であることは確かである。

 しかし、この決定は、アメリカの腕力につき従うことである。少なくても、この決定で、日米が一蓮托生になったと理解する必要がある。アメリカでテロがあれば、同じことが日本でも起るのだ。そして、イスラム社会の敵国の四番目に数えられることになった。しかし、小泉政権の支持の選択は、やむを得ない決定であったと思う。

2003年03月08日(土) みじめな国会議員の逮捕 

 こんなあっけない国会議員の逮捕は過去に例がない。今月4日に、坂井議員の秘書2人が逮捕された。国会議員の逮捕は、秘書が逮捕されてから証拠固めをして、1カ月以上の時間差があるのが普通だった。今回は驚くほどの速さだ。

 秘書の逮捕から2日後の6日には、坂井議員の逮捕許諾請求が提出された。翌7日の午後1時には、全会1致で逮捕許諾を議決した。しかも、この議決に要した時間も僅か六分だったと言うから、同議員への同情の少なさを示している。この逮捕許諾を受けて、特捜部は同日午後2時40分坂井降憲衆院議員を逮捕した。

 こんなみじめな国会議員の逮捕は初めてだ。国会議員が逮捕される時は、衆院議院運営委員会で弁明の機会が与えられる。坂井議員はここでの弁明をしなかった。これは国会議員としての最低の責任を放棄したことになる。加えて一回の記者会見もしないで、逮捕され収監されていった。これほどみじめな逮捕劇は初めてだ。

 坂井議員が逮捕された容疑は、後援企業(職業訓練会社・日本マンパワー)からi億2000万円の献金を収支報告書に記載しなかった容疑だ。こんな単純な違法行為を、大蔵省出身の議院がなぜするのだろう。なんともあわれな国会議員のてん末だ。






2003年03月07日(金) 刑務官の暴行体質 

 受刑者がどれだけ暴行を受けたのだろう。法務省内の事件を法務省が調べるのだから、真実がどれだけ明らかになるかは疑問である。しかし、法務省はこれだけの大問題に成っている以上、小出しでも情報を明らかにしなければならない。

 法務省の調べによると、刑務所職員からの暴行を訴えた情願は、過去2年間で約260件であるという。このデータも、どれだけ真実なのかは疑問だ。「法務省矯正局によると、情願は内容によって9項目に分類して保存しており、職員からの暴行は『職員関係』という項目に含まれる。職員関係に該当する訴えは2年間で2659件、約1割が職員の暴行関係だった」(2月28日・読売から)という報道だ。職員からの暴行は職員関係に分類され、その訴えは2659件といいながら、その一割が暴行だったという説明もはなはだ矛盾である。

 革手錠で身体を拘束することに関する情願は、「669件」であったという。この革手錠を掛ける前後に、どのような暴行があったのか。名古屋刑務所事件で、一番問題となったのが、この革手錠であった。暴れる受刑者を制圧するために、革手錠が必要との説明であるが、なぜ暴れるのだ!刑務所職員に受刑者が暴れるだけの暴言があるとの視点も必要だ。総べて受刑者が悪いとの前提は誤りだ。名古屋刑務所で、明らかになっただけで3件もの暴行死傷事件が起きている。この根本原因はなにか!言うまでもなく、刑務所職員の驚愕するほどの人権意識の欠落である。

 そもそも、人権無視の行動を誰がやるのか。歴史的に考えても、これらの行動を取るのは、国家権力側に属する公務員なのである。この百年で最大の人権無視の暴挙は、スターリンの粛清であった。反対勢力を次々と捕らえて粛清する、なんとその総数は2千万人に達したという。ソビエトの人口の1割を超える人達が粛清されていったのだ。実際は粛清する人数が、割り当てのように成っていった。公安部門で働く公務員は、誰でもよいから捕らえて粛清していった。 今回の暴行事件とスターリンの粛清とは関係ないように見えるが、人権無視という根は同じである。日本は上からの暴行命令はない。ソビエトの粛清は上からの命令だ。どちらが悪質の人権無視の行動か。

 法務省は、問題の革手錠を全廃する方針を決めた。殺人行為が出来ない構造に変えようとするものだ。その他、受刑者の死亡報告書の保存期間を、現在の3年から10年に改定するという。こんな枝葉の対策のみでは、矯正局全体の人権無視の閉鎖社会を改めることは出来ないだろう。今起っている問題は、あくまでも法務省内で解決しようとしている。長期的なあり方としては、民間有識者による諮問機関を設置するとのこと。

2003年03月06日(木) 心が洗われる純情な夫婦

 日本産科婦人学会は、代理出産を認めていない。同学会は、なぜ認めないのか、その理由を国民が理解出来るだけの説明責任があると思う。この学会の掟に従わずに、二例目の代理出産に手を貸してやったのが、有名な諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津医師だ。

 同医師は「代理出産は私がやりたくて行なっているのではない。この方法でしかお子さんを手にすることができない、子宮を失った患者さんの求めに応じて行なってきた。せめてもの救いの道とすべきだ」(3日読売から)と述べている。根津医師は、日本産科婦人学会の除名処分を受けていた。今回の件で、学会復帰に問題が出るとの指摘だ。

 代理出産で子供をもうけたのは「30歳代の夫と20歳代の妻。妻は以前第1子を妊娠したものの死産となり、緊急手術で子宮を摘出、子供を作ることが出来なくなった。このため、既に子供のいる30歳代の夫の義姉が代理母になることを承諾。夫婦の精子と卵子で体外受精を行い、昨年受精卵を義姉の子宮に移植、妊娠し、昨年度中に出産した」(同)という。日本産科婦人学会は、この根津医師の行為を認めていないのだ。学会が認めていない医療行為したということで、除名処分となったのだ。日本産科婦人学会のこれらのことに関する決定の印象は、子供が欲しい夫婦の願いより、学会の権威を優先する思考があるように思えてならない。

 私が引用したかったのは、子供が授かった夫の喜びの手記である。「私たちは、結婚してから子供に恵まれず『不妊治療』により、ようやく妊娠することができました。ところが、わが子と会えると思っていた出産当日、私たちは『胎児死亡、子宮全摘出』という過酷な現実を突き付けられました。一時期、私も妻も、わが子の後を追って死んでしまおうとばかり考えていました。(中略)代理出産により、自分の子供を授かることができた、この喜びは筆舌に尽くせないものです。・・・政府は、今後代理出産を禁止する方針だそうですが、私たちにはまったく理解できません。私たちと同じ境遇の人たちから、幸せになるための選択を奪わないで下さい」(同)人の醜さが氾濫する社会にあって「わが子の後を追って死んでしまおうとばかり考えていました」という純情な文に接すると心が洗われる思いである。

 代理母の可否を産科婦人学会の倫理委員会、及び国としての審議が進んでいるようである。前記のような事例が、なぜ倫理的に問題だというのだろう。こんなことを問題視するのであったら、子供をまともに育てない未熟な母親の存在こそ大問題である。産科婦人学会としてこの分野の貢献を検討してもらいたいものだ。

2003年03月05日(水) 暴力が横行する日本の社会 

 2月17日、産業廃棄物問題に関連して、行政を脅す暴力の実態を記述した。なにしろ、千葉県の職員が処分場へのパトロールをする時、防弾チヨッキを着用しているというから驚きだ。その他、暴力団が役所を標的に「金銭や許認可など不当な要求をする事件が目立っている」(4日読売から)という。検察庁はこのような暴力を「行政対象暴力」(同)と位置付け取り締まりに取り組んでいる。

 東京弁護士会の調査によると、都内の6割に当たる29市区が不当な要求を受けたことがあると答えている。行政まで脅しを掛けるのだから、個人攻撃などはお手のものだ。右翼団体の幹部を語る男が、全国の校長を電話で脅し、金を巻き上げる事件があった。被害は何と200件、8千万円に及んでいる。金を出す前になぜ警察に連絡しないのだろう。教職の経験しかない校長が、外部からの突然の脅しに判断を誤ることも理解できる。

 電話1本で警察の応援がもらえる校長ですら、言葉の暴力の対象になるのだ。よって、道を誤った個人に対しては、とんでもない言葉の暴力が飛び込んでくる。3月6日闇金融から3回に渡って計10万円を借りた妻の夫が、自殺したことが報じられていた。この闇金融業者は、200日の営業停止処分だけだ。暴力が大手を振って闊歩している。

2003年03月04日(火) 韓国の太陽政策は続くのか             

 韓国の新大統領は、前政権の太陽政策を継承し、北の核開発問題では日・米・韓三カ国協調の下で、対話のよる平和的解決を目指す方針を強調している。しかし、3カ国の北朝鮮とのキシミは相当なものだ。

 韓国でも太陽政策とは「貢ぎっぱなしの経済協力」との批判が渦巻いている。太陽政策で50ンの米、更に現金の支援をして何を得たのだろう。ただ、北朝鮮の挑発的行為を黙って見ているのが太陽政策なのか。この政策は、北朝鮮の核開発の熱で焼き尽くされようとしている。同民族と言っても、思想が根本的に異なれば異民族より悪いと思う。

 日本と北朝鮮とのキシミも相当なものだ。ここではその内容は省略しょう。
米国と北朝鮮とのキシミが表面化してきた。このキシミが大きな亀裂となって、最後は軍事衝突にまで進む危険がある。事件は今月2に起こった。北朝鮮のミグ戦闘機が日本海の公海上空で、米偵察機にレーダ照射を行いながら異常接近した事件は相当なものだ。1969年に米偵察機が、北朝鮮機に撃ち落され乗員31人が死亡する事件が起きている。今回の異常接近は、20分に及んだというから米国の態度硬化は必至である。核開発を含む北朝鮮の挑発は、瀬戸際外交を越えて危険水域に入った。韓国の太陽政策は続かないと思う。

2003年03月03日(月) 激増する10代の中絶

 12月6日、少女の売春行為すなわち援助交際に関することを記述した。なにしろ、他の先進国と比べ、日本の少女たちの売春との関わりが、異様に高いというから困ったものだ。調査によると、数多くの相手と性交をする人ほどコンドームの使用率が低いとの結果である。これらの傾向を証明するかのように、昨年のHIV感染者の4割が若者に占められている。若者の性行動によって、HIVが爆発的に増加すると予測されている。

 ここでは、無防備な性行動の代償として中絶が激増しているデータを取上げて見る。「1昨年、未成年の妊娠中絶は過去最高の4万6511件にのぼる。15歳から19歳の全女子の77人に1人が中絶したことになる」(2月26日・読売から)この人数は、5年前の2倍という増加なのだ。

 77人に1人の中絶について、少々分解してみよう。高校3年生の性経験率はどこの調査でも40%前後だ。ここでは1つの仮定計算として、15歳から19歳までの女子(358万人)の40%の133万人に性経験があるとする。すなわち、143万人の内、一カ年だけで4万6511件の中絶が行なわれている。これは、1カ年で性経験のある15歳から19歳の少女たち30人に1人に当たるのだ。これが少ないと思う人はいないだろう。

2003年03月02日(日) 満額回答のゴーンショック                

 それぞれの経営者が異なる判断を下す・・・実にいいことだと思う。日本の社会は、概してある方向に走り出すと、総べての会社が同じ方向に走り出す傾向がある。よって、異なる判断が混在することは、実に良いことだと思う。

 2月10日に記述したが、トヨタはベア要求の見送り、ホンダは定期昇給制度の廃止、日立・東芝・富士通は定昇の圧縮など、大企業のほぼ総べては賃上げ抑制で足並みを揃えだ。ところが、日産のゴーン社長一人が異なる判断を下す。日産自動車の経営側は『ベースアップ1000円と定期昇給相当分6000円、年間ボーナス5、8カ月(組合員平均201万8000円)を労組の要求どおり満額で回答した』(2月27日・毎日から)賃上げを抑制しようとして来た経営者にとっては、満額回答のゴーンショックとなる。

 ゴーン氏は満額解答の理由を「会社と従業員の信頼関係を深め、高いモチベーションで計画達成を目指すため」と説明している。この満額解答は他の労組にもひとつのショックになっている。2月28日の日経で『満額解答のゴーンショックはなぜ?』という特集が組まれていた。いろんな理屈が並べられていたが、ゴーン氏の最大の狙いは企業のイメージアップではなかったかと思う。車を買うのは大衆なのである。

2003年03月01日(土) イラク攻撃はすでに始まっている          

 ブッシュイズムが展開されていくと、アメリカはイスラム世界から増悪の対象になっていくと思う。イスラム世界から見ると「悪の枢軸は米国、英国、イスラエル」になる。2月28日にも書いたが、2001年9月11日のテロ以降、アメリカに決定的な変化が起こっているように思う。

 その1つが、イスラムに対する強烈な警戒心である。「イスラム教徒たちを疑心暗鬼から捕らえて来て、隔離したり国外へ追放したりしている。ベトナム人が、皆べトコンに見えたのと同じ現象だ。新たな増悪を生み出すだけなのだが」(毎日・時代の風から)世界中から移民を受け入れて発展してきたアメリカは、多くのイスラム教徒を国内に抱えている。これらの人達を猜疑の対象にしていけば、体内に増悪の細胞を増やすようなものだ。これが多民族国家アメリカの宿命的な側面である。

よって、本来アメリカこそ、世界のあらゆる民族と戦争をしてはならないのだ。しかし、現実は最も好戦的に成っているのがアメリカのように思える。ブッシュ政権のイラク攻撃は、単に大量破壊兵器の破棄とフセイン政権の転覆に止まらず、民主主義の強制という目的が明確に成ってきた。しかし、これは余りにも単純な思考ではないだろうか。

 ブッシュ大統領は「イラク軍事行動の終結後も米軍が必要な限りイラクに留まり、同国の民主化を足がかりにアラブ世界全体の政治改革を目指す考えを明らかにした。・・・武力行使の目的が・・・中東地域への『民主主義』の拡大にあることを鮮明にした。」(2月28日・毎日から)武力で民主主義の拡大をしようという発想は前代見聞である。

 簡単に補足すれば、武力によってフセインを倒し、イラクの政治体制を変え、中東地域全体を変えようとの方針である。ブッシュ大統領は「イラク新体制は地域の国々にとって、劇的な自由の実例となる。」(同)と力説している、これでは、アメリカの価値観の武力による強制である。この価値観が、イスラム世界の大衆に理解されると思っているのだろうか。

 アメリカがバクダットを占拠すれば「キリスト教十字軍のイスラム世界の占領」と受け止める大衆がかなりいるのである。そして行き着く所は、イスラム教の敵と戦う「聖戦」となる。アメリカ軍がイラクに留まれば、計り知れないテロ攻撃に遭うと思う。

 ブッシュ大統領は、第2次大戦後、日本とドイツの軍事占領時「憲法と議会を残した」と間接統治の成功を例に挙げている。しかし、この理解は、日本・ドイツとイラクの文化的な基盤を理解していない発言のように思われる。どう考えても、アメリカのイラク攻撃は、泥沼に足を踏み入れるようなものだ。砂嵐という自然の敵も待っている。

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石田ふたみ