『日々の映像』

2000年03月19日(日) 食薬一体、健康は足下にあり

 たしか15年ほど前、人参ジュースが身体に良いことでブームになったような記憶がある。続けて人参ジュースを飲んでいる人もいるかも知れないが、大半の人は忘れているように思う。ここでは、忘れられた人参ジュースの効果をプレジデント3月号(石原クリニック院長・医学博士)から引用すると「人参ジュースは1982年6月米国アカデミーから『ビタミンA・C・Eをしっかり摂ればガンは予防出来る』というガンの予防法が提唱され、そのA・C・Eを共に存分に含んでいる野菜が人参であると発表された」ことがブームの動機となったようだ。
 
 石原院長がかって、留学していたスイスのベンナー病院は「人参とリンゴで作った生ジュースで、世界各国から集まって来る難病患者を治すことで有名な病院」であったとのこと。当時の院長のリーヒティ博士に「なぜ、そんなに人参が良いのですか」と尋ねると「人参には人体が必要とする全てのビタミンやミネラルが含まれているからだ」との応えが返って来たという。

 石原院長は次のようにアドバイスしていた。「人参2本(約400グラム)リンゴ1個(約250グラム)をジューサー(ミキサーでなく)にかけて、ベンナー病院式のジュースを作り、毎日飲まれると良い。・・・・便秘の解消・血圧の改善・肝機能の正常化・尿酸の低下・強壮・・・など思わぬ恩恵に浴せるはずである」と。

 以前、この「日々の映像」でビタミン・ミネラル不足が現代人の不健康の原因と記述した。これが一杯のジュースで解消されるのだからまさに「健康は足下にあり」を実感した。

2000年03月11日(土) カドミウム汚染

 3月8日の毎日新聞に「昔話でないカドミウム汚染」の記事が大きく報道されていた。日本人は猛毒のカドミウムを少量とはいえ「その摂取源として一番大きいのは米だ」というから厄介である。このテーマはとても一枚には収まりそうもないので、記述しようかどうか迷っていた時、たまたま高校時代の同級生に会った。顔色が悪いので具合を尋ねると、腎臓が悪く2日に1回人工透析に通っていると言う。詳しくは尋ねなかったが、腎臓障害が重く小便も出ない状態であるとのことだった。

 世界保健機構(WHO)の勧告では「(累計の)総摂取量が2グラムになると、腎臓障害がより多く発生する。カドミウムが腎臓に蓄積して障害が起きるのは30年〜50年かかる」(3月8日 毎日)となっている。同級生は私を含め60年間も米を食べて来たから、友人の腎臓障害は、カドミウムの蓄積が原因かも知れないとふと思った。

 WHOでは「穀類・豆類の安全基準値を0.1あるいは0.2PPMにする案が検討されており、今年度中に0.2PPM以下が採用される可能性がある。」(3月8日 同)という。一方、日本では「1970年に米(玄米)のカドミウム含有の基準値を1PPM未満と定めた。しかし、『当初から高すぎるのでは』との議論があり、食糧庁は0.4〜1PPM未満でも“準汚染”として食用に回さない措置を執っている」(同)

 新潟県でも昨年秋にカドミウム汚染米が見付かり、生産農家が困惑しているニュースが大きく報じられていた。日本の米のカドミウム汚染は、特定の場所のみのことではなく、全国規模に広がっている。「食糧庁検査課は、カドミウム汚染の実態を探るため97年・98年に全国で約3万7000点の米を調べ、汚染濃度別の内訳を把握しているが『公表すると受け取り方によっては、誤解を生ずるので、0.4PPM以上のケース以外は公表できない』としている」(3月8日 毎日)すなわち、日本の米のかなりの量が0.2〜0.4PPMのカドミウム汚染米なのである。

 どうして、日本の米がカドミウムに汚染されているのだろう。「かつて、鉱山があった周辺の水田の土壌では、今もカドミウム濃度の高い処が少なくなく・・・」(同)とあるように戦前、日本の各地に小規模な鉱山が無数にあった。時折、新聞をにぎわして来た朝鮮人の強制労働による国策鉱山である。私は新潟県の元鉱山跡を3〜4ヶ所知っているが、この鉱山を源とする小河川では、今でも死の川となっている所がある。カドミウムの重金属が流れ出しているため魚は住めない河川となっている。この水が大河川に流れ込み稲作に使われているのだから日本の殆どの米は、少量のカドミウム汚染米となっているのである。

 世界保健機構(WHO)が、カドミウム含有の安全基準値を0.1あるいは0.2PPM位上に定めると「現在流通している米の一部が汚染米として出荷できなくなる恐れが出てくる」(同)

 このカドミウム汚染米の長文の記事を読んで、次のことが思い浮かんだ。
・強い解毒作用のある食べ物を習慣的に食べる必要がある。私が知っている範囲の代表はゴボウである。このゴボウのことが農業新聞に出ていたので少々引用すると「ゴボウは食物繊維が豊富な事は良く指摘されるが、このほかに解毒作用の強さから古くから民間療法に使われて来た」「解毒作用が強く、腸の悪玉菌を排出する」「苦味配糖体のリグニンが発ガン物質を無毒化する」などの効果がある。家庭でどじょうの柳川はそうそう作れないが、肉を入れた柳川鍋は簡単に作れる。ともかく解毒作用のあるゴボウを食べて、体の中に入るカドミウムを早く体外に排出することだ。

 

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石田ふたみ