毎日新聞に100年の語り部というシリーズが続いている。8月3日はマハトマ・ガンジーの孫に当たるラジモハン・ガンジーのインタビューが載っていた。インドの核実験の評価に関するものであるが、インド人の持つ中国に対する脅威感が理解出来ない。ラジモハン・ガンジー氏は「インドには2つの顔がある。平和の顔と暴力の顔だ。今のインドは、暴力の顔が全面に出て、その顔には恐怖心が張り付いている。この恐怖心とは、中国に対する脅威だが、具体的な差し迫った脅威というより、脅迫観念に近い」というのである。

　歴史的に中国は、他国を侵略したことがない。どう考えても中国政府の最大事は、12億人余りの国民に満足な衣食を確保することである。今月に入ってから、長江（揚子江）支流域での大水害が伝えられている。
　
　この規模の桁が違う。「死者は8月3日まで2000人を超えて、被災者は2億4000万人、水害で倒壊した家屋は558万軒に達している。」（8/7日経）

　人口2億4000万人の国が、水害によって農耕地という生きる場を失っているのである。この復旧や自国民の職の確保が最大の命題で、インドに対する覇権など夢にも考えぬことだと思うのだが・・・